これは10誌が選ぶフォトグラファーの作品展。

BRUTUS/石毛倫太郎(RINTAROじゃないのか!?)、papyrus/江森康之、CUT/君塚 裕、東京人/鈴木知之
TRANSIT /谷口 京、LEON/谷田政史、commons&sense/塚田直寛、PEN/野村佐紀子、an・an/馬場わかな/Newsweek/ジョナス・ベンディクセン

私の知り合いは7名。本誌の「100Photographers」や「巻頭特集」で紹介した人もいる。
もうバリバリの方も数名いて「期待する若手写真家」という主旨とは、少し合わないのではないかと思う。

私が気になったのは谷口君の写真。

越前和紙に出力した迫力ある風景。
がっしりとした木製の額も写真と合っている。

このフレームは岐阜県郡上在住の彫刻家・鵜木憲之氏に制作を依頼したとか。
大正期の民家の床だった廃材を利用し、額として再生させている。


誰でも簡単に画像が記録できる時代だが、これは簡単には撮れない写真。
写真家の執念のようなものを感じる。

9月19日まで開催。


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伊藤之一「凸(トツ)」展

伊藤さんの写真展「凸(とつ)」をギャラリーWALLで観た。
(同名の写真集は、本誌9月号で紹介)

日本各地の入り組んだ海岸沿いで撮影。シフトレンズを付けたキヤノンEOS 5D MarkIIを2台設置し、若干アングルを変えることで、不思議な違和感、ワイド感を出している。

実は伊藤さん、このシリーズのためにカメラを2台壊してしまった。
本誌では書いていないが、岩場は風が強く、三脚に固定したカメラが風で倒れ、塩漬けに、、、。

1人で足場の悪い岩場まで、機材を抱えて移動するだけでも大変。
ウエイトまではとても持ち歩けなかった、とのこと。

展覧会では透明のフィルムに出力し、透過光で見せる試みも。
大きなポジを見ているような、ディテールの鮮明さは透過光ならでは。特にアンダー部分はよく再現されている。

9月11日まで。


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WWD秋号の特別企画と絡めた Leslee Kee「Muse of Tokyo 〜10人の大和撫子」展が、青山で開催されている。

これは、10代から60代までの各ジャンルで活躍する10名を撮り下ろした作品展。誌面とも連動している。

会場のvalveat81は、1階がハイファッションスタイルを提案するセレクトショップで、
2階は外光が入るギャラリースペース。

写真はB全、B倍サイズがズラリ。
演出が凝っていて、十人十色のストーリー展開は見応えがある。

(出演者とブランド)
浅田真央×「シャネル」
冨永愛×「グッチ」 
松任谷由実×「ランバン」
沢尻エリカ×「クリスチャン ディオール」 
桃井かおり×「ヴァレンティノ」 
菊池凛子×「バレンシアガ」 
長谷川智恵子×「フェンディ&ハリー・ウィンストン」
河直美×「ジョルジオ アルマーニ」 
滝川クリステル×「ルイ・ヴィトン」 
TAO×「ドルチェ&ガッバーナ」


本誌5月号ではレスリーの大特集をしています。

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箭内さんが撮影した写真集「風とロックの写真」を見た。

この写真集は、箭内さんが仕事で一緒だったり、月刊「風とロック」の撮影・取材時に撮影した作品の中から編集されたもの。

先に結論を言ってしまうが、これは「究極の素人写真」だと思う。

どんなに上手いプロが撮影しても、箭内さんとアーティストや俳優さん達の関係性の中で撮っているこの写真の延長線上でこれ以上の写真を撮ることは不可能だからだ。

プロと名がつく人は大抵の場合、上手に写真を撮ろうとする。ではうまい写真とは何か。
教科書的に言うと、ピントが合っている、露出が適正、構図のバランスが良い等々。

でも今のデジカメなら、ほっといてもピントが合うし、高感度ノイズも少なくてブレない。液晶を見ながら構図を決められる。つまり勝手に「そこそこうまい写真」が撮れてしまう。
デジカメの進化もあり、そこそこうまい写真がネットには溢れている。

箭内さんの写真は、ピントとか構図とか、そんなことよりも大事なことを教えてくれる。
それは写すという行為そのものが、相手と繋がる糸になっていること。

それがブレたりボケたりしていても、さして重要なことではない。人が好き。音楽が好き。それが大切だということ。

こんな写真集出されちゃったら、コマフォトとしては困るんだけどなあ(笑)。


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本誌にBOOKを持ち込んでくる若手フォトグラファーで、一番多いジャンルがファッションフォト。その次にポートレイト、風景と続く。

そんな若い人達に、少しでも参考になればという思いで、この本を制作した。

掲載しているのはケイ オガタさんを始め、第一線で活躍している9名のフォトグラファー。彼らの写真(作品)を見てほしいのはもちろんだが、それぞれがどのような過程を経て、今があるのか。そのインタビューは若い人にとってもとても参考になると思う。

ファッションフォトグラファーにとって、ファッションや最新のトレンドを知っておくことは重要だが、写真や洋服の情報だけでなく、普段どのようなものを観て、聞いて、感じているのか。様々なことに興味を持って吸収することがいかに大事か、ということがよくわかるはず。


これを言ってしまうとある意味極論なのだが、人気のある方というのは、人間として非常に魅力的でチャーミング。

今回、ケイ オガタさんの現場に何度も足を運んだが、スタジオスタッフにもフランクに話かけているし、皆から慕われているのがよくわかる。現場が明るくていい空気に包まれている。女優、俳優、人気アーティストから直接指名があるのも頷ける。
仕事で人物を撮る場合、共同作業になるのは必然で、その場の空気を作っていくのは、やはりフォトグラファーだなあと感じる。

この本を読んだ読者から次の世代を担ってくれる人が出てくれると嬉しいな。

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掲載フォトグラファーはケイ オガタ、久富裕史、田島一成、Leslie Kee、熊谷隆志、TAKAKI_KUMADA、安藤玲爾、角田修一、RINTAROの各氏。

Numéro TOKYOの編集長・田中杏子さん、REPマネージャーの緒方誠一さん、尾留川祐子さんらとの座談会も掲載しています。

北 義昭「原始の記憶」展

P.G.I.で 北 義昭「原始の記憶」展を観た。

原始というのは太古の昔、という意味ではない。
北さんが中南米を旅していた時、昔ながらの生活を送っている人達や、
風化していく遺跡と出会った時、
日本では気づくことのなかった「流れ」のようなものを感じたのが始まりだという。

建造物は歴史を語るが、
そこに住む子ども達にも、それぞれの地域の記憶が遺伝子の中に埋め込まれている。
侵略や戦争など、つらい記憶を継承しつつも、
子ども達の瞳はキラキラと輝き、しっかりと前を見つめている。

8月28日まで開催されているので、時間のある方は是非。


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新宿で開かれていた大和田 良「ノーツ オン フォトグラフィー」展を観た。

彼の作品は、撮影、プリントという工程を経て、最終的に「写真」という形に収斂されているが、
その前に、何をとるか、どう撮るかを考え、シミュレーションし、それを実行。
そこに偶然性というスパイスが入ったものを
写真というメディアに落としているのだと思う。

シンメトリックなもの、活版の数字、ある時は海外の紙幣をライトボックスの上で透かして複写する。
風景やスナップ等、感じたものを素直に写し撮る作品もあるが、
コンセプトから入ったり、技法を使ってシリーズ化している作品が好きだ。

考えて撮影しているからこそ語れるし、文章にもできる。
自分の写真を語るという工程は、これからの作家には重要な要素になってくると思う。


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鋤田正義さん撮影、Y.M.O. 30年の歴史を集約した写真集
「YELLOW MAGIC ORCHESTRA × SUKITA」が届いた。
アートディレクションは中島英樹氏。

ページをめくっていると、テクノポップ、シンセサイザー、最先端ファッション、そんなキーワードが浮かぶ。それにしても音楽とファッションって、とても密接に繋がっていることがよくわかる。

30年間追い続けている鋤田さんのバイタリティも凄い。とても一言では語れません。

後半にはメンバー各氏と鋤田さんへのインタビュー、またこの写真集に対する各界からのメッセージも掲載されている。

TOKYO FM 出版より発売。


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KANZANで開催された「へんで、いいよ。」展を観た。

これはADの西岡さんとコッシーの、同名コラボ写真集との連動企画。

写真集というと風景、ポートレイト、スナップなど、日本人はすぐにカテゴライズしたがる。書店での棚の場所やネット販売のために、ジャンル分けが必要という理由もある。

でもこの「へんで、いいよ。」にジャンル分けは無意味。
というかできない。

展示は立体的な仕掛けが多く、本とも違う展開で楽しめた。
「大人が真剣にふざける」って、いいね!

本誌9月号「写真と人」で、二人の対談を掲載しています。


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上/「へんで、いいよ。」展会場。
コッシーの奥様REIKOさんも電話中。


左/写真集。
表紙は赤唐辛子の口紅。裏表紙は青唐辛子の口紅。
中の写真も、そうとうヘンです。

問合せ、取り扱い書店の情報は




































先日、「KEIKO MANDERA & BALI DEEP展」を観た。

もはやZIGENさんのライフワーク的?活動とも言えるBALIでの撮影。
現地の文化や風習、風景等を残そうと、関係スタッフが継続的に制作・記録活動をしている。

ZIGENさんが初めて訪ねた6年前に比べても、
観光客用の踊りのイベントはあるものの、本当の意味での伝統芸術の継承は、
少しずつ薄らいでいるとのこと。

こういった活動を支援する企業や団体が増えていくことを期待したい。
詳細は http://www.balideep.jp まで。

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2010年9月

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プロフィール

坂田大作

坂田大作

1965年生まれ。1987年大阪芸術大学 写真学科卒業。広告代理店を経て、1988年(株)玄光社入社。現在、月刊「COMMERCIAL PHOTO」編集長。