一眼ムービーなんて怖くない!

第28回 GH4を「ミニマル動画」でいかに使いこなすか!?

解説:鹿野宏

パナソニックのミラーレス一眼カメラGH4。前機種のGH3から、動画、スチル両面において画質、撮影機能が大きく進化したことは、前回このコーナーで触れましたが、では「このカメラをどう使いこなすか」。そこを考察してみたいと思います。

4KからHD画像を切り出して使う

GH4、最大の目玉は、やはり4K撮影に対応したことでしょう。時代の流れも4Kへ一直線です。しかし現状の筆者の仕事では、まだまだHD/フルHDがメイン。そこでかなり「贅沢」ですが、4Kで撮影をしてHD/フルHDで画像を仕上げるという使い方が考えられます。

下の作例を見ていただけるとわかるのですが、4Kというサイズと、HDのサイズの差はこれくらいあります。画面に小さく写っている人物を「バストアップ」に切り出しても、画像劣化は全くないわけです。これだけ差があると、1台である意味「マルチカメラ」として使うことも可能です。カメラ、アングルが固定されていても、後からの編集作業でズーム、パンニング、拡大表示、アップとロングの切り替えなどをした動画が簡単に作れてしまいます。

たとえばコンサートやセミナーなど、会場後方にセンターカメラとしてGH4をセット。カメラ固定、アングル固定でずっと引きの映像を撮っておきます。自分は手持ちの別カメラでステージ脇などから狙えば、撮影者1人でもカメラ3〜4台分のアングルの撮影ができるというわけです。

HD、フルHD仕上げの動画でも、4K撮影のメリットは大きい

img_products_dslr_nofear28_01.jpg 4Kの画像に対し、HDのサイズは画面の明るくなっている部分。つまり最終的にHDで仕上げるなら、引きの4K映像から、人物のバストアップ部分だけを切り出すことが可能だ。

img_products_dslr_nofear28_02.jpg 実際に編集するとこんな感じ。左の遠景が元のクリップ。右がタイムライン上に配置した拡大の映像。4Kでは288%拡大使用だが、HD出力時にほぼ100%使用となる。

「ALL-Intra」撮影の可能性

GH4では、フルHD撮影までIPBとALL-Intraの動画圧縮コーデックを選択できます(4K撮影はIPB方式のみ)。

簡単に言ってしまえば、IPBは圧縮の際、キーとなるフレームを設定、画面の動いていない部分はそのまま流用し、連続するコマをまとめて圧縮する方式。圧縮率が高くデータの容量は小さくなりますが、実画像(Intra)が1秒間に2コマくらいしか存在しないので、グラデーション部分やオーバーラップ部分にトーンジャンプを起こしやすいのが欠点です。本来は配信用として設定されたコーデックですが、圧縮率の高さからカメラ記録にも用いられるようになってきました。

対してALL-Intraは撮影時に1コマずつ、30pであれば1秒間に30コマの画像を撮影/圧縮していきます。そのため容量は大きく、またビットレートが高くないと「IPB画像よりも品質が低くなる」場合もあります(圧縮率の高いJPEGと考えるといいでしょう)。ただしコマ単位なので、編集の際の自由度は高く、好きなところで切り張りができるし、強めの編集をかけても劣化が少なく、グラデーションにトーンジャンプも出にくい。撮影後の編集作業には最適な方式と言えます。

GH3でもALL-Intraでの撮影はできたのですが、ビットレートは75Mbpsで、モスキートノイズが出るなど、IPB(50Mbps)よりも画質に難点がありました。しかしGH4のALL-Intraのビットレートは200Mbpsです。ビットレート100Mbps設定のIPBに対し、画質的に遜色ありませんし、後々の編集のしやすさは、ALL-Intraに軍配が上がります。秒60コマでの撮影もサポートしているので、速いシャッタースピードを使用しても(凄いことです)、そこそこ滑らかな動きを記録できそうなのも魅力です。

当然データは大きくなってしまいますが、特に高周波成分が多い画像の場合は、IPBも結局は同じような容量になってしまいます。データの総量を気にしないですむ場合は、ALL-Intraでの撮影がお勧めなのです。

使えるフォーカス機能

前回でも触れたフォーカスアシスト。実際に撮影でも使ってみましたが、驚くほどの性能、ぜひ使いこなしたい機能です。たとえば背面ディスプレイで被写体をタッチすることでピント位置が移動できる…ぼけた画像から背景にピントを合わせ、その後前面の主被写体にフォーカスする…なんてことが、いとも簡単にできてしまうのです。フォーカスインも、少々スピードが早いですが、そこそこ使用できます。欲を言えばフォーカススピードが3段階くらい切り替えられて、もう少しゆっくりピントが合う設定があれば、いっそう幸せ…(ちなみにこれは「超音波モーター駆動」では難しいでしょう。静止画ではピントが素早く合うことは重宝されるのですが)。 

さらに画面内を前後に歩き回る人物にも、ピントを合わせ続けることが可能。絞り開放で撮影してみましたが、見事に追随しています。腕のいいフォーカスマンでもこうはいかないかも…。

こんなフォーカスワークが簡単にできてしまう
ピント移動
img_products_dslr_nofear28_03.jpg img_products_dslr_nofear28_04.jpg img_products_dslr_nofear28_05.jpg 液晶モニタの画面をタッチするだけで、任意の場所にピントを合わせてくれる。作例は上から「アウトフォーカス」→「後ろの観葉植物」→「人物」にフォーカス。
ピント追従
img_products_dslr_nofear28_06.jpg img_products_dslr_nofear28_07.jpg img_products_dslr_nofear28_08.jpg フォーカスマンがいなくてもこんな映像が撮れてしまう。部屋の一番奥から歩いてきて椅子に座り、カメラに寄る。一連の動作をF1.7開放絞りで見事にフォローし続けた。これは凄い。

4Kが撮れて、ALL-Intraで大幅なカラー・グレーディングも恐れずにトライできる。「使える」オートフォーカスのおかげで様々な表現も広がる。これだけできて18万円の投資。GH4は筆者の「ミニマム動画」(低予算、少スタッフの動画制作)にまさにぴったりのカメラ。この記事では、まだ発売日前、β機でのテストですが、すでに購入予約済み。実機が来るのが楽しみです。

鹿野宏 Hiroshi Shikano

デジタルカメラの黎明期からほとんどの一眼レフタイプのデジタルカメラを遍歴。電塾運営委員としてデジタルフォトに関する数多くのセミナーを開催。カラーマネージメントセミナーも多い。写真撮影では2億画素の巨大な画像を扱い、2009年から動画撮影をスタート。WEB上の動画、デジタルサイネージ、社内教育用などの「ミニマル動画」を中心に活動している。

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