最新ライティング機材ガイド

RIFA-F 90×160 MAX  写真電気工業

解説:久門易

これまでで最大の発光面を持つ蛍光灯ライトの効用とは?

img_tech_lightingguide02_04.jpg発光面は90×160㎝。1台あれば、人物の全身写真でも余裕で照明できる。全体を覆っている反射面の生地は、難燃性の「アラミド繊維」を使用。本体のみで税込価格154,350円(蛍光灯、スタンドは別売)。

img_tech_lightingguide02_05.jpg口金規格E26タイプの100W(消費電力21W)蛍光灯を使用。ケーブルによって、4灯、8灯、12灯の3段階の光量に切り替えができる。内部の反射面は銀レフを採用。


100W型蛍光灯を12灯使用したライトボックスである。発光面は大人の全身を余裕でライティングできる90×160cmの縦長サイズ。小柄な人なら、ボックスライトの中にそっくり入ってしまうほどだ。光源は、家庭用にも使われている蛍光ランプ、という事実に拍子抜けする人は少なくないだろう。

実のところ、このRIFA-F の価値がわかり「待ちに待った」ユーザーと、未だに「蛍光灯なんてポートレイト撮影には向かない」と旧来の概念に捕らわれたままのフォトグラファーに分かれるのではないか、と思う。

後者の蛍光灯に対する疑念はふたつ、色温度と光量であろう。すでにデジタルカメラでは常識であるが、撮影時でも後処理でもホワイトバランスは光源に合わせて自由に設定ができる。つまり照明の色温度をそれほど気にする必要がない。

また光量の問題だが、「RIFA-F 90×160
MAX」で、ひとりの人物を照明した時の露出値は、概ね1/125秒、f2(ISO100)程度。この数値を見て、不足気味、と考えるのは早計である。最新のデジタル一眼レフカメラの多くは、高感度撮影に強い。常用感度ISO800での撮影も充分実用範囲内だ。1/125秒、f8(ISO800)とすれば、動きのある人物の撮影にも充分使える。

蛍光灯なので、白熱電球のような過熱もなく、素材も燃えにくい生地なので極めて安全に使用できる。しかも複雑な回路も不要、ほぼメンテナンスフリー。蛍光灯も切れた分だけ交換するだけで長く使える。

これだけの大きさにも拘わらず、軽量で収納やセットアップも驚くほど簡単。とりわけ、ディスクブレーキ型の雲台を実際に触ってみると、その使い勝手に目からウロコ状態になること請け合いだ。(久門 易)

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ZIGEN

キヤノン EOS-1Ds Mark III+EF24-70㎜ F2.8L USM f3.5 1/320秒 ISO800
HM=河西幸司 (Upper Crust) Model= Anna N(angel17) 衣装= I CANDY
蛍光灯の光源特性を活かした照明機材と、自然光のミックスライティングができることは、フォトグラファーにとっても大きなメリットになり得ると思う。

img_tech_lightingguide02_07.jpg上の写真の撮影風景。左から「RIFA-F 90×160MAX」1台だけの簡単なライティングで人物のフルショットが撮れてしまう。

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久門易 Yasushi Kumon

写真家、デジタルフォトアドバイザー。「写真道場」( http://www.dowjow.com/ )店主。2001年、楽天大学(株式会社 楽天 内)にて「商品撮影入門講座」講師。2002年頃、桑沢デザイン研究所、多摩美術大学にて非常勤講師。2007年より株式会社INAX主催「リフォーム撮影事例撮影講座」講師。2009年より株式会社TOEX主催「エクステリア業者のためのデジカメ撮影研修」講師。2009年より「コマーシャル・フォト」に「特殊撮影見聞録」連載中。

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