HP Zシリーズの実力

HP Z1は液晶モニターとの一体型なので撮影の立ち会いに最適

フォートン

世界初のモニター一体型ワークステーションHP Z1は、写真・映像・3DCGなど様々なクリエイティブの現場で使えるマシンだ。この企画ではZ1を使っているクリエイターに、その使用感を聞く。

レタッチカンパニーのフォートンでは、2011年からデスクトップタイプのHP Zシリーズを全社的に導入している。最近ではそれに加えて、オールインワン型でインテル® Xeon® プロセッサーを搭載したHP Z1 Workstationを導入し、動画の仕事に活用しているという。Z1はどのような場面で活躍しているのか、フォートンの西山慧さんに話を聞いた。

PhotoshopでもAfter Effectsでもデスクトップ並みの速度

img_products_hp_z103_01.jpg フォートンに導入されたHP Z1。右はサブモニター。

──HP Z1はいつ導入されたのですか。

img_products_hp_z103_02.jpg 西山慧
1988年甲斐彰氏と共にフォートンを創業。以降、広告写真やファインアートのレタッチを手がける。現在は動画レタッチのチームを率いる。

西山 HP Z1は液晶モニターも含めてオールインワンなので、撮影の立ち会い用マシンとして最適じゃないかなと思っていました。1年半前に発表された頃から欲しかったんですが、オフィスの移転等で遅れてしまい、今年の6月にようやく1台目を導入したんです。実際に使い始めたらこれはいいという話になって、もう1台、もう1台って追加して、いまは3台あります。

そのうち1台は自分専用のマシンとして、自宅に置く予定です。土日に会社に出て来る回数を減らしたいというのと、地震などで出勤できない時に家で作業できるようにしておこうと。ネット回線が生きていればサーバからデータをダウンロードして作業できるので、万が一の時のリスクマネジメントです。

──スピード面はどうですか。

西山 最初にテストしたZ1はメモリが16GBでしたが、結構速かったですね。もともと私が使っていたZ420が64GBなのでどうかなと思っていたんですが、After Effectsで動画のプレビューをしても速かったし、Photoshopで4GBぐらいのデータを開くのもZ420に比べて数秒ぐらいしか違いませんでした。

もちろんメモリがいっぱいになると遅くなってしまうので、そういう意味ではZ420のほうがいいんですけど、普通に使う分にはまったく問題なくて、実は静止画のメインマシンとして使っているZ400よりも速いくらいです。静止画のスタッフから「Z1の方が速いので、使わせてください」という話がよくありますし、実作業だけでなく静止画のレタッチ立ち会いの時にも使われています。

いま使っているZ1はハイエンド構成のモデルのためそれなりに速いんだと思います。ただちょっとネックなのは内蔵ディスク容量が小さいこと。サーバや外付けディスクからデータを持ってきて、作業が終わったらそれをどこかにコピーして、ディスクの中身を消すようにしています。

──主な使い方としては。

西山 Z1は持ち運びに便利なので、よく撮影の立ち会いに持っていきます。専用の持ち運び用ケースまで作りました。作ってみたらちょっと重かったんですけど(笑)。2台で立ち会いができるようにケースも2個作っています。

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Z1の持ち運び用ケース。液晶を上に向けて折りたたんで収納する。

私のチームは主にテレビCMや映画、Web動画のレタッチをやっているのですが、最近は4K、5KのRAWデータ撮影が多くなっています。写真もそうですが、動画でも、ものすごい数のテイクを撮影するじゃないですか。撮影したRAWデータを全部預かるとものすごい容量になるので、その場で内容をチェックしています。

img_products_hp_z103_05.jpg HP Z1を使った撮影立ち会いの風景。

撮影立ち会いでは動画のチェックに加えて色の調整も行なう

──動画のチェックというのはどうやって行なうんですか。

西山 RAWデータをもらって、それをAfter Effectsのタイムラインに並べます。もちろんリアルタイムには完璧に再生できないので、表示解像度を1/2とかに落としてたりはするんですが、テイク1、テイク2と再生して、これは必要、これは要らないとマークを付けていきます。必要なものを事前に選り分けておけるので、会社に戻ってからの作業がすごく楽になるんです。

撮影の立ち会いはけっこう待ち時間があるので、その間にある程度の作業を進めることもできます。クライアントさんが「商品の色がちゃんと出るだろうか」と心配している時は、その場でPhotoshopで色を作ってお見せします。後から動画でその色を反映すれば、色に関する直しはまず発生しませんから。今までの撮影立ち会いというのは、「後からこういう風にレタッチをするので、撮影はこうしてください」という話をすることがほとんどだったんですが、Z1を撮影現場に持ち込むようになってからは、後処理の工程までその場で見せられるようになりました。

