Photoshop CC の新機能

Photoshop 13.1アップデートとRetinaディスプレイ対応

解説:御園生大地

Photoshop CCは、「Photoshop CS6 13.1アップデート」で追加された新機能を含んでいる。これは従来のCreative Cloudユーザーにのみ提供されていた機能だ。ここではそれらを解説していきたい。

Photoshop 13.1アップデートの新機能概要

CS6には、「Creative Cloudメンバー限定機能」が存在した。これらの機能はPhotoshopのバージョンの13.1という名称でリリースされており、パッケージ版の13.0.2アップデートとは別物として扱われていた。

つまり、パッケージ版のCS6を利用していた人にとっては、Photoshop CCで初めて出会う機能があるというわけだ(今後は、Creative Cloudのみとなるため、複数のバージョンが併存することはなくなった。そのため、こういった微妙な差異は一切なくなる。制作チーム内でバージョンを揃える際の利便性も向上したこととなると言えるだろう)。

img_soft_cc_features07_01.jpg Creative Cloudユーザーは、Photoshop CS6の「バージョン13.1.x」を利用することができた。Photoshop CCには、この機能も統合されている。

img_soft_cc_features07_02.jpg パッケージ版のユーザーのPhotoshop CS6の最新版はMacがバージョン13.0.4、Windowsが13.0.1だ。

具体的な機能としては、「HiDPI(Retinaディスプレイ)対応」「切り抜きツールの改良」「条件付きアクション」「ペンツールの進化(スペースバーの使用)」「一辺65,000ピクセルのJPEG画像に対応」、「ぼかしギャラリーと歪みツールがスマートオブジェクトに対応」などが該当する。各機能の詳細は、下の一覧表で確認してほしいが、その中からフォトグラファーにとって重要度が高いと思われる3つの機能について今回、次回と詳しく取り上げることとする。

すでに内容をご存じの方も多いかと思われるが、あらためて目を通していただければと思う。

Photoshop CS6 バージョン13.1でアップデートした機能
「Retina」ディスプレイ対応 MacBook Pro Retinaなど、表示解像度(PPI)の高いディスプレイにおいても、画像や操作ウインドウのガタツキがなく100%表示ができるようになった。(これのみ13.0.2でも対応
切り抜きツールの改良 「幅×高さ×解像度」というプルダウンメニューが追加され、縦横比だけでなく解像度を常に指定することが可能となった(従来は解像度の入力は指定前のみ)。
条件付きアクション 画像が縦位置の場合と横位置の場合で実行内容を変えるなど、条件分岐を含んだアクションの作成が可能になった。
ペンツールの進化(スペースバーの使用) ペンツールでシェイプやパスを描いている際、方向線の調整中に左クリックしたままスペースバーを押すことで、アンカーポイントを移動させることが可能になった。
一辺65,000ピクセルのJPEG画像に対応 従来の2倍以上のJPEGの保存が可能になった。65,000ピクセルは、350dpiで約470cmに相当する。サイズ制限が事実上、撤廃されたと言える。
ぼかしギャラリーと歪みツールがスマートオブジェクトに対応 ぼかしギャラリーとゆがみツールが新たにスマートオブジェクトに対応した。効果の調整が容易になった。

Retinaディスプレイで変わるPhotoshop環境

2012年12月のCS6のアップデートに際して、PhotoshopはRetina対応が行なわれた。もちろんCCにも引き継がれたこの機能がもたらすメリットとはどんな点にあるのだろうか。

解像度よりもIPSパネルに注目

Retina対応のMacBook Pro
img_soft_cc_features07_03.jpg Retinaディスプレイを搭載したMacBook Proシリーズ。プロの現場での運用を考えた場合、そのメリットは解像度よりもIPSパネルを搭載した点にあると言える。

Photoshopはすでに、CS6のアップデートで、MacBook Proシリーズの一部に搭載されている高解像度ディスプレイである「Retina」ディスプレイに対応している。筆者はすでにRetinaディスプレイで環境を構築しているのだが、その最大の利点は、従来の約4倍の密度になった解像度ではなく、「IPSパネル」が搭載されている点にあると考えている。フォトグラファーが画像を扱う際には、ディスプレイ視野角が十分にあり、見る角度によって明るさや色調が変わらないことが重要な条件だからだ。しかしながら、IPSパネルを搭載したノートPCがほぼ存在しなかったということもあって、ノートPCをメイン機としていたとしても、外付けモニターを併用しているという方も多数いるのではないかと思う。

しかし、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルが登場し、Photoshopもそれに対応したことで、いよいよ仕事のワークフローに「IPSパネル搭載ノートPC」を組み入れる扉が開かれた。このことは、ユーザーの環境によっては、仕事の進め方を根本から変えてしまうほどのインパクトがある(下参照)。

Photoshop CC+MacBook Pro Retinaディスプレイモデルでレタッチ環境を構築した場合のメリット

❶ 撮影時に外付けモニターを持参せずとも、
正確なライティングを施した撮影が行なえる
❷ 地方ロケや海外ロケなどの移動先でも
最終納品データを完成させることができる
❸ キャリブレーション環境のないクライアント先でもその場で色の確認がとれる
❹ 別の場所でレタッチャーが仕上げている途中のデータを、出先で正確に確認することができる

しかしながら、先進的なワークフローを組む際には注意すべき点も存在する。Retinaディスプレイは72ppiではなく、220ppiである(15インチの場合)。これは大きな魅力ではあるが、クライアント側が72ppi環境である場合、自分の環境で見たほうが、同じ画像でもより美しく見えることとなる。案件によっては通常のモニターでも確認を行なうなどの注意も必要だろう。

また、シビアに言えば、MacBook ProのRetinaディスプレイは、画面全域のグレーバランスが完璧とは言えないように思える。ややムラがあり、筆者の個体に限って言えば、IPS外付けモニターの3〜4万円クラスよりちょっと良い程度という印象だ。EIZOのCGシリーズ、CSシリーズを使っている方は、性能が劣ると感じるかもしれない。

とはいえ、どちらのデメリットも、念頭に置きつつ運用すれば十分対応可能なレベルで、得られるメリットのほうがはるかに大きいと筆者は考える。Creative Cloud経由の設定同期機能を活用すれば、ノートPCとデスクトップで同様の環境を作るのも容易だ。「Photoshop CCとMacBook Pro Retinaディスプレイモデルで、最終レタッチ環境のロケーションフリー化」を構築しやすくなったと言えるだろう。

POINT
Photoshop+MacBook Pro Retinaディスプレイモデルで、最終レタッチに十分な環境を出先でも構築できるようになる。


御園生大地 Taichi Misonoo

1974年東京生まれ。フォトグラファー、レタッチャー、3DCGクリエイター。建築竣工写真撮影、大手家電メーカーの製品写真レタッチをベースに幅広く撮影・レタッチ業務をこなす一方、近年3DCG製作の分野へ進出。2013年よりフリーランス。
TAICHI MISONOO website

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