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ゲッティイメージズの写真で振り返る激動の2020年|Year in Review by Getty Images

Year in Review by Getty Images 2020年を報道写真で振り返る

ゲッティイメージズ ジャパンは、2020年を報道写真で振り返る『Year in Review by Getty Images』を発表した。新型コロナウイルスが大流行した2020年は、7,700万枚以上の報道写真を配信(11月末時点)。100名の専任報道フォトグラファーと、34万人のコントリビューターを抱えるゲッティイメージズが切り取った歴史的なシーンを振り返る。

1. 新型コロナウイルスによって変わった世界

ロックダウンや緊急事態宣言が発出され、ニューヨークのタイムズスクエアや渋谷のスクランブル交差点などの大都市から人がいなくなるという、まるで映画のような光景が報道写真によって切り取られた。世界中の人々の生活は大きな変化を余儀なくされた。これまでの常識の範囲内で行動することができなくなり、ニューノーマル時代への変遷の中で、新たな価値が少しずつ生まれてきている。

img_event_other_ getty201216_01.jpg2020年4月 アメリカ 誰もいないタイムズスクエアでサックスを演奏する男性
1220947106,Arturo Holmes/Getty Images

img_event_other_ getty201216_02.jpg2020年3月 中国 ソーシャルディスタンスを保って昼食をとる工場員たち
1214503064,Getty Images/Getty Images


2. 環境問題の意識が高まった1年

世界中でロックダウンが起こる中、気候変動や水質汚染など、地球環境問題にも目が向けられた。インドでは約30年振りにヒマラヤ山脈の姿が目視され、イタリアのヴェネツィアでは運河の水質が蘇り魚が増えた。香港では絶滅危惧種のピンク色のイルカが海に戻ってくる事例も発生するなど、全世界において、生産活動、消費活動が減った結果、大気や水質汚染が大幅に改善された。

一方で、使い捨てのマスクや手袋などコロナゴミ(covid waste)が大量発生し、世界中の海に流出するという深刻な問題も起きている。このようなニュースが連日流れることで、消費者の環境への意識も高まったと予測される。

img_event_other_ getty201216_03.jpg2020年4月 インド 大気汚染が改善され、数十年ぶりにヒマラヤ眺望
1209107323,Pardeep Pandit/H industan Times

img_event_other_ getty201216_04.jpg2020年4月 ウクライナ コロナごみが公害の原因に
1209223832, should read Andrey Nekrasov/Barcroft Media via Getty Images


3. 激動の1年 スポーツ

東京オリンピックをはじめ、多くの国際大会が延期または中止された。活躍の場を失ったアスリートたちは、自宅やベランダにワークアウトの場所を作り、先の見えない不安を抱えながら、孤独な戦いを強いられた。世界のトップリーグやチームは、会場の徹底した衛生管理方法、無観客観戦(人数制限観戦)やオンライン観戦など、ニューノーマル時代に則した運営方法を模索している。

NHL、NBA、MLBなどのリーグは、通常の撮影場所をなくし、フォトグラファーはファンが座るスタンドの中など、新しい視点から撮影することを余儀なくされている。

img_event_other_ getty201216_05.jpg2020年9月 ドイツ 自作のパペットと一緒に自宅でトレーニング
1217997897,Lars Baron/Bongarts/Getty Images

img_event_other_ getty201216_06.jpg2020年7月 リモート応援の様子をモニターに映し出す
1253923293, Laurence Griffiths/Getty Images


4. 激動の1年 エンターテインメント

医療従事者に感謝を伝えるために、世界で活躍する多くのアーティストが自宅からライブ配信を行なった「Together at Home」。ゲッティイメージズは、アーティスト達にオンラインライブ配信の様子を撮影するマニュアルを提供し、オフィシャルフォトエージェンシーを務めた。日本でも多くのアーティストが自宅や無人コンサート会場からソーシャルメディアで音楽をストリーミング配信するようになった。

img_event_other_ getty201216_07.jpg2020年4月 グローバル・シチズンが発表した「Together At Home」
1219652399,Getty Images/Getty Images for Global Citizen

img_event_other_ getty201216_08.jpg2020年8月 奇抜なマスクでベスト・コラボレーション賞を受け取るレディー・ガガ
1269763707, Kevin Winter/MTV VMAs 2020/Getty Images for MTV


報道専任カメラマン:カール・コートの現場の声

img_event_other_ getty201216_09.jpg2020年2月3日、横浜港に「ダイヤモンド・プリンセス号」が到着した際には、ここまで新型コロナウイルスの感染が日本国内に広がるとは思っていませんでした。徐々に感染が広がり、全国への緊急事態宣言が発令されてからは、ゲッティイメージズのフォトグラファーの国境を超えた派遣ができなくなり、日本国内のフォトグラファーは私だけになりました。

私は、ゲッティイメージズのフォトグラファーとして、日本における新型コロナウイルスの猛威を伝える責任があると強く感じました。年間3000万人以上の観光客が訪れる浅草寺から人が消え、マスクやトイレットペーパーの買いだめによりスーパーや薬局の商品棚は空になりました。空っぽになった新幹線のホームや空港、その一方で、1日の利用者が37万人を超える品川駅や東京駅では、変わらず通勤しているマスク姿の通勤者たちの光景が印象的でした。

撮影のリスクについては、これまでのテロ現場での経験値を活かして、俯瞰して自分がどのように立ち振る舞うべきかを考えながら動いています。今後も日本国内の状況をストーリーのある写真で伝えていきたいと考えています。

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