デジタルフォト&デザインセミナー2016

知らなければ損をする!最新アドビツールのご紹介

仲尾毅/栃谷宗央(アドビ システムズ)

「デジタルフォト&デザインセミナー 2016」メインセッションは、アドビ システムズから仲尾毅、栃谷宗央の両氏が登壇してスタート。ここ1年ほどでさらなる進化を遂げたPhotoshopとLightroomの新機能から、今後搭載される予定の機能まで、すぐに試したくなる情報をたっぷりと紹介した。

出力環境の変化とともに進化を遂げるソフトウェア

img_event_dpds2016_01adob_01.jpg 栃谷宗央(とちや・むねお) 1998年9月、アドビ システムズ株式会社に入社。マーケティング部に所属し、アドビのPhoto製品全般を担当。Photoshopのバージョン 5.5から、Lightroomはベータから現行バージョンを担当。 「解りやすく、楽しく」をモットーに、Photoshop製品群の紹介を行なう。

こんにちは。アドビシステムズの栃谷宗央です。朝早くから大勢の皆様にご参加をいただきまして、ありがとうございます。今年で11年目を迎えた「デジタルフォト&デザインセミナー」ですが、今回は「進化」をテーマに「現場のプロ」に貴重なノウハウを紹介していただきます。最初のセッションとしまして、「知らなければ損をする! 最新アドビツールのご紹介」と題し、アドビアプリケーションの最新の情報をご紹介していきたいと思います。

世の中にはさまざまな新しいデバイスが登場しています。デジタルカメラ、スマートフォンなどがその筆頭に挙げられるかと思いますが、それに合わせて出力環境も進化しています。紙媒体、Web、4K・8Kといったテレビ、さらには映画、サイネージなど、多様なアウトプットが行なわれるのが今という時代の特色の一つです。そういった「体験」をサポートをさせていただくのが「Adobe Creative Cloud」です。2012年からスタートし、今では世界で610万人もの方々に利用していただいています。Adobe Creative Cloudは、すでにクリエイターにとっての共通言語、環境と言えるかと思います。

その中でも、今日、会場にいらっしゃる皆様のように写真やデザインの分野でお仕事をされている方々には、写真関連のツールを利用できる「Adobe Creative Cloud フォトグラフィプラン」がおすすめです。非常に安価な価格で、PhotoshopやLightroomといった定番のツールを利用できます。

ところで、昨年6月からAdobe Creative Cloudユーザーに向けて提供させていただいているストックフォトサービス「Adobe Stock」はご存知でしょうか。5,000万点のロイヤリティーフリーの写真、イラスト、映像を提供しているこのサービスは、素材を探す場としてだけでなく、マーケットプレイス、つまり作品の販売場所として活用できるようにもなっています。皆さんには、ビジネスを始めるきっかけとしてもご利用いただけたらと思っています。

img_event_dpds2016_01adob_02.jpg 5,000万点以上のロイヤリティフリーの素材を使用できる「Adobe Stock」。写真などの素材を販売するマーケットプレイスとしても利用できる。

Lightroom、Photoshopの新機能

さて、ご存じの方も多いかと思いますが、Adobe Creative Cloudには「常にアップデートを行なって最新版を提供する」という特色があります。この点は、皆様に利便性を提供できていると思っているのですが、その一方で「どんな進化があったのかがわかりにくくなった」という方もいらっしゃるようです。それを踏まえ、ここからはこの1年〜1年半の間にLightroom、Photoshopにどんな変化があったのかをまとめて振り返ってみたいと思います。

それにあたってここからは、現在ストリーミング番組「CREATIVE CLOUD 道場」を担当している、Creative Cloudエバンジェリストの仲尾毅にお手伝いをお願いしたいと思います。

img_event_dpds2016_01adob_03.jpg 仲尾毅(なかお・つよし) Creative Cloudエバンジェリスト。2012年、Creative Cloud登場と共にアドビ入社。Creative Cloudの伝道師として、Adobeの最新技術・製品・サービスの訴求と移行促進に従事。クリエイターにとってメリットのある最新情報をいちはやく伝える。

仲尾 こんにちは、ただいまご紹介に預かりました仲尾毅です。今日はCreative Cloudの「モバイル」パートを中心に、新機能を紹介していきたいと思います。では栃谷さん、何の話から行きましょうか?

