めざせ!3DCGフォトグラファー

第6回 フォトリアルな3DCG写真を制作するには?

解説:長尾健作

今回は、これまでの連載の総括として、3DCG写真制作の核となる「フォトリアルな3DCG写真」を作るために必要な概念やポイントをまとめてお伝えします。

「3DCG体験セミナー」ミニリポート

こんにちは、パーチの長尾です。

11月29日に、Shuffle主催の「フォトグラファー&レタッチャーのための3DCG体験セミナー」があり、私も行ってきました。広告制作の現場で3DCGの利用が増えている、という業界の現状をお話ししてから、実習のサポートもさせていただきました。

参加された皆さんのほとんどは「初めて3DCGソフトを触る」ということでしたが、さすが広告制作経験者、上手かったです。見本の3DCG写真に合わせて、ライティング設定をする課題では、どのカメラが良いのか、どこにどんなライトを置けば良いのか等をすでに把握している人ばかりなので、飲み込みが早かったです。

ただ、3DCGソフトの操作に慣れていないので、ソフトが思うように扱えず、その点は大変そうでした。それでも、「的確なツールを使えば、撮影と同じ手順で、3DCG写真が作れる!」ということが体感できたようでした。3時間のセミナーを終えたときには、「自分はこんな機材を持っていますが、何を買い足せばいいですか」とか、「ソフトの習熟にはどれくらいの時間が掛かりますか」など、質問に熱が入っていました。今後もこのセミナーは実施されるようですので、興味がある方はチェックしてみてください。

詳しいリポートはこちらです。
http://shuffle.genkosha.com/event/cp/various/7698.html


広告写真制作の経験が、フォトリアルな3DCG写真を作る!

上記のセミナーで参加者の方が体感されていたように、広告写真制作の経験者は、3DCGソフトを使えれば、フォトリアルな3DCG写真を作れます。

3DCG写真には「フォトリアル(写真のようにリアルであること)」が求められます。なぜなら、3DCG写真は「写真の代わり」として使われるので、写真と同品質、またはそれ以上であることが必須だからです。

しかし、「3DCGをフォトリアルに見せる」というのは、広告写真を作ったことのない人にとっては難しいものです。これを作るには、「どんなライティングをすれば商品が魅力的に見えるのか」というカメラマンのノウハウや感性があることが必須になってきます。

img_soft_3dcgmezase_06_01.jpg
撮影による製品写真
img_soft_3dcgmezase_06_02.jpg
3DCGソフトで制作した3DCG写真

3DCGフォトグラファーには、 カメラマンの撮影技術が求められる!

カメラマンには、これまでの撮影で培ってきた表現方法や技術が豊富にあります。被写体の色や素材に合わせたライティング、より良いアングル、レンズ選択などはカメラマンにしかできないことですが、これらは3DCG写真制作で求められる素養です。

素人がプロ用のカメラを持っていても、プロと同じ写真を撮れないのと同じように、3DCGソフトのオペレーションができるだけでは、魅力的な3DCG写真を作ることはできません。たとえば10万円の時計を15万円、20万円の価値があるように見せて、消費者の購買意欲を増すことができるのがカメラマンです。そして今後は、3DCGクリエイターに、このような力が求められていきます。

現在の3DCG写真は、CGクリエイターが日々模索しながら制作しています。「この商品にはどんなライティングをすれば良いのだろう」「どんなアングルが良いのだろう」と、これまでの広告写真を研究/模倣しながら制作しています。でも、もしカメラマンが3DCGソフトを自在に操れたら、どうでしょうか。これまでスタジオでやっていたことを3DCGソフトの中でやればいいのですから、撮影技術や感性がそのまま生きますよね。

図①~③をご覧ください。

撮影時のライティングを3DCGソフトで再現すれば、撮影による写真と全く同じ3DCG写真ができあがる(①~③:デザインビズ(3DCG写真制作)クリエイター育成スクール教材より)


img_soft_3dcgmezase_06_03.jpg ①製品(プリンター)をスタジオでライティング

②スタジオでのライティング記録を図解 img_soft_3dcgmezase_06_04.jpg

③スタジオでのライティング記録を元に、3DCGソフト内に同じライティングを再現 img_soft_3dcgmezase_06_05.jpg

①は製品(プリンター)を「撮影」したときのスタジオライティングで、②はそれを図解したものです。そして、スタジオでのライティングを3DCGソフトで再現したのが③です。カメラマンによって撮影された製品写真をお手本に、3DCGで制作しているので、こんなに魅力的な3DCG写真ができあがりました。

ちなみに、この制作工程の図は、私たちが開講している「デザインビズ(3DCG写真制作)クリエイター育成スクール」の教材の一部です。本スクールでは、3DCGの制作技術と並行して、製品を魅力的に見せるカメラマンの力を、3DCGに生かす方法を学びます。

http://www.perch-up.jp/design-viz/dviz_school.html


撮影時のポイントが、そのまま3DCG写真制作のポイントになる!

3DCG写真の制作ポイントは、撮影時のポイントと同じです。たとえば、製品の「形状」や「質感」を正確に表現するライティング、製品をより魅力的に見せるためのアングル設定、レンズ選びなどでは、カメラマンのノウハウ、感性がそのまま生きてきます。今後はますます写真から3DCGに移行する企業が増えていきますので、3DCGフォトグラファーの活躍が期待されています。

これまでの連載で、3DCG写真制作に関する業界動向や基礎知識をお伝えしてきましたが、いかがでしたか。

次のステップは、3DCGソフトに触ってみることです! 冒頭のセミナーに参加された皆さんも、実際に制作を体験されたことで、3DCGフォトグラファーの仕事に対するイメージがより湧いたようです。関心が高い方は、次回のセミナーに参加されてみてはいかがですか。

それから、「今すぐ3DCGソフトを触ってみたい!」という方は、Autodesk社のサイトから、3ds Maxの体験版をダウンロードできますので、まずはそれを使ってみるのも良いかもしれません。インストールしてから30日間、無料で使うことができます。

http://www.autodesk.co.jp/adsk/servlet/pc/item?id=15138561&siteID=1169823

第7回からは、3DCG写真制作を始めた制作会社さんの事例紹介をします。ご期待ください。

写真:長尾健作

長尾健作 Kensaku Nagao

広告ビジュアル制作のデジタル化/3DCG 化 (ビジュアライゼーション) を業界最大手の株式会社アマナで実現。それに必要な戦略立案、市場開発、表現技術開発、人材開発、などを手がけ現在はこのビジュアライゼーションの新しい利用シーンを拡大させる活動等を行っている。 http://www.perch-up.jp

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