キヤノン imagePROGRAF PROシリーズの実力

銀塩写真に近いクオリティでB0ノビまで出力できるPRO-4000は写真展のプリントを作るのに最適

白鳥真太郎(写真家) × 小島 勉(プリンティングディレクター)

白鳥真太郎氏が2016年7月に開いた写真展『貌・KAO Ⅱ 白鳥写真館「これから…」』のプリントは、すべてキヤノンの大判プリンターimagePROGRAF PRO-4000で出力されたという。ここではその展示プリントの制作舞台裏を白鳥真太郎氏と、出力を担当した小島勉氏との対談でお届けする。

img_products_ipf05_01.jpg 写真家の白鳥真太郎氏(写真左)と、プリンティングディレクターの小島勉氏

imagePROGRAF PRO-4000は大判プリンターの表現の幅を広げる

───白鳥さんが7月に開かれた写真展『貌・KAO Ⅱ 白鳥写真館「これから…」』のプリントはすべて、キヤノンの大判プリンター imagePROGRAF PRO-4000で出力されたそうですね。インクジェットで写真展を開こうと思った決め手はなんだったのでしょうか?

白鳥 ここ数年キヤノンPIXUS PRO-1を使っていて、モニターとプリントのギャップが少ないと感じていました。アナログの時代はプリントの振れ幅が大きかったので、インクジェットの色の安定性は感心するところです。

1999年に『貌 KAO 白鳥写真館』の写真展をやったときはラムダプリントでした。その後はライトジェットプリントなども使いましたが、昨年開いた『貌 KAO 白鳥写真館』の復刻展はインクジェットでした。そのプリントがすごく良くて、昔あれだけ悩んだのは何だったんだろうかと思うくらい、こちらのイメージ通りに出てきたんです。

印画紙に対する愛着はもちろん今でもあるんですが、これだけピタッと出るのなら、今回はインクジェットでやろうと。なにせ100点も展示するものですから、思い通りの色が出せて、しかも安定しているというのは素晴らしいですね。

img_products_ipf05_02.jpg 銀座の和光 本館6階 和光ホールで行われた写真展の様子。

img_products_ipf05_03.jpg 北野武(展示作品より)

───今回の品質はいかがでしたか?

白鳥 今まで使っていたPIXUS PRO-1は黒が締まるところが気に入っていたのですが、最近imagePROGRAF PRO-1000に入れ替えたらさらに黒が締まるようになって、銀塩の黒にだいぶ近づいたように思います。imagePROGRAF PRO-4000はそれと同じトーンで、しかも大判にできるので、そこに魅力を感じました。

───実際に展示プリントの出力を担当されたのは小島さんです。imagePROGRAF PRO-4000はいかがでしたか?

小島 キヤノンの12色インク大判プリンターは中間調からシャドウにかけて、特にディープシャドウのトーンがすごく自然で、より写真的な画質だと思います。新しいPROシリーズはさらにブラッシュアップされていて、透明インクのクロマオプティマイザーを大判で初めて採用したことが画期的だと思います。それによって黒がより締まるだけでなく、顔料インクなのに染料インクのような透明感や色の鮮やかさも出てきて、大判インクジェットの表現の幅が広がったと思います。

今まで写真展のプリントでは、顔料インクの発色の傾向を踏まえてマット系の用紙を選ぶフォトグラファーさんが多かったのですが、これからは光沢や半光沢の用紙をこちらから積極的に提案できそうな気がします。

PRO-1000で色見本を作り、本番はPRO-4000でプリント

白鳥 僕が紙を選ぶ時は、最高濃度から白に至るまでグラデーションが完璧に出るものという基準があります。表現したいグラデーションは自分で作れるので、紙はそれを十分に受け止められるものがいい。もともと暗室作業が好きだったので、デジタルになってからもトーンカーブでかなり作り込みをします。

小島 今回は僕が紙の候補を3つ挙げて、imagePROGRAF PRO-4000で出力して、白鳥さんに見ていただきましたが、最終的に「ハーネミューレ フォトラグバライタ」になりました。光沢はあるけど表面が少しデコボコしていて、バライタ紙のような質感です。

白鳥 先ほどのグラデーションの話で言うと、いつも使っている純正紙の「キヤノン写真用紙・微粒面光沢 ラスター」がデータを忠実に再現してくれるので、好きなのですが、データ以上の描写をペーパーに依存してみようと思いました。大判にした時にどうしたら迫力が出るのか、そういうプラスアルファの部分を小島さんに委ねてみようと思ったんです。

img_products_ipf05_04.jpg 桐野夏生(展示作品より)

───プリント制作の流れを教えて下さい。

小島 最初に紙を決めたら、僕の方ではimagePROGRAF PRO-4000、白鳥さんはimagePROGRAF PRO-1000で出力して、それを持ち寄りました。

白鳥 僕が「ラスター」で出したものと、小島さんが「フォトラグバライタ」で出したものを比べて見たのですが、同じA4サイズでもディテールがかなり違いましたね。その段階で、これは大きくしたらもっと良くなるぞという予感がありました。ただ、カラーはあまり違いがなかったのですが、モノクロだとトーンが少し違って見えたので、そこの修正はお願いしました。

小島 トーンが少し明るめに出ていたところと、紙白の違いによる肌色の見え方を調整しています。でも色が決まってしまえば、後は速かったですね。なにしろプリンターが速いので、ギリギリまで写真を追い込むことができて、満足のいく調整ができたと思います。特に今回はimagePROGRAF PRO-1000で色見本を作っていただいたので、意思の疎通がやりやすかったし、プリンターのサイズが違ってもインクとプリントヘッドが全く同じというのは安心感が大きいですね。

白鳥 大きく出力したプリントは想像以上にディテールが出ているし、大きさからくる迫力もすごい。アナログ時代のカラープリントの大変さを思い出すと、隔世の感があります。写真展を開く写真家にとってはいい時代になりました。

img_products_ipf05_05.jpg まず最初に白鳥氏がimagePROGRAF PRO-1000で色見本プリントを出力。

img_products_ipf05_07.jpg A1変形サイズで出力された展示用プリントをチェックする白鳥氏。

img_products_ipf05_06.jpg 色見本とフォトラグバライタのプリントと比べながら修正の打ち合わせを行なった。

img_products_ipf05_08.jpg 展示プリントは全てB0サイズ対応のimagePROGRAF PRO-4000で出力した。

写真展情報

白鳥真太郎 写真展『貌・KAO Ⅱ 白鳥写真館「これから…」』

会期:2016年7月29日~8月7日
会場:和光 本館6階 和光ホール
*終了しています

PROFILE

白鳥真太郎(しらとり・しんたろう)
国立千葉大学工学部写真工学科卒業後、株式会社資生堂宣伝部写真部、株式会社博報堂写真部(現・株式会社博報堂プロダクツ)を経て、1989年に独立、白鳥写真事務所を設立。1993年 写真集『白鳥写真館』発刊。1999年 写真集『貌 KAO 白鳥写真館』発刊。公益社団法人日本広告写真家協会(APA)会長。


小島勉(こじま・つとむ)
株式会社トッパングラフィックコミュニケーションズ第二制作本部 GA部所属、インクジェットによるアートプリント制作(プリマグラフィ)のチーフディレクター。1987年入社、1998年よりプリマグラフィを担当し現在に至る。イラスト、写真、CGなど、様々なジャンルのアート表現に携わっている。

※この記事はコマーシャル・フォト2016年9月号から転載しています。

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