今までは動画の撮影立ち会いにモバイルワークステーションのEliteBookを使っていたので、色調整まではやらずに内容をチェックするだけでしたが、それも4Kの動画になるとお手上げ。Z1にしてからはその両方ができるので、ものすごく効率化できました。

img_products_hp_z103_06.jpg

資生堂 Clé de Peau BEAUTÉ
A&P=電通+mount inc.+TOKYO+kichi MR=foton VFX
Web用に制作したもの。並んでいる作品30点 のそれぞれが動画。モデルのリップカラーを実際の商品の色に合わせて調整する作業を行なった。

西山 資生堂さんのクレ・ド・ポー ボーテ(Clé de Peau BEAUTÉ)のWebムービーを担当したときは、30色の口紅の色と動画の色を合わせるという作業をやりました。色チェックの立ち会いのときにZ1を3台並べて、レタッチャーも3人。モニターに10色ずつ並べて、Photoshopで色を調整していきました。グロス感が強いもの、柔らかい光沢のものなど3つのラインナップがあって、しかもそれぞれに似た色がありました。微妙な違いを再現するには30色を同時に見ながら作業する必要があったんですが、Z1のモニターはちゃんと色の差を表現してくれました。

HP Z1の27型モニターはsRGB対応ですが、IPSパネルを使っているので視野角が広く、i1センサーを使ってモニタープロファイルを作るようにすれば、会社にあるモニターともちゃんと色が合います。ただちょっとだけ問題があって、OSの仕様らしいんですが、電源を落とすとモニタープロファイルがはずれてしまい、Z1を立ち上げる度にプロファイルを当て直す作業が必要になります。ものの3秒で済んでしまう手順なんですが、それさえ気を付ければ色がちゃんと合った状態にできます。

img_products_hp_z103_09.jpg 3台のZ1を並べて30色の口紅を調整した。

クレ・ド・ポー ボーテ ルージュアレーブル 30色イメージムービー

ワイヤレスのキーボードとマウスでスマートなプレゼンが可能

──その他にどんな使い方をされていますか。

西山 いまフォートンは過渡期というか新しい人がどんどん入ってきていて、その都度配置転換もあったりして、最終的な配属先が決まるまであちこちスタッフが移動することが多いんです。そういう人のためのトレーニング用マシンとしても使っていますが、普通のデスクトップよりも移動が楽なので便利です。

それから、最近ではフォートンのプロモーションというか、プレゼンテーションのために外に持ち出すこともあります。

──そのプレゼンテーションは、具体的にはどういうことをするんですか。

西山 動画レタッチのデモリールをお見せしています。最近、CM制作会社さんやクライアントさんから、説明に来てほしいというリクエストが多いんです。

Z1はキーボードもマウスもワイヤレスで、テーブルに置いて電源を入れるだけですぐ使えるので、プレゼンテーションにも向いています。CMの会議は出席する人数が多くて時間も長いので、準備に短い時間しかもらえないんですが、私が挨拶をしている間にスタッフが準備をして、すぐにリールを再生することができます。

口頭で説明しながらリールをお見せするんですが、Z1が離れたところにあっても、ワイヤレスで操作できるのがいいですね。遠く離れたところから、要所要所で止めたり、また再生したりできるので、とてもスマートなプレゼンテーションができるんです。

うちのデモリールは非圧縮の、ものすごくクオリティの高いQuickTimeで作っているんですが、そういうデータを20分、30分再生しても全然問題ありません。

27インチという画面サイズもプレゼンテーション向きだと思います。訪問先の会議室にあるモニターにHDMIで出力して、Z1のモニターと両方でお見せすることもあります。

──いいことづくめですね。

西山 不満があるとすれば、モニターの右側に電源スイッチなどがあることですね。作業するときは向かって右にサブモニターを置くので、けっこう不便なんですよ。サブモニターをセッティングして使うという想定はなかったんだと思うんですが、業務に恒常的に使用できるスペックなので、その辺も考えていただけるといいかなと。

あと、USBにペンタブレットをつなぐとUSBバスパワーをけっこう消費するみたいで、その影響でZ1本体がフリーズすることがあります。そのへんは今後改善してもらいたいですね。

でも、Z1はいろんな使い方ができて、私たちの仕事のスタイルにぴったりなので、そろそろもう1台追加しようかと思っているところです。

──なるほど、Z1は様々な用途にフレキシブルに対応できるマシンで、デスクトップタイプとはひと味違った魅力がありますね。ありがとうございました。


撮影:坂上俊彦


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HP Z1 Workstation

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