Blackmagic ケース・スタディ

MisterWivesの配信「SUPERBLOOM: The Live Dream」Pocket Cinema Camera 6Kで撮影

ライブのエネルギーと高品質の映像作品をひとつにした新たな音楽体験

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米国のバンドMisterWivesが配信したコンサート「SUPERBLOOM: The Live Dream」の撮影は、すべてBlackmagic Design Pocket Cinema Camera 4Kおよび6Kカメラで行われた。世界中に配信されたこのコンサートを通して、数万人のファンがライブコンサート会場の様子と映像作品を併せて楽しむことができた。

MisterWivesは高い評価を得ている米国のバンドで、世界中に広がるファンは数百万人に及ぶ。彼らの素晴らしいライブパフォーマンスは特に有名だ。3枚目のアルバム「SUPERBLOOM」をリリースしたものの、2020年は新型コロナウイルスが原因となり、ツアーを回ることができなかった。新作アルバムをファンに届けるため、彼らは「The Live Dream」を制作することを決めた。この配信は、バンドのライブショーのエネルギーと、新作アルバムのストーリーを視覚的に伝える高品質の映像作品を併せたものであり、複数のセットやコスチューム、振り付けが含まれていた。

MisterWivesのボーカリスト兼メインソングライターであるマンディー・リーの明確なビジョンに基づき、バンドはマティー・ヴォーゲル監督とキャリー・ストーク撮影監督に制作を依頼した。サーティー・セカンズ・トゥー・マーズやビリー・アイリッシュなどのアーティストの写真撮影で知られるヴォーゲル監督は、MisterWivesと協力して今回の配信のコンセプトを考案した。制作マネージャーのノア・アルメキンダー氏率いるバンドのツアークルーは、配信の技術的要件をクリアする上で不可欠な存在だった。

「ライブ番組のエネルギーと高品質の映像作品をひとつにしたライブミュージック体験という、本当に特別なプロジェクトでした。しかも、ライブミュージック配信の経験がないクルーが制作したのです」(ヴォーゲル氏)

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「個人的にはこのような仕事をもっとやりたいですね。やりがいのあるクリエイティブな挑戦であり、アクセス可能な没入型の体験をまったく新しい形でファンに提供できます」(ストーク氏)

「SUPERBLOOM: The Live Dream」は、ロチェスター工科大学のMAGIC Spell Studiosで5日間で撮影された。映像はアルバムの曲順にしたがって収録されており、視聴者はアルバムの感情的なストーリーを体験できる。

ヴォーゲル氏が監督を務める中、カメラはストーク氏とロチェスター工科大学の学生2人が操作した。三脚に乗せたPocket Cinema Camera 4KとPocket Cinema Camera 6K、ストーク氏が操作するハンドヘルドジンバルのPocket Cinema Camera 6Kだった。

撮影ではライブパフォーマンスが全編にわたって行われ、高品質の没入型照明やエフェクトのほか、ヴォーゲル氏がこの配信のために作成したグラフィックを表示する巨大なプロジェクタースクリーンが使用された。これらの映像には、昼から夜の劇的な変化、高品質の月光グラフィック、バンドの周りを踊るダンスグループなども含まれている。

「予算は限られていましたが、非常に高品質の制作となりました。Pocket Cinema Cameraはその大きな要因のひとつです。カメラのコンパクトさとハイダイナミックレンジは、私たちにとって大変大きな利点でした。バンドの近くに迫ってステージ全体を動き回っても、邪魔になることはありませんでした。Pocket Cinema Cameraはその場の状況に影響しないので、撮影者とバンドの間に障害がない状態で撮影できました」(ストーク氏)

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ステージの一部が霧の森に見えるようセットアップされた木々の間を抜けて、バンドのボーカリスト、マンディー・リーを追うシーンがあった。

「森のシーンでは、2人が野原を駆け抜けていく場面を、古い映画のような雰囲気にしたいと考えました。私はカメラをもう1人の人物のように動かして、前を走る2人を後ろから追うような映像にしました。防音スタジオにいながら、マンディーが森を駆け抜けるのと同じ没入感を提供できる映像を作りたかったのです。Pocket Cinema Cameraのコンパクトなサイズとハイダイナミックレンジによって、私の思い描いたショットが現実のものとなりました」(ストーク氏)

Pocket Cinema Cameraが制作チームにもたらしたもうひとつの利点が、ハイダイナミックレンジだった。照明デザイナーのブライアン・ラルー氏の監督の下、パフォーマンスの照明にはハイコントラストのコンサートライトが使用された。撮影されたフッテージは柔軟性が高く、制作チームはポストプロダクションにおいて照明をソフトにしたり、強調したりできた。

「Pocket Cinema CameraのフィルムルックとフィルムLogプロファイルは素晴らしいですね。特にPocket 6Kのダイナミックレンジ、解像度、ビット深度は、ポストプロダクションで理想のルックを実現する上で大いに役立ちました」(ストーク氏)

「Pocket Cinema Cameraと今回のプロジェクトによって、私の新しい創作の道が開ました。以前はライブショーの写真撮影に専念していましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、新しいスタイルを模索していました。Pocket Cinema Cameraを使用することで、ミュージックビデオおよびライブミュージック配信という新しいビジネスを始めることができました」(ヴォーゲル氏)

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「SUPERBLOOM: The Live Dream」トレーラー


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