TAKAKI_KUMADAさんは雑誌、広告で活躍するフォトグラファー。デジタルカメラで撮影をした後は、Photoshopとペンタブレットで画像処理まで行なうことも少なくないという。そんなKUMADAさんに液晶ペンタブレットのCintiq 12WXを使ってもらい、感想を聞いた。使いこなしのアイディアは、フォトグラファーならではの斬新なものだった。
撮影現場に Cintiq を持ち込むと直感的でスピーディな現場になる

- ペンタブレットを使うようになったきっかけは何でしょう。
KUMADA 6〜7年前、Intuos2の頃からペンタブレットを使っています。きっかけはレタッチャーの栗山和弥さんが使っているのを見て、カッコイイなー、便利そうだなあと思ったからなんですが、実際に使ってみたら手放せなくなりました。入り口は写真のレタッチでしたが、いまや全てにおいて欠かせないツールです。
マウスからペンタブレットに変えると、最初は違和感があるけれど、1週間しないうちに慣れますよ。マウスだと目的の場所までカーソルを移動してクリックと、2つのアクションが必要だけど、ペンタブレットだと1アクションですんでしまう。以来、マウスをまったく使わない人になって、デジタルカメラのソフトを操作するときも、Photoshopで写真のレタッチをするときも、普段のPC操作をするときも全てペンタブレットで行なっています。

TOMORROWLAND 2008 A/W Catalog
- 事務所以外で作業するときも、やはりペンタブレットですか。
KUMADA 僕は撮影現場までペンタブレットを持っていきますね。レンタルスタジオはもちろん、ロケのときでもノートパソコンとペンタブレットをセットで使っています。それくらいマウスよりペンタブレット派ということですね(笑)。
撮影現場ではレタッチとか合成まではしないのですが、デジタルカメラのキャプチャーソフトでトーンカーブなどをいじって、僕の頭の中にある最終的な仕上がりのイメージを、スタッフのみんなに見てもらっています。イメージを共有することで撮影現場がスムーズに動くようになりますね。そのときにペンタブレットを使うと、直感的に色やコントラストを変えられるし、スピーディに操作できるので、やっている方も見ている方も気持ちがいいと思います。

- 今回は液晶ペンタブレットのCintiq 12WXを使っていただきましたが、印象はいかがでしたか。
KUMADA 普段はA4サイズのIntuos3を使っているのですが、Cintiq 12WXは液晶画面に直接入力するので、さらに直感的になりましたね。普通のペンタブレットって、視線をモニターに向けたまま手元でペンを動かすので、初めての人はすごく戸惑うと思いますが、これならどんな人でも全然大丈夫じゃないですかね。
- 具体的に、どのような使い方をされましたか。
KUMADA 実はCintiqを実際の撮影現場に持ち込んでみました。最近はデジタル撮影が定着して、撮影中の写真をモニターで見るのが当たり前になっていますが、スタッフ全員が見たがるもんだからモニターの前が混み合っちゃうんですよ。そこでスタッフが見るためのモニターとは別に、Cintiqを自分専用のモニターとして使ってみました。
スタンドとアーム、両面テープを使ってCintiqを固定し、カメラのすぐ脇に置いたのですが、本体の重量が軽いので、撮影しながら片手で向きを変えて、モデルにもすぐ確認させることができる。モデルに対してのイメージ共有もスムーズだった。この使い方はかなり面白かったですね。

- 液晶ペンタブレットの使い方としては、かなり画期的な使い方ですね。
KUMADA 普通の撮影だと、ちょっと離れたところにモニターとパソコンが置いてあって、そこでアートディレクターやデザイナーが画面を見ている。そして撮影が一段落すると、僕がそこまで行ってパソコンを操作して、またカメラのところまで戻って ということを繰り返しているので、けっこう面倒なんです。手元にCintiqがあると、スマートだし、撮影がスピーディーになりますね。
手元の液晶画面でささっと操作するとメインモニターにも反映されるので、スタッフも僕が何をやっているのかがすぐ分かるし、僕はわざわざ離れたところまで行かなくてもいい。カメラマンが目の前からいなくなると、モデルもリズムが崩れてしまうと思いますが、Cintiqのおかげで僕もモデルも撮影に集中できました。パソコンのモニターに比べれば小さい画面ですが、これがあるおかげで、撮影している空間に「幅」が出たような気がします。自分の周りのスペースに余裕が出たというか、空間が広がった感じ。

FIGARO japon no.367 11月20日号
- Cintiqとメインモニターはそれぞれどういう画面を表示していたのですか。
KUMADA 撮影の時に使うのはPhotoshopではなくて、デジタルカメラのキャプチャーソフトです。Leafのデジタルバックだとキャプチャーソフトがデュアルモニターに対応しているので、Cintiqとメインモニターは別々の画面を表示することができます。Phase Oneのキャプチャーソフトはデュアルモニターには対応してないので、Cintiqとメインモニターはミラーリング(同じ画面を表示するモード)になります。でも、どちらの場合でも使いにくいということはありませんでした。
Cintiqのおかげで撮影現場がスピーディーに、直感的になったので、本当に面白い経験をしました。操作に慣れると、スタッフやモデルに対してプレゼンテーションするみたいな感じで、いろんな絵をあれこれ作って見せることもできるんじゃないかな、そうするともっと撮影現場が楽しくなりそうです。

撮影:坂上俊彦
- Cintiqを写真のレタッチには使ってみましたか。
KUMADA いえ、今回はテストとして撮影現場で使っただけなんですが 。そうですね、ちょっとここで使ってみましょうか。(と、ノートパソコンを取り出して、CintiqでPhotoshopを使い始める)。
ちょっと使っただけですが、Photoshopでこんなことをやったらどうだろうかとか、レタッチのアイディア出しのための道具としては面白く使えそうですね。いつもはモニターを真っすぐ見て作業しているのに、手元を見ながら作業するというのもスケッチブックに描いているみたいな感じで、ちょっと新しいですね。
僕は誰かから頼まれたわけでもないのに、勝手に身の回りの人に「ペンタブレットって便利だよ」って普及活動をして回っているんですが(笑)、この液晶ペンタブレットなら、たとえばスタイリストさんのようにPhotoshopなど触ったことがない人にもオススメできますね。
TAKAKI_KUMADA クマダタカキ
2002年 カメラマン田島一成氏に師事
2004年 独立
2005年 MILD Inc.に参加
2010年 個人事務所設立
http://www.takakikumada.com/

















