一眼ムービーなんて怖くない!

第40回 「SHOGUN」をGH4とα7Sで使ってみた

解説:鹿野宏

前回は「SHOGUN」のハード的なオーバービューをメインに書きましたが、今回はパナソニック LUMIX GH4とSONYα7Sで撮影し、その実用性と仕上がったデータを見てみたいと思います。

カメラのポテンシャルを最大限に引き出すα7Sと「SHOGUN」の組み合わせ

img_products_dslr_nofear40_02.jpg 高感度でも広いダイナミックレンジを持ち、しかも4K撮影では全画素読み出しをするα7Sにとって、「SHOGUN」のProRes422は、画像のクオリティをそのまま記録してくれる強い味方。実際に結婚式の支度の様子を撮影。カメラ以外、照明機材などは持ち込めない状況だったが、これだけ美しい動画を撮影できたのには驚く。 モデル:蘭

img_products_dslr_nofear40_01.png α7Sに、「SHOGUN」をセットした状態。

一眼ムービーで「SHOGUN」を使うメリットは、4KのデータをProRes422 HQ10bitという高画質で記録できること。フルHD/120pも記録可能ですが、それを実現できているカメラはまだ存在せず、「そこまでのポテンシャルを持っている」と受け取るべきなのでしょう。

またライブビュー映像の外部出力ができるカメラなら、30分以上の動画記録が可能になります(特にニコン系一眼カメラは長時間ライブビューが可能で、4K撮影はサポートしていないものの、フルHD/60pというとても実用的な外部レコーダーとなる)。もちろん前回も書いた通り、高精細外部モニターとしてもかなり実用性があります。

その点で言えばGH4は、カメラ単体でも4K撮影が可能で、長時間記録もサポートしているため、「SHOGUN」のありがたみはやや目減りする感はありますが、「ピントビュアー」としての使用だけでもかなり嬉しい機材だと感じました。実際にカメラの小さな背面液晶と比較しながら動画を撮影してみると、動画撮影中に「ピントが見え続ける」こと、「SHOGUN」側の表示を拡大しても、記録された画像に影響しないことは、本当に大きな利点です。

GH4本体のmov.記録と「SHOGUN」のProRes422 HQを比べてみる
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GH4を並べて、1台は本体カードにmov.(100Mbps)記録、1台は「SHOGUN」のProRes422 HQで記録してみた。通常のシーンでは違いはわからないが、拡大して見ていくと着物の柄の再現性が異なっている。グラデーションもProRess422 HQの方が優秀。
SHOGUNのProRes422 img_products_dslr_nofear40_04.jpg
カメラ本体のmov.記録 img_products_dslr_nofear40_05.jpg

では、ProRes422 HQ10bitの画質はどうなのか? セッティングを同期させた2台のGH4で撮り比べる実験をしてみました。一方のGH4はカメラ単体撮影、カメラ内のカードにmov.(100Mbps)記録。もう一方は「SHOGUN」を取り付け、ProRes422 HQ10bit(880bps)で記録しました。そのデータ量は実に8倍以上ですが、通常の撮影では画質に見た目の差はそれほど感じません。ただし「非常に細かい形や文様が動いている」「滑らかなグラデーションが多い」「色補正などでエンコードとデコードを繰り返す必要がある」といった撮影では、ProRes422 HQ10bitは少ない画像劣化で済むという点で大きく異なってきます。

またProRes422はFinal Cutに読み込んでプロキシデータさえ作ってしまえば、そのまま編集作業に入れることも大きなアドバンテージだと言えるでしょう。「SHOGUN」を外部レコーダーとしたシステムは、日々の撮影、その後の編集という繁雑な作業を高速に、シンプルに処理できる素晴らしいワークフローを提供してくれます。

暗いバーでα7Sと「SHOGUN」で撮影
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α7Sと「SHOGUN」を使用してバーで超高感度撮影をしている様子。実際にこの写真のように店内は薄暗い照明なのだが、超高感度のα7Sを通して「SHOGUN」に映し出される映像は、非常に明るく美しい。暗くてよくわからないが、写真右下に被写体のモデルがいる。シャッタースピード1/60、 F4 、ISO感度12800。 モデル:山田美和子

4K撮影が可能ながら、カメラ単体では4K記録ができないSONY α7Sと「SHOGUN」の組み合わせは、まさにベストマッチ。α7Sの特徴である広いダイナミックレンジと、実用ISO感度12800という超高感度での4K撮影を可能にします。α7Sの高感度は単に暗いシーンを明るく撮影するのではなく、感度を上げても画像がそれなりの幅のダイナミックレンジ、質感を維持していることが大きな魅力で、さらに4K撮影時は全画素読み出しのため、コントラストが高いエッジにもほとんどジャギーが出ません(α7S以外ではニコンD4sのクロップモードがそれに当たります)。これを「SHOGUN」では、ProRes422 10bitで記録するため、驚くほど「腰が強く美しい」データを得ることができるのです。

元の情報の質の良さをそのまま最終工程まで引き継ぐことができるメリットを、改めて気づかされました。透明感がある美しい映像を、高品質のまま仕上げようとするのであれば、現時点ではα7Sと「SHOGUN」の組み合わせが必要充分な答えを出してくれるでしょう。

ただし、残念ながらα7Sは、動画撮影時だけでなく、ライブビュー出力にも最長30分の制限があり、「SHOGUN」を付けても30分でシャッターを落とさなくてはなりません。これだけ素晴らしいデータを吐き出すために、カメラのイメージセンサーが熱を持つことを極端に嫌うということで、納得はできるのですが。

※この記事はコマーシャル・フォト2015年6月号から転載しています。


鹿野宏 Hiroshi Shikano

デジタルカメラの黎明期からほとんどの一眼レフタイプのデジタルカメラを遍歴。電塾運営委員としてデジタルフォトに関する数多くのセミナーを開催。カラーマネージメントセミナーも多い。写真撮影では2億画素の巨大な画像を扱い、2009年から動画撮影をスタート。WEB上の動画、デジタルサイネージ、社内教育用などの「ミニマル動画」を中心に活動している。

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