栃谷 それではまず私の方から、Lightroomの新機能を紹介したいと思いますが、今回のイベントのテーマである「進化」にまつわる話題として、最新の機種が次々と登場するデジタルカメラとの関係について触れてみたいと思います。

この1年の間だけでも、実に多くのデジタルカメラがリリースされましたが、Lightroomでは、そのほとんどのカメラのRAWデータの処理をサポートしています。その数、実に56機種。またレンズのプロファイルについても123種類が追加されました。これでトータルで約600機種のカメラ、1,000種類弱のレンズをサポートしたことになります。アドビはこのアップデートをおよそ90日ごとに行なっています。新しいカメラを買ったからといって、アプリケーションを買い替えると必要はない、というわけです。

そのLightroomには、パノラマ機能が追加されました。ここで注目していただきたいのが「自動切り抜き」と「境界線ワープ」の機能です。「自動切り抜き」は、パノラマ作成で生じる余白の部分を自動で切り抜いてくれる機能、「境界線ワープ」はスライダーを調整することでセミマニュアル的に画像を調整しつつ、つなげてくれる機能です。パノラマ作成は面倒だと思う方でも簡単にできてしまう、というわけです。

img_event_dpds2016_01adob_04.jpg img_event_dpds2016_01adob_05.jpg Lightroomに搭載されたパノラマ機能。「自動切り抜き」と「境界線ワープ」に注目したい。

もう一つ、新機能を紹介しましょう。こちらの写真、パッと見ておわかりの通り、ボヤッとした「かすみ」がかかっていますよね。こういった写真には、昨年のこの場で「テクノロジープレビュー」として紹介した新機能「かすみの除去」が効果的です。従来はいくつもの機能を組み合わせてもなかなか難しかった除去効果を、スライダー操作だけで実現できるようになったわけです。

img_event_dpds2016_01adob_06.jpg img_event_dpds2016_01adob_07.jpg 「かすみの除去」は白飛びや黒つぶれを防ぎつつ、画面をクリアにする機能だ。

ところでLightroomはデスクトップ環境だけのものではありません。Web環境からも簡単に使えるのです。アドビのWebサイトにログインしていただき「写真」 のボタンをクリックし、さらにメニューから「テクノロジープレビュー」をオンにすると新しい機能も利用できるようになるんです。

img_event_dpds2016_01adob_08.jpg img_event_dpds2016_01adob_09.jpg アドビのWebサイトの「写真」。Web上から写真の閲覧、編集ができる。また「テクノロジープレビュー」をオンにすると新しい機能も利用できる。

デスクトップとも連携できる写真編集用モバイルアプリ

仲尾 今、栃谷さんが紹介したWeb環境での「写真」編集機能ですが、デスクトップ版のLightroomで「同期」の設定をすると、手持ちの写真をWebからも閲覧、編集できるようになります。さらにこの同期を行なうと、手持ちの写真をモバイルデバイスからも閲覧、編集できるようになるんですね。そこでここからは写真をモバイル環境で活用する方法をご紹介していきたいと思います。

アドビは、写真にちなんだモバイルアプリをたくさんリリースしています。その中でもまず紹介したいのが「Lightroom mobile」です。ブラウズ機能に加えて、さまざまな編集機能を搭載しているのが特徴で、その中にはPhotoshopの最新機能として、先ほど紹介のあった「かすみの除去」も用意されているんです。しかもLightroom mobileは、タブレットやスマートフォンのタッチ操作が利用できますから、写真の中の調整をしたい部分に指でダイレクトにタッチして動かす、といったこともできるわけです。

img_event_dpds2016_01adob_10.jpg Lightroom mobileを使えばiPadのようなタブレットやスマートフォンデバイスで写真の閲覧、編集作業ができる。「かすみの除去」機能も備えている。

また、スマートフォンといえばカメラ機能が付いていますが、Lightroom mobileはそのカメラを使って撮影する機能が付いています。ホワイトバランスや露光の調整ができたり、さまざまなプリセットを活用して画像の調整ができます。そしてそのまま、InstagramなどのSNSに投稿できるというわけです。

img_event_dpds2016_01adob_11.jpg Lightroom mobileにはカメラを使った撮影機能も付いている。画像を調整してそのままSNSに投稿できる。

栃谷 デスクトップ環境とモバイル環境で連携しながら、さらにモバイル環境独自の機能も活用できるというわけですね。ところでモバイル環境でPhotoshopも使えるんですよね。

仲尾 もちろんです。Photoshopのモバイルアプリは3種類リリースされています。その中でもまずは「Photoshop Fix」をご紹介したいと思います。これはレタッチ機能を搭載したアプリです。例えば指でなぞった部分の肌のレタッチができますし、歪みの補正なども簡単にできるんです。ちょっと補正の作業をしてみましょうか。目や鼻、顎といった顔のパーツを自動で認識して、タッチ操作で調整ができる。こちらはデスクトップ版のPhotoshopにはない機能です。

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Photoshop Fixはレタッチ機能を備える。肌のレタッチや、顔のパーツの調整などを簡単に行なうことができる。

