一眼ムービーなんて怖くない!

第27回 LUMIX GH4の性能アップは期待以上だった

解説:鹿野宏

ミラーレス一眼のコンパクトなボディで4K動画が撮れる
img_products_dslr_nofear27_01.png
img_products_dslr_nofear27_02.png コンパクトなボディに4K動画性能。見た目もGH3とほとんど変わらないが、性能は各部でかなりアップしている。価格は17万円前後(オープンプライス)。

パナソニックLUMIX GH3を検証し、その高い動画性能に驚かされたのが、昨年6月のことです。その後継機、LUMIX GH4が発表されました。GH3からたった1年で、その性能の多くの点が2倍から3倍に引き上げられています。特に今この時期、この価格帯の一眼カメラで4K撮影を可能にしたのは評価したいと思います。30fpsという充分とはいえないフレームレートではあるし、まだまだ4Kの表示環境も整ってはいない現状ではあるけれども、動画のロードマップとしては、今後、4Kが標準となるのは「すでに決定事項」なのです。

ただ筆者は4K撮影よりも、「いきなり高くなったその他の性能」の方が気になります。β機を借りることができたので、使い勝手を中心にファーストインプレッションを報告したいと思います(β機なので画質に関しては、また別の機会に)。

さてGH4が4K撮影可能となった技術的背景には、CMOSの読み出し速度が約2倍になったこと、画像処理エンジンが4CPUと高速化されたことが、大きく寄与しています。そしてその副産物(?)として、その他の撮影性能も大幅にアップしました。ダイナミックレンジが一絞り分広がったり、連写速度の向上、CMOSの最大の弱点であるローリングシャッター現象の大幅減少など、すべて写真、動画品質を左右するものばかりです。

さらに4Kで100Mbps、フルHD時のAll-Intraでは200Mbps、IPBde100Mbpsという高ビットレートを実現。スローモーション撮影時のフレームレートもフルHDで最高96fpsを実現し、これを24fpsで再生すると約4倍、30fps再生の場合は約3倍のスローモーションが可能になります。さらにこれだけ高いフレームレートとビットレートの撮影でも、撮影時間やデータ量の制約がなく、こんな小さなボディで長時間安定して撮影できる仕様には、全く感心してしまいます。

この数値はとても「ハイアマチュア向け」どころではありません。プロ向け一眼デジタルの最高スペックのカメラでさえ、これだけの数値をたたき出せないでいるのです。AFエリア数が最大23点から最大49点に増加したのも、この高速化の恩恵だそうです。

さらにGH4では「システム周波数」という概念を導入。フルHDまでは60p/50p/30p/25p/24pと、ほとんどのフレームレートとフレームサイズを自在に組み合わせることが可能で、日本国内において関東と関西の電源周波数の違いに対応できるだけでなく、世界中の電源周波数、放送波に同期できるようになりました。ワールドワイドの仕事につながりそうです。

あまり期待していなかったオートフォーカスも、良い意味で期待を裏切り、大きく進化していたことに注目です。「Depth From Defocus Technology」という聞き慣れない技術が搭載されましたが、これは常に空間情報を認識し距離情報をデータ化、画面に写る全ての被写体距離を瞬時に算出…説明が長いですが…要するに、なんとピントを移動させる際にほとんど迷わず、一気に合焦領域までレンズを駆動させる技術です(動画撮影時はやや遅いスピードで合焦するように設定されていますが、これは見事。フォーカスインのようなギミックに使えます。移動スピードを3段階くらい選択できるとさらに完璧!)。

高性能な「顔・瞳認識」
img_products_dslr_nofear27_03.jpg 「顔・瞳認識」機能で顔が動いても瞳に合わせたピントを追従。画面をタッチすることでピント位置の変更もできる。

人間の顔のサイズなども距離情報と組み合わせて判断するため、移動する人物に追随するオートフォーカス精度も大幅に向上しています。被写体や構図に合わせてフォーカスポイントとその並びを自由に設定できる機能も追加され、動画撮影時のフォーカスイン、フォーカス切り替えなどの自由度が非常に高くなりました。

ちょっとびっくりしたのが「顔・瞳認識」。顔全体と瞳の位置を検出し、レンズに近い瞳にピントを合わせてくれる機能。うーん、これには参りました! F1.7の浅いピントで顔が左右に振れても、レンズに近い方の瞳にピントを合わせてくれます。これまでこの連載でも「動画はカメラのピント追随は使わずマニュアルフォーカスで撮影する」ことを提唱してきましたが、この技術によってその考え方も「過去のもの」となるかもしれません。

GH3で懸案だったEVFファンダーと液晶モニタは、解像度、コントラストともに向上。電子シャッターも1/8000、ISO3200まで追随するようになり、音を出せない撮影時の使い勝手も大きく向上しています。未だに「写真撮影」も重要なお仕事なので、このあたりの静止画撮影機能も気になってしまいます。商品撮影では使用しないかもしれませんがロケ、スナップ、取材ではメインで使用できそうです。

今回、GH4が驚くほど短い開発期間で発表された理由は、GH3開発時からGH4は同じ筐体を使用する方針を固めていたためでしょう。そのため「見た目」にはGH3とGH4の差はありません。

大きな違いは、モードダイアルの高さが高くなり、操作がしやすくなったこと。アイカップが大きくなって眼鏡をしていてもファインダーが覗きやすくなったこと。余り目立ちませんが、指先がかかるグリップ部分が深くなり握りやすくなったことぐらいです。グリップの変更は、ボディ部分としては今回の改訂の中でもっとも大きな仕様変更だったと思いますが、大いに歓迎します。

携帯端末でのリモート操作
img_products_dslr_nofear27_04.jpg 携帯端末でのリモート操作も充分、実用的なレベルになった。アイデア次第で、色々な撮影に使えそう。

iPhoneなどのスマートフォンとの連携もかなりこなれてきて、GH4では動画のオンオフ、撮影中のピント移動、などを含め、ほとんどの遠隔操作が可能になりました。これならリモート撮影もかなり使えそうです。物撮りはさすがに結線したカメラの方が使いやすいですが、ロケなどでは思わぬ使い方がありそうです。

さて、次回はその進化した実力を検証し、このカメラをどう使いこなすのかを考えてみたいと思います。

鹿野宏 Hiroshi Shikano

デジタルカメラの黎明期からほとんどの一眼レフタイプのデジタルカメラを遍歴。電塾運営委員としてデジタルフォトに関する数多くのセミナーを開催。カラーマネージメントセミナーも多い。写真撮影では2億画素の巨大な画像を扱い、2009年から動画撮影をスタート。WEB上の動画、デジタルサイネージ、社内教育用などの「ミニマル動画」を中心に活動している。

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