Photoshop CC の新機能

手ぶれ写真に効果てきめん「ぶれの軽減」

解説:御園生大地

シャープネス関連機能の目玉とも言えるのがこの「ぶれの軽減」機能だ。手持ち撮影や暗所撮影でのぶれに効果を発揮する。

ぶれを取り除く新ツール

ぶれの軽減を適用する

■補正前 img_soft_cc_features02_01.jpg 従来はごまかすような方向で仕上げを行なうしかなかったような、ぶれた画像をサンプルとして扱ってみた。

■補正後 img_soft_cc_features02_02.jpg ディテールが浮かび上がってきているのが伝わるだろうか。特に、判別の難しかった文字部分がハッキリと読めるのは驚きだ。

Photoshop CCの目玉機能の1つである「ぶれの軽減」は実効性のあるコマンドだ。このコマンドは「ぼかし予測領域」と呼ばれる、四角い点線で囲まれた範囲のぶれを解析し、補正を行なう仕組みになっている。「ぼかし予測領域」は、任意の場所へ移動することができるので、主要な被写体があって、さらに文字が写っている場所のような、コントラストがある場所を選ぶのが、よりよい結果を引き出すコツだ。

その上で「ぼかしトレーシングの境界」や、「ソースノイズ」で補正のかかり具合を調整し、ノイズが気になる場合には「スムーズにする」で滑らかに、被写体のエッジに2線ボケのようなフチが現れたら「斑点の抑制」の数値を上げて除去していく。

ただし「スムーズにする」と「斑点の除去」は、先ほどの「スマートシャープ」の「ノイズを軽減」に比べるとアルゴリズム的には洗練されていないようで、数値を高くしすぎると、シャープネスが損なわれるような印象を得た。そのため、ちょうどよい加減を見つけ出すには、それなりに手間をかける必要があるだろう。

なお、「ぼかし予測領域」は何箇所でも作成することが可能だが、筆者がテストした限りでは、過度に多数の場所でサンプリングを行なうと、わずかだが、中間地点に画像がずれたようなつなぎ目が発生することがあったので注意が必要だ。

なお、「ぼかし予測ツール」の他に、「ぼかし方向ツール」がある。これはぶれの方向を手動で指定するためのツールだが、これに関しては、通常のぶれを手動で軽減するのはちょっと操作の難易度が高いように感じた。

「ぶれの軽減」ウインドウ

「フィルター」メニューの「シャープ」から「ぶれの軽減」を選択すると、「ぶれの軽減」ウインドウが表示される。「ぼかし予測領域」を指定し、「ぼかしトレーシングの境界」や、「ソースノイズ」で補正のかかり具合を調整する。ノイズが気になる場合には「スムーズにする」で滑らかに、被写体のエッジに2線ボケのようなフチが現れたら「斑点の抑制」で調整を行なう。 img_soft_cc_features02_03.jpg ■予測領域を指定するには
img_soft_cc_features02_04.jpg
img_soft_cc_features02_05.jpg 「ぼかし予測領域」は、任意の場所へ移動することができるが、主要な被写体のある、コントラストが強い場所を選ぶとよい。複数箇所を選ぶこともできるが、場所が多すぎると画像がずれたようなつなぎ目が発生することがある。
img_soft_cc_features02_06.jpg
ここをクリックすると、ディティールウインドウが拡大箇所にジャンプする。

どの程度「使える」ツールなのか

画面の右下には「ディテール」ウインドウがある。これは「ぶれの軽減」の効果を、拡大画面で素早く確認するためのウインドウだ。拡大箇所は小窓の内部を直接ドラッグするか、右下2番目の矢印ボタンをクリックして小窓をジャンプさせ、ドラッグ操作で直接確認したい箇所を指定することも可能だ。この時、小窓左下の「ルーペの位置で強調」ボタンをクリックすると、現在小窓で覗いている箇所を「ぼかし予測領域」として採用することもできる。

■使用の際には注意点も
img_soft_cc_features02_07.jpg
図のように、ぶれた瞬間に坂の向こう側のハイライトが露光してしまった箇所などは、自動で除去するのは難しい。画期的な新機能だが、万能ではないことを念頭に置いて使用することが必要だろう。

さて、「ぶれの軽減」をひと通りテストしてみて感じたのだが、この機能が「軽減」と名付けられているとおり、完全にぶれを除去するのはなかなか難しい。例えば、ぶれたことによってハイライトが侵食している部分などは、このツールで問題を解消するのはさすがに厳しいだろう。

とはいえ「スマートシャープ」でぶれを補正することを考えたら、はるかに良い結果が得られる素晴らしい機能なのは間違いない。最近はカメラの高画素化もあり、最終使用サイズで必要とされる以上の画素数で撮影を行なっていることも多いと思うが、そういったケースでは、この機能を使ってぶれを除去することで、十分使用に耐えうる画像を作り出せるだろう。

人物撮影で表情は出ているものの、望遠レンズを使用したことによる、細かい手ぶれを起こしている画像を救う、あるいは、スポーツの写真でゴールの瞬間など、タイミング重視でシャッターを押したが画像が甘かった一枚を救うといった用途で活用できるのではないだろうか。

ただし、一つ念頭に置いておきたいのは、この機能があくまでも、カメラのぶれによって生じる失敗写真を救済する機能であるという点だ。例えば、人物が異なる方向に動いているといったような「被写体ぶれ」には効果が出ない。いくつかの事例をテストしていくうちに、その傾向が掴めるのではないかと思う。

POINT
ぶれの状況によっては、的確な効果を発揮するツールだ。今まではセレクトできなかった画像を救えるなど、活躍の場は少なくないはずだ。


御園生大地 Taichi Misonoo

1974年東京生まれ。フォトグラファー、レタッチャー、3DCGクリエイター。建築竣工写真撮影、大手家電メーカーの製品写真レタッチをベースに幅広く撮影・レタッチ業務をこなす一方、近年3DCG製作の分野へ進出。2013年よりフリーランス。
TAICHI MISONOO website

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