一眼ムービーなんて怖くない!

第38回 オリンパスOM-D E-M5 MarkIIの「手ぶれ補正」は、かなり使える

解説:鹿野宏

「一眼カメラで、パンやリフトをスムーズに使える雲台(第37回/マンフロットプロフルード雲台)」や「動きのよいスライダー(第30回/ALLEXスライダー)」を手に入れてから、カメラを動かす動画撮影に興味を持ちはじめました。長時間フォローするつもりはないですが、カットとカットを繋ぐ20〜30秒くらい、手持ちで動く人物などをフォローできる「使い勝手がいいスタビライザー」を探していたのです。でも、どれもセッティングが面倒で、また気に入ったものは結構いい値段がします。そんな中に飛び込んできたのがオリンパスの一眼カメラ「OM-D E-M5 MarkII」のニュースでした。

「ボディ内5軸手ぶれ補正機能」を備えたOM-D E-M5 Mark II
img_products_dslr_nofear38_01.png 2015年2月に発売されたオリンパスOM-D E-M5 Mark II。OM-Dシリーズではミドルクラスの機種だが、「5軸手ぶれ補正」他、動画性能アップに注目。価格はオープンプライス。 olympus-imaging.jp/
img_products_dslr_nofear38_02.jpg VCM方式でイメージセンサーをX軸(シフトぶれ左右)、Y軸(シフトぶれ上下)、Z軸(回転)の5方向の動きに対応。

マルチショットフリークの私が最初に注目したのは、1600万画素のマイクロフォーサーズでマルチショットを行ない4000万画素の画像を得られること…ですが、実際に使ってみて興味を惹かれたのは「5軸手ぶれ補正機能」でした。そうです、私にとって都合のよいカメラスタビライザーとは、カメラ本体が手ぶれと揺れを防いでくれることなのでした。これまでも動画で動作する手ぶれ補正はありましたが、打ち消せる範囲がかなり狭かった。

さらに、もう一つ…正直な話、これまでオリンパス一眼カメラの動画性能は、特にビットレートの低さが気になってあまり「ピン」ときていなかったのですが、「OM-D E-M5 MarkII」ではビットレートもフレームレートも2倍に上がっていて、使ってみたいという気になったのです。

さて、その5軸手ぶれ補正とは…上下の角度が変わる「Pitch」、左右の角度が変わる「Yaw」、上下と左右それぞれの「Shift」に、回転する「Roll」の動きを加えたもので、上下左右は被写体に近い時にかなり有効です。マクロレンズなどで被写体に近づいた時に体感するでしょう。ロールは長時間の手持ちの場合に効果を発揮します。この機能は前の機種「OM-D E-M5」から実装しているのですが、その効き方が飛躍的に進化しているようです。

カメラ本体でのぶれ補正は、ぶれた方向と角度に対応してイメージセンサーを動かすという仕組みです。この機種はVCM(Voice Coil Motor)方式で、イメージセンサーは宙に浮いているために、あらゆる方向、角度、回転を組み合わせて制御可能です。加えて上下左右方向に充分な角度が与えられているために、手ぶれを打ち消せる幅が広がったということなのでしょう。

動画で「画面を固定して撮影する」場合は三脚を使用する…これまで何度もお話ししてきたことですが、このカメラを使うと全く異なる答えが出てきます。普通にカメラを手に持って撮影しているだけで、ファインダー内の画像が安定しているのがわかります。特にローリング方向はセンサーを回転させないと打ち消せない「ぶれ」ですが、これが見事に効いています。

手持ちで、三脚を使用したようなインタビュー映像が撮影できることは驚きです。この撮影スタイルを推奨はしませんが、いざという時に手持ち撮影が可能であることは大きなメリットです。

歩きながらの撮影の場合、カメラスタビライザーのような浮遊感はありません。やはり撮影者の歩く動作に伴う上下の動きは現れます。「歩いている雰囲気」を演出しながら「見やすい動画」を撮影できると思っていいでしょう。とは言え、かなりの手ぶれ補正を実現してくれました。

このカメラはOM-Dシリーズの最上位機種ではありません。「E-M5 MarkII」なのです。使用感としては、最上位機種「OM-D E-M1」と比べると、やや物足りないところもあります。「E-M5 MarkII」の位置づけとしては、仕事で使える動画機能を持ち、オリンパスがついにプロの一眼動画撮影のスタートラインに立ったカメラだと考えるべきでしょう。今後、この5軸手ぶれ補正が搭載されるであろう上位機種「E-M1」の後継機「OM-D E-M1“MarkII”」の登場が、とても楽しみになりました。

E-M5 Mark IIの手ぶれ補正の実力は?
img_products_dslr_nofear38_03.jpg 左が筆者の動画撮影メイン機GH4、右がE-M5 MarkII。ひとつのプレートにつけて、同時撮影。

img_products_dslr_nofear38_04.jpg パナソニックLUMIX GH4とE-M5 MarkIIを同じプレートにつけて撮影。同時に撮影してみるとスタビライジングの効果がはっきりとわかる。ここで起きている現象は回転ぶれだと思われる。通常のレンズ内手ぶれ補正は回転ブレに全く対応ができないため、明らかな差が出る。Model:Nanako

img_products_dslr_nofear38_05.jpg 歩きながらの撮影で、一眼カメラを両手でホールドして撮るのは結構大変。即席ハンドキャリーを作ってみた。下についている自由雲台は、シーアンカーのような感じで、ロックしないでぶらぶらさせている。カメラを置く時は便利だが、スーパーローアングルの時は邪魔。もう少し考える必要がありそうです。

E-M5 Mark IIで撮影した動画のサンプル映像を下記サイトにアップしていますのでご覧下さい。
www.hellolab.com/EM5II/EM5II.m4v

鹿野宏 Hiroshi Shikano

デジタルカメラの黎明期からほとんどの一眼レフタイプのデジタルカメラを遍歴。電塾運営委員としてデジタルフォトに関する数多くのセミナーを開催。カラーマネージメントセミナーも多い。写真撮影では2億画素の巨大な画像を扱い、2009年から動画撮影をスタート。WEB上の動画、デジタルサイネージ、社内教育用などの「ミニマル動画」を中心に活動している。

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