そうだったのか!デジタルフォトの色

第3回 ホリゾントスタジオでは、撮影段階で色を追い込む

解説:BOCO塚本

この連載の第1回、第2回では、オープンロケ撮影やハウススタジオでの撮影のように、自然光が入る条件での液晶モニターの色について見てきました。では、一般的なホリゾントスタジオではどうでしょうか?

自然光が入らず、床や壁の色も白あるいはグレーなどの無彩色に塗られたホリゾントスタジオは、時間ごとの光の変化もなく内装による色かぶりもありません。撮影現場の中で画像チェックをする環境としては、最も適していると言ってよいでしょう。


電動バンクなどの設備が整った富士精版印刷(株)の本社スタジオ http://www.fujiseihan.co.jp

上の写真は、新大阪にある富士精版印刷(株)本社スタジオです。ゆったりしたサイズのスタジオは、ストロボがメイン光源です。ここでは、デジタルカメラで撮影された写真原稿が増えるにしたがって、フォトグラファーごとの入稿画像データにばらつきが見られるようになってきました。そのために多くの画像データに何らかのレタッチ作業が必要になっていて、データ入稿しているにもかかわらず作業時間の短縮になっていませんでした。そこで社内にスタジオを置いてプリプレス部門と直結することで、安定した撮影画像の入稿ができるようにしたのです。

ポスターや、雑誌・カタログの表紙、トビラなどのイメージ写真は、使用サイズが大きくページあたりの点数が少ないので、撮影後に時間をかけて調整やレタッチをすることが可能です。しかしその一方で商品写真は点数が多いうえに、「使用サイズが決まっていない」「大きなサイズでの使用の可能性がある」などの理由で高画素モデルで撮影することが多いので、Rawデータの現像やレタッチに時間をかけてはいられません。そこでカット数の多い撮影では、スタジオでの撮影時にRawデータの設定を追い込んで、後処理の時間を短縮します。


撮影専用のMacProとCG241W(右のWindowsはファイルサーバー)

ColorEdge CG241W

このスタジオ内には撮影専用のMac Proと、ハードウェアキャリブレーションされたColorEdge CG241Wが用意されています。デジタルカメラとこのシステムを直結して撮影を行い、CG241Wに表示された画像と実物をその場で比較確認しながら作業を進めていきます。ここで注意しなければならないのは、ストロボのモデリングランプです。色温度の低いモデリングランプの光によって、被写体の色が本来の色とは違って見えたり、モニターの表示にも影響が出てしまうのです。


スタジオ内の照明は色評価用蛍光灯で統一されている

モニターは撮影セットから離れた場所に設置されている

スタジオ内の蛍光灯は全て色評価用AAA蛍光灯になっていますが、撮影セット付近はどうしてもモデリングランプの影響を受けてしまいます。モニターはできるだけ撮影セットと離れた場所に設置するようにします。また被写体と比較をするときも、撮影後に商品をセットから出して、色評価用蛍光灯の光だけで確認する必要があります。

現在ストロボメーカー各社からブルータイプのハロゲンランプがモデリングライト用に用意されています。肉眼ではずいぶんノーマルに近くなりますが、残念ながら色温度は5000Kではありません。撮影セットとモニターを交互に見たときに印象があまり変わらない程度だと考えてください。ブルーフィルター付のモデリングランプ。5000Kではないが肉眼ではずいぶんとノーマルに近くなる。
色評価用蛍光灯 約5000Kブルーハロゲンランプ約3700Kノーマルハロゲンランプ2800K
光源を変えたRawを5000K設定で現像した。肉眼ではここまで変わらないが 色評価用蛍光灯が最もノーマル

撮影画像の発色は、ホワイトバランス以外にカメラのダイナミックレンジ(ラチチュード)やコントラストが大きな影響があります。また、Raw現像ソフトごとにも発色に差があるので、モニター画面と現物を比較して、ライティングごとにRaw現像設定を追い込んでいきましょう。このとき実際の使用サイズとかけ離れた倍率表示で確認すると、印象が大きく変わることがあるので注意が必要です。

このスタジオを管理している同社プリプレス部製版課のレタッチャー近江哲平さんのお話では、ColorEdgeの導入によって、クライアントにモニターで確認してもらうだけですむようになり、プルーフプリントも必要なくなったそうです。また、色校正後の修正も少なくなり、デジタル本来のメリットを生かせるようになってきたと言うことです。

写真:BOCO塚本

BOCO塚本 BOCO Tsukamoto

1961年生まれ。1994年フリーランス、2004年ニューヨークSOHOにてART GALA出展、2007年個展「融和」、ほかグループ展、執筆多数。公益社団法人日本広告写真家協会(APA)理事、京都光華女子大学非常勤講師。

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