プロからアマチュアまで、広範囲から支持されるフォトブックサービス

業界の流れに逆行したサービス!?

アマナイメージズでも8年ほど前から高画質フォトブックサービス「Visual Book Pro」を展開している。2012年11月には商品ラインナップを拡充。Webサイトも全面リニューアル、さらに特典サービス部分を強化し、前年の4倍の売上を記録している。Visual Book Pro担当の阿部意子さんに話を聞いた。

「写真や印刷関連会社以外にも様々な企業がフォトブック市場に参入する中、弊社では“ハイクオリティな仕上がり”“自由なデザインレイアウト”“小ロット低コスト”をコンセプトに取り組んでいます。アマナからフォトグラファーに向けて“こういった写真の見せ方もあります”という提案も兼ねつつ、低価格を重視した価格競争が進む中、敢えて業界の流れとは逆行した高品質のフォトブックを提供するビジネスに挑戦しています」。

ユーザーのサービス利用状況は、一回の平均注文数が3〜4冊、多いときには一度に50冊以上の注文もある。ユーザーは普段アマナイメージズを利用しているクリエイターやフォトグラファーが多く、その約3割がリピーターだという。

「個人の作品集という使い方はもちろんですが、クライアントから依頼を受けて、写真撮影からフォトブック制作まで一括で請け負うビジネスを展開している方もいらっしゃいます。そういった方は定期的に注文されてますね」と阿部さん。作品集を作るなどのプロモーション活動だけでなく、ビジネスとしての利用も可能だ。製品ラインナップは、Visual Book Pro EX、ハードカバー、アタッチカバー、STITCHの4種。印刷だけでなく、装丁にもこだわりがある。それぞれの製品の特徴を聞いた。

「一番人気は、ハードカバータイプです。本文部分は特殊ニスによる半光沢仕上げになってます。次に人気なのは唯一のソフトカバータイプのアタッチケース。他の製品に比べ安価なので冊数を多く作る方からご注文いただく傾向がありますね。このタイプを使って、定期的に作品集を作られる方もいらっしゃるようです。また、最高級タイプのVisual Book Pro EXも注文数が増えています」。

フォトグラファーからの注文ではページ数は80〜100ページ、サイズはA3Q（266×266mm）と一般流通している写真集と同じような判型が好まれているようだ。

Photoshopでレイアウト可能

入稿データ作成方法は2種類。1つはVisual Book Proが無償で提供するレイアウトソフト「Visual Book Maker」をダウンロードし、簡単にレイアウトを組む方法。もう１つはAdobe Photoshopを使ってのレイアウト。その場合、版下制作には「ベースファイル」、注文時にはデータをPDFに変換する「File Checker」が必要となるが、いずれもVisual Book Pro Webサイトから無料でダウンロードできる。

Photoshopを使用すれば、100％自由なレイアウトの制作可能。定型のテンプレートや固定レイアウトのサービスが多い中、レイアウトや表紙デザインまでこだわりの一冊をつくることができる。

昨年12月にはサービス改定を行ない、5冊以上は送料無料としている。1回の注文で4冊までなら全国一律525円（税込）。また1回に2冊以上注文すると、2冊目以降が割引価格になる。さらに、注文時にクレジットカードで決済するとTポイントが貯まるサービスも提供開始した。プロのクリエイターやフォトグラファーのみならず、一般的な消費者にまで視野を広げた本サービスの今後の展開に期待したい。

お問い合わせ先：amanaimages.com/vbp／0120-410-225（アマナイメージズカスタマーサポート）

入稿までの流れ

制作したいブックの判型・ページ数のベースファイルに従ってレイアウト作業を行なう。ちなみに入稿はRGBデータ。PDFでの入稿となるため、PDF変換ソフト「File Checker」で変換する。ベースファイル、File Checkerともに無料ダウンロード可能。

ベースファイル画面。見開きごとにページ数が明記されたPSDデータに写真をレイアウトしていく。その後、ページ毎にjpgで書き出し、フォルダに保存。

❷Visual Book Makerでレイアウトする場合
Visual Book Makerをインストール後、ベースファイルにレイアウト。その後、PDFに変換しオンライン注文。Visual Book Makerは無料でインストールできる。

Visual Book Maker操作画面。レイアウト方法は、使用画像をページごとに割り振るオーガナイザーや選択した画像を自動でレイアウトしてくれるオートレイアウト機能、自由にデザインできる通常レイアウトの3種類がある。

最高級フォトブック Visual Book Pro EX

表紙と同じ画像が入った巻きカバー付きのハードカバータイプ。高級感のある仕上がりだ。箔押しの名入れも可能な専用ブックカバーは赤黒の2色から選べる。本文はラミネート加工（グロスまたはマット）かニス加工が可能。サイズは全4種類。ページ数は20〜80Pの5種類から選択。

一番人気のハードタイプ Visual Book Pro ハードカバー

本文は特殊ニスによる半光沢仕上げ。専用クリアケース付き。サイズ種類は10種類。A3Q（266×266mm）〜A5W（210×148mm）まで、ラインナップの幅が広い。ページ数は10〜100Pの10種類から選択可。

唯一のソフトカバータイプ
Visual Book Pro アタッチカバー

糸綴じ加工でカジュアルに
Visual Book Pro STITCH

本文は特殊ニスによる半光沢仕上げ。専用のクリアケース付き。サイズ種類は10種類。ページ数は10〜100Pの10種類から選択。

ハードカバータイプの糸綴じ製本。本文はラミネート加工（グロスまたはマット）専用クリアケース付き。サイズは4種類。ページ数は12P、20P、28Pの3種類から選択。

※この記事はコマーシャル・フォト2014年3月号 特集「フォトグラファーのための高品質フォトブック」を転載しています。