ゼウスのスチルライフマジック

第9話「うさだだぬき こと 稲田大樹さんの写真集を写真する」

Photo & Words:Tetsuro Takai

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スタジオは白い空間
何もない宇宙の始まり
創造主ゼウスのように
光を操って宇宙を 創造しよう
スチルライフ それは あなたが
神になれる世界 楽しい夢

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高井哲朗が主催する「ゼウスクラブ」。10月のはじめ“うさだだぬき”こと 稲田大樹さんが、上梓したばかりの初写真集「極彩色の京都 四季の名所めぐり」とカレンダーを持ってやって来た。風景写真でお返しすることはできないけれど、ブツ撮りならば…。という訳で、今日は「写真集を写真する」こととなった。京都の色のイメージもたっぷり加えて。

うさだだぬき(稲田大樹)
Web:usalica.myportfolio.com/
Instagram:www.instagram.com/usalica/

「写真集を写真する」

だぬきって さぁ すごく 京都のこと好きだよね
それ 通り越して 愛してるって 感じ
写真撮る時 愛 捧げるって そんな 姿 想像するよ

雪の写真なんて どれだけ 待ってたんだか
俺 ダメ 体力ないし 寒いの 大嫌いだから

その素敵な写真たち
可愛い写真集になったんだね

「写真集を写真する」きょうは それだね
写真集を 物として 撮影する
写真を見せながら 物としての立体感も 表現する
さらに写真集のイメージも 感じさせる
基本的なのは 光を満遍なく綺麗に回して
真俯瞰から 撮るんだけどさ
それじゃ 面白くないから 少し 考えてみよう
3冊あるから 2冊は見開きで
写真も見せて
帯 外すけど すげーな これ フォロワー 20万人
これは 外せない どこかに 入れよう

高井も さぁ ゼウスアカウントで
やってるけど ぜんぜん だよ

――あれは だめですよ
完全に 怪しい宗教の匂いするから 誰も フォロー しないすよ

そうかなぁ 俺 怪しいとこも
好きだけどなぁ

img_tech_zeus09_01.jpgPh.1

上下からバンクライトを均等にあてた、俯瞰複写撮影の基本的な撮影。

写真集:稲田大樹「極彩色の京都 四季の名所めぐり」(KADOKAWA)

img_tech_zeus09_02.jpgPh.2

複写撮影では、左右からのライトで均等に光をあてることも多いが、今回の被写体では、左右からのライティングだと本の背にハイライトが入って白くなってしまう。

Ph.1のセット

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ライト:❶❷ broncolor Pulso G Head+Softbox 60×60
カメラ:Canon EOS 5D Mark II/レンズ:EF50mm F2.5 Compact Macro/1/100秒 f8 ISO100



img_tech_zeus09_04.jpgPh.3

三方向から形状の違うライトを使って、立体感を強調してみた。

Ph.3のセット

img_tech_zeus09_05.jpg

ライト:❸broncolor Pulso G Head+Standard Reflector P70+Honeycomb grid/❹broncolor Boxlite 40/❺broncolor Pulso