ColorEdge 特集

ColorEdge CG241W導入ガイド

解説:BOCO塚本

デジタルフォトを扱うフォトグラファーやレタッチャーたちに信頼され、よく使われている液晶モニターとして、EIZO のColorEdge が挙げられる。新しくColorEdge のラインナップに加わったCG241W は、これまでよりもさらに手軽な価格でプロの環境を実現する。CG241W の導入で新しく実現できることは何か、デジタルフォトはどう変わるのかを紹介しよう。

色の領域が広いため、今までモニターでは
見えなかった色まで表示できるようになる


COSMOPOLITAN Model Agency EVA

今や、一眼レフカメラの主流となったデジタルカメラは、sRGBよりも遥かに広い領域の色を記録することができます。そのために、狭い色域しか表現できない従来の液晶モニターでは、画像が持っている色を全て表現することができませんでした。

ColorEdgeシリーズCG241Wのように鮮やかな色まで再現できるモニターを使用することで、撮影時の色情報を切り捨てることなく表現できるようになります。そしてプリント出力の確認や画像処理には液晶モニターを頼りに作業を進めますが、カラーマネジメントを行ない出力のシミュレーションをする際には液晶モニターがプリンタの色域をより多くカバーしていなければ、正確なチェックができません。色域が広いということは、単に鮮やかなだけではなく、正確な表示に欠かせない条件なのです。

人間の目では認識できても、モニターやプリンタなどの機器によっては表現できない色がある。図のAdobe RGBやsRGBは、カラー画像を扱う際の指針となる色の領域(色域)。CG241WはAdobe RGBの色域を96%カバーしている。
CG241Wが表示できる色の範囲は、一般的なモニターの色域(sRGB 相当)よりも遥かに広い。特にグリーンや青がよく表現できる。


滑らかなグラデーションが再現できるので
繊細な階調表現で写真らしさを追求できる

写真にとって階調再現は非常に重要な要素です。階調の再現性が悪くなれば、写真は、トーンジャンプを起こしたりイラストのようになったりします。デジタル画像ではRGBそれぞれが256 段階の階調で写真のグラデーションを表現しますが、トーン・コントラスト・色調などを調整すれば必ず階調を損なうことになります。画像処理時に16bitモードを使用したりRawデータでの撮影・現像が推奨されるのはできる限り階調を残すためなのです。

しかし、細心の注意を払って画像処理をしようとしても液晶モニターが正確なグラデーションを表示できなければどうしようもありません。ヒストグラムをチェックするという方法もありますが、モニターでの確認が最も大切です。

ところが液晶パネルやバックライトにはそれぞれ特性があるために、モニター内部ではパソコンから送られてくる信号に対して様々な補正を行なっています。一般的な液晶モニターではこの補正がうまくいかないためにグラデーションに色ムラがあったりバンディングを起こして見えたりすることがあります。以前に処理した画像を新しいモニターで確認したら実は失敗が見つかった、という話もあります。

画像処理で最も気を遣うハイライト部とシャドー部のディテールを正確に表示できることも、モニター選びの重要なポイントです。CG241Wは、16bitで補正処理を行なうことでハイライトからシャドーまで破綻のない階調再現を実現し、さらに工場出荷時に特性を計測し内部補正データとすることで、グラデーションの再現をより正確なものにしています。

CG241Wでは16bitの正確な色演算処理によって滑らかな階調表現が得られることも、特徴のひとつ。ハイライトからシャドー部まで高い視認性が得られる。




製品に同梱されている調整データシート。
1 台ずつモニターを検査し、調整したこ
との証明でもある。


簡単ソフトウェアと低価格の測色器を使えば
簡単な作業で正しい色環境を実現できる

モニターを常に正確な表示状態にするためにキャリブレーションは必須といっても良いでしょう。モニターの調整機能を駆使して表示状態を作業環境に合わせ、さらにモニタープロファイルを作成して正確な色再現をさせるのです。そのために調整機能が豊富な液晶モニターとキャリブレーター(測色器)が必要となります。

これらの作業は、一口で言ってしまえば簡単なようですが、これが意外と面倒な作業です。その上ある程度の知識がないとモニターの調整機能を使いこなすこともできません。それに対してCG241Wを始めとするColorEdgeシリーズは、製品同梱の専用ソフトと市販のキャリブレーターを使用することで、高度なテクニックや知識を必要とせずにモニターキャリブレーションを短時間で終わらせることができます。

設定しなければならないのは作業環境に合わせた色温度と明るさのみです。ソフトを起動して指示に従ってキャリブレーターを取り付けるだけです。ものの数分で液晶モニターを最適な状態にしてくれます。ターゲットとなる設置場所の環境光についてもキャリブレーターを使用して計測ができるので、専門的な知識は必要ありません。