また、「Photshop Mix」というアプリを使うと、Photshopならではのレイヤーを使った「合成」もできます。「選択範囲」ボタンを押して選択したい部分を指でなぞると、自動で選択範囲が作成されます。髪の毛のような細かな部分は少々やりにくいのですが、その場合は境界部分をぼかしたりすると自然に切り抜くことができます。合成の際には、ブレンド方法の選択ができます。自然に合成するケースもそうですが、アーティスティックな表現を狙って調整するのもいいと思います。

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モバイル環境でもレイヤーを使った合成が可能。タッチ操作を使えば切り抜きなどの作業が簡単だ。

こうしてモバイルでレタッチや合成といった作業ができるわけですが、私としては、写真の公開先がInstagramなどのソーシャルメディアであることが増えてきた今、閲覧環境としての割合が多いモバイル上で編集して公開するというフローには大きなメリットがあると感じています。アプリは全て無償ですぐに使えますし、Creative Cloudのメンバーであれば、作業の続きをデスクトップのPhotoshopで行なうこともできるというメリットもあります。ぜひ、活用をしていただけたらと思います。

栃谷 なるほど。モバイル環境でのクリエイティブ環境にも大きな進化が起きているわけですね。MicrosoftのSurfaceやiPadなどがあれば、どこでも写真の編集作業ができる。刻々と進化しているんですね。

Adobe StockでPhotoshopからダイレクトに豊富な素材にアクセス

栃谷 では、デスクトップ版のPhotoshopの進化はどうなっているの?という点が気になるところですよね。そこでPhotoshopの最新機能から、注目のポイントを紹介したいと思います。それが「ライブラリ」パネルからアクセスできる「Adobe Stock」です。PhotoshopからダイレクトにAdobe Stockの5,000万点もある素材から適切なものを探し、活用できます。余計なことに悩まされることなく、作業を進めることができるというわけですね。

img_event_dpds2016_01adob_16.jpg 「Adobe Stock」にライブラリ上からアクセスしたところ。必要な時にいつでも素材を探すことができる。

ライブラリパネルのもう一つのメリットはフォントです。画像編集作業の際にコピーを打ち込んだり、透かしとして名前を打ち込むこともあるかと思いますが、その際の書体もライブラリから探すことができるのです。もちろん日本語の書体も選ぶことができます。それだけではなく、わたなべさんの「なべ」、さいとうさんの「さい」など、さまざまな異体字のある漢字を選択することもできます。「渡辺」「渡部」「渡邊」「渡邉」、「齋藤」「斎藤」「齊藤」「斉藤」などから正しい漢字を選ぶことができるというわけです。また、著作権を示す©表示などを選ぶのも簡単です。このように、Photoshopはテキストに関しても進化をしているんです。

img_event_dpds2016_01adob_17.jpg ライブラリパネルからはフォントを探すこともできる。日本語の書体も選ぶことができ、異体字の検索機能を備えている。

仲尾 ライブラリの機能はとても面白いですね。さまざまな素材が出てくるなんてまるでドラえもんの異次元ポケットのようです(笑)。ところで、ドラえもんというと未来のロボットです。未来というと、Photoshopのちょっと未来の機能など、見られたらいいんですが‥‥栃谷さん、いかがです?

栃谷 おっと、そうきましたか(笑)。そうですね。去年はここで新機能の「かすみの除去」を紹介しましたから、今年も一つ、チラッとご紹介しないといけませんね。

では、こちらの風景を見てください。ご覧の通り水平が取れていないですよね。こういう場合は「角度補正」で傾きを整えるかと思いますが、その場合、当然ですが、隙間の空白の部分ができてしまいます。しかしそんな時にはここにあるチェックボックスに注目してください。英語で書かれていますが、日本語にすると「コンテンツに応じた切り抜き」となります。これは回転によって生じる、ちょっと足りない部分を自動で埋めてくれる機能なんです。これを使うと、撮影時に想定していた構図を崩すことなく、回転させることができるというわけです。おそらく、近い将来Photoshopに搭載されることになるかと思いますので、ぜひ楽しみしてください。

img_event_dpds2016_01adob_18.jpg img_event_dpds2016_01adob_19.jpg Photoshopに将来搭載されると紹介された「コンテンツに応じた切り抜き」。回転時の空白を埋めてくれる機能だ。

というわけで、ここでは仲尾さんと一緒に、LightroomやPhotoshopの新機能の一部を紹介してきました。今後もアドビは皆様のクリエイティブエクスペリエンスをさらに充実したものにしていくよう努力していく所存です。今後もぜひ、アドビ製品に期待をしていただけたらと思います。

今日はどうもありがとうございました。


取材:小泉森弥
会場写真:竹澤宏

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反射神経に応えられる機動性 ディレクター「柘植泰人」

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