Blackmagic Cinema Camera

BMCC最大の魅力はワークフローとカラーコレクション

石川幸宏(DVJ BUZZ TV)

BMCCが従来のカメラと大きく異なるのは、ポストプロダクション作業との有機的な連携にある。その具体的なワークフローについて見てみよう。

ProRes 収録が可能でDaVinci Resolveにも対応

Blackmagic Cinema Cameraを語る上で最も重要なのは、前回のグラント氏のコメントにもあるように、完全にポストプロダクション発想から生まれたカメラであるということだ。特筆すべきなのはBMCCカメラを選択したことによって、何か独自のワークフローを選択する必要がないこと。これはカメラフォーマットが混在する中で重要なポイントだ。

現在、CMや映画の世界では、ARRI ALEXAがデジタルシネマカメラのスタンダードとして世界的に普及しているが、その背景には、RAWデータ(ARRI RAW)の収録が本体で可能であること以上に、実はProRes422での収録が可能という要因の方が大きい。これによってポストプロダクションでのパイプラインが構築しやすくなったのである。

これは単に現場のスタッフを楽にしたというだけでなく、ポストプロダクションの上層部にもバジェット管理の部分でとても好意的に受け入れられ、結果として多くの現場への導入に至ったという経緯がある。BMCCもやはりProRes収録が可能となっており、こうした現行のポスト作業におけるカメラマーケティングの好例を参考にしているようだ。


カラーコレクション前提の適正素材を収録可能
カラーコレクションツール“DaVinci Resolve”との親和性は、このBMCC最大の長所であるといっても良い。BMCC誕生の要因でもあり、DaVinci Resolveでカラーコレクションするために最適な素材を提供するために生まれたカメラであるが故に、今後も双方のシンクロした進化が期待できる。またカラーコレクションというリテラシーの普及にとっても、様々な現場でのBMCCの登用によって、カラーグレーディング・ライクな撮影素材が一般化することは、これからの映像制作の裾野を拡げる意味でも大きな役割を果たしそうだ。

img_special_blackmagic03_01.jpg カラーコレクションツールのDaVinci Resolve。BMCCにはこのソフトウェアが標準で同梱されている。


またDaVinci Resolveによるカラーコレクション作業との親和性は、映像制作の新しい世界を切り開いている。その基本となるのは広いダイナミックレンジであるが、CinemaDNG RAWを採用することでそれを確保し、さらにDaVinci Resolveにネイティブで取り込めるようにして、その魅力を大きく引き出している。

編集についてはProRes422HQ、もしくはDNxHDといった、これまでの汎用の編集フォーマットが直接生成できるので、従来の環境を変更したり、大掛かりな設備投資は不要だ。

また順次カメラのファームウェアもアップデートを続けており、カメラ本体のDNxHDへの対応や、DaVinci Resolveへの親和性向上などポストプロダクションの作業をより効率的に進めるための進化を続けている。ユーザーに有利な実戦的フィードバックが早いことは、変化の流れが速い映像業界のビジネススキームにも合致する。

※CinemaDNG RAW アドビシステムズが開発し2008年4月に発表した、汎用向け高画質RAWデータフォーマット。この名称はアドビが設計したデジタルスチル画像用のRAWフォーマット“DNG(Digital NeGative)”に由来する。BMCCでは、SSD/480GBでCinemaDNG RAW 約40分収録可能。


Blackmagic Cinema Camera ワークフロー ※クリックして拡大
img_special_blackmagic03_02.jpg


現場目線のBMCC Tipsメモ

BMCCはARRI ALEXAの映像素材と親和性が高い

国内外のCMや映画の世界で大きなシェアを誇るデジタルシネマカメラ“ARRI ALEXA”。CM撮影の現場ではRED EPICかこのALEXAが使用されるケースが多いが、レンタル費用が高い、台数が少ないなどの理由で、BMCCをBカメやサブカメラとして使用する現場が増えている。BMCCのRAW収録は、CinemaDNG RAWのフォーマットを採用。そのガンマ特性がALEXAのLog-C画像にも似ていることから、こうした活用事例が増えている。海外ではBMCCのみで撮影するケースも増えてきている。


13ストップのダイナミックレンジを活かすアンダー気味の撮影

ARRI ALEXAやRED EPICなどのデジタルシネマカメラでは、露出をアンダー目に撮ってしまうと、あとで暗部ノイズなどの原因となることが多いが、BMCCのCinemaDNG RAWでゼブラ100%とした場合、100%になると偽色等が検出されるため、他のカメラよりも少しアンダー目に撮ることが望ましいようだ。 残したいハイライトの部分を100%を切るギリギリのところで設定しておくことで、13ストップのダイナミックレンジをフルに活かす撮影が可能だという。

※この記事はコマーシャル・フォト2013年10月号 特集「Blackmagic Cinema Camera」を転載しています。

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