ColorEdgeシリーズは、液晶モニター内部で白色点と階調特性の調整を行なうハードウェアキャリブレーション方式を採用しています。パソコンからモニターに出力する信号は8bit 処理ですが、モニター内部では16bitで演算し12bitで処理されるために、より繊細で正確な処理になっています。


キャリブレーションの手順

CG241Wに測色器を取り付けた状態。


「ColorNavigator CE」による詳細モードの目標値設定画面

① Macintosh では、スライドバーの目盛数字をクリックすると目標が設定される。 ② 輝度目標値の設定範囲を拡張する。 ③ 黒レベルを調整する。 ④ Macintoshでは、目盛数字をクリックするとスライドバーが移動して該当する色温度あるいは色座標が表示される。 ⑤ 環境光あるいは紙白を測定し、白色点の目標値(紙白の場合は輝度も)を設定する。
※1 マルチモニター環境での使用時に表示選択
※2 使用する測色器によっては環境光や紙白を測定し、測定結果を目標値に設定できる
※3 ソフトウェアが自動で調整

ColorNavigator へのバージョンアップ
添付ソフト「ColorNavigator CE」は07 年中に「ColorNavigator」にバージョンアップされる予定(最新版はEIZOサイトからダウンロードできる)。「ColorNavigator」では、「CE」で利用できなかった履歴管理(過去のキャリブレーションの結果を再反映)、微調整(キャリブレーション後の結果を微調整できる)、エミュレーション(他のモニターの表示状態を真似る)などの機能が利用可能になる。

プリンタとのマッチング
モニターのキャリブレーションを行ない、プロファイルが生成されれば、それを基にしてプリンタとの色合わせを行なうことも可能だ。


オプションの測色器
EIZOの直販サイトでは、CG241Wのオプションとして、測色器i1 Display 2(+21,000円)が用意されている。



カラーマネージメント液晶モニターだからこそ
実現できることと、知っておくべきこと

ノートパソコンに接続して使っても、正しい色と階調で表示される
最近のノートパソコンは、処理能力が格段に良くなってデスクトップに迫る性能を備えています。ロケ撮影以外でも本格的にRaw現像や画像処理に使用される方も多いようです。ただし、ノートパソコンの液晶モニターはsRGBよりもさらに狭い色域の表示しかできません。そこでCG241Wをノートパソコン※ に接続することで正確な画像表示が可能になります。高度な合成処理でなければ十分実用に耐えます(※Windowsマシンでは利用できない場合があります)。

液晶の輝度ムラ、色ムラを抑えてあるから、厳密なレタッチも安心して作業できる
一般的な液晶モニターではいくら高価なキャリブレーターを使用しても、構造上の問題から発生する輝度ムラや色ムラは解消できません。例ではわかり易いようにモノクロの画像を表示させて撮影した画像の彩度を上げています。色ムラはカラー画像の中でもグレートーンの部分に最も顕著に現れ、画像処理の妨げとなります。CG241Wは、出荷状態でこのようなムラを抑えているので、安心して使用できるのです。

彩度を上げて表示した画面。一般的な液晶モニター(左)と、CG241W の一部(右)のムラの程度を見比べてほしい。

部屋の光源や映り込みに注意することで、もっと精度の高い色表現が可能になる
精度の高い画像処理をしようとすれば、モニターの設置環境にも気を遣わなければいけません。窓から外の光が入るような部屋が作業に向かないのは当然ですが、照明が液晶パネルに直接当たることも避けなければいけません。パネル表面に反射低減加工を施してあっても遮光フードは必要です。さらに、作業場所の蛍光灯を高演色タイプのものに変えると完璧です。ColorEdgeのホームページに製品リストがあるので、活用してみてはいかがでしょう。


内側に反射低減加工を施してある専用の遮光フードが同梱されている。

プロがモニターを見る時は、蛍光灯など室内の照明にも気を遣う。

ハイトアジャスタブルスタンドの採用とパネル部の縦回転で、縦表示も可能
ハイトアジャスタブルスタンドの採用で、設置場所の選択肢が広がるばかりでなく、さらにもう一台液晶モニターを追加してデュアルモニターとして使用する際に高さの微調整がしやすくなっています。また、縦位置にも対応しており、Apple Apertureのようにセカンダリモニターを利用できるソフトを使えば、縦位置の写真をスマートに見せることができます。ポートレート撮影の多いフォトグラファーや写真館などでは活用の機会が多いのではないでしょうか。


写真:BOCO塚本

BOCO塚本 BOCO Tsukamoto

1961年生まれ。1994年フリーランス、2004年ニューヨークSOHOにてART GALA出展、2007年個展「融和」、ほかグループ展、執筆多数。公益社団法人日本広告写真家協会(APA)理事、京都光華女子大学非常勤講師。

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