Photoshop CS5ではブラシ関係の機能が大幅に強化された。絵筆のタッチを再現する「絵筆ブラシ」と、本物の絵の具のように色を混ぜ合わせる「混合ブラシツール」がそれだ。リアルな写真を絵画調の画像に仕上げることが、簡単にできるようになったといえる。
本格的に「描く」ことができる絵筆ブラシ
丸筆のバリエーション
平筆のバリエーション
新しいブラシのバリエーションとして「絵筆ブラシ」が登場した。丸筆5種類・平筆5種類の合計10種類で、今後、Photoshopがペイントソフトとしての機能を拡充していこうとする意気込みが感じられる。
単体のペイントツールとしてはもちろんだが、次項で紹介する「混合ブラシ」との組み合わせで、写真そのものを絵画調に加工するのも面白い。
CS5で新たに追加されたブラシプリセットパネルからブラシの種類を選んだ後、パラメータをブラシパネルで細かく設定して使用する。
絵筆ブラシのプレビュー
画面左上の「絵筆ブラシのプレビュー」で、角度やブラシサイズ、力の強弱などがリアルタイムで表示される。このプレビューはパネル下部の「絵筆ブラシのプレビューの表示切り換え」で表示をON/OFFできる。
混合ブラシツールで色やテクスチャーを混ぜる

「混合ブラシツール」は、なぞったところの色やテクスチャーが混ざりあっていく機能をもったブラシ。設定の仕方によって様々な手法で使える、大きな可能性を感じさせてくれるブラシだ。

使い方は、大きく分けて2通りある。ひとつは、色を補充しない=元画像の色を活かす設定で使用するもの。もうひとつは色を設定し、補充しながら使用する=元画像に任意の色を加えていく場合に使用する方法だ。
色を補充せずに使用する場合は、元画像のテクスチャーだけを混ぜ合わせていく。下の作例にあるような車の残像を描いたり、肌の質感をなめらかにしたりすることができる。この場合の設定は、まず「現在のブラシに対する設定」で「ブラシを洗う」にしたあと、「各ストローク後にブラシにカラーを補充」のチェックをはずし、「各ストローク後にブラシを洗う」のチェックを入れて使用する。
色を補充しながら使用する場合は、「各ストローク後にブラシにカラーを補充」にチェックを入れ、「現在のブラシに対する設定」で「ブラシにカラーを補充」を選び、カラーピッカーから元画像に描き加えたい色を指定する。optionを押しながら画像の中の任意の箇所をクリックして色を指定することも可能。
「絵筆ブラシ」と「混合ブラシツール」を併用すれば、元の写真の色を活かしながら絵筆のタッチを加えられるので、あまり絵ごころがなくても、一番下の作例のような絵画調の写真を簡単に描くことができる。これは楽しい !
■混合ブラシツールでクルマの残像を描いた例(カラーの補充:しない)
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ブラシの設定によっては、車のブレなどの残像感を簡単に描くことができる。色を補充しない設定にして、一定方向に手を動かして描く。残像の幅はブラシサイズで決定する。複数の幅で重ねていく方がきれいに仕上がる。また、にじみの数値が大きいと一筆の残像の回数が増えてしまうので、試し描きしながら数値を設定してみよう。
■混合ブラシツールで肌の質感を押さえた例(カラーの補充:しない)
いくら肌をきれいにレタッチしても、オリジナルの肌の肌理(きめ)がはっきりしすぎていて、きつい印象のときがある。このようなときも、色を補充しない設定で肌をなぞっていくだけで、肌の質感が落ち着いてくる。
■写真をベースにして混合ブラシツールで絵画調に描いた例
「絵筆ブラシ」と「混合ブラシツール」の併用で、写真をベースにして絵画調の写真を簡単に描くことができる。今回は「混合ブラシツール」に用意されている豊富なプリセットのうち、「ウェットミックス多量」を使用することにした。
最初は、元の写真の色は変えずに、テクスチャーだけ絵筆タッチに変えることにし、「色を補充しない」設定で描いていく。描いているうちに、やや単調になってしまったので、「色の補充をする」設定に変更し、ブルーや黄色をところどころミックスして描いてみた。
カンバス上で使えるショートカット
硬さの変更

ブラシツール等を選択している時、Option +Control+クリック(Mac)、Alt+右クリック(Windows)で表示される。マウスカーソルを左右に動かすとブラシサイズが替わり、上下に動かすとブラシの硬さが変わる。

Command+Option+Control+クリック(Mac)、Alt+Shift+右クリック(Windows)で、HUD(ヘッドアップディスプレイ)カラーピッカーが表示される。カラーピッカーの大きさや形状は環境設定で変更できる。

スポイトツール等を選択している時、Option+クリック(Mac)、Alt+クリック(Windows)で、サンプルリングが表示される。リング内側の上半分は現在サンプリングしている色、下半分はその前にサンプリングした色を表している。
※いずれのインターフェイスとも、環境設定で「OpenGL描画を有効にする」をオフにすると、表示されなくなる。
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西山慧 Kei Nishiyama
フォートンの創業当初からデジタルイメージングの歴史をきり拓いてきた日本のレタッチャーの草分け的存在。北海道大学法学部卒。http://www.foton.jp/
- 第26回 Camera Raw徹底研究 ④ CS5で追加された機能
- 第25回 Camera Raw徹底研究 ③ ディテールの補正とレンズ補正
- 第24回 Camera Raw徹底研究 ②応用編
- 第23回 Camera Raw徹底研究 ①基本操作編
- 第22回 「選択範囲」と「マスク」再入門 ②
- 第21回 「選択範囲」と「マスク」再入門 ①
- 第20回 「コンテンツに応じる」編集機能の総ざらい②
- 第19回 「コンテンツに応じる」編集機能の総ざらい①
- 第18回 レタッチの作業効率アップ! ⑤レンズ補正フィルター
- 第17回 レタッチの作業効率アップ! ④ HDR Pro
- 第16回 レタッチの作業効率アップ! ③ パペットワープ
- 第15回 レタッチの作業効率アップ! ②コンテンツに応じた修復
- 第14回 レタッチの作業効率アップ! ① 境界線を調整
- 第13回 3D機能(Photoshop CS5 Extended)
- 第12回 パペットワープ
- 第11回 絵筆ブラシと混合ブラシツール
- 第10回 コンテンツに応じた修復
- 第9回 「境界線を調整」の強化
- 第8回 HDR Pro と HDRトーン
- 第7回 「レンズ補正フィルター」の強化
- 第6回 Camera Raw 6
- 第5回 Mac版の64-bitネイティブサポート、驚愕の処理速度
- 第4回 コンテンツに応じた修復とパペットワープ
- 第3回 使える「HDR Pro」と「境界線を調整」
- 第2回 フォトグラファーに便利な3つの機能
- 第1回 64-bitの対応とGPU機能の強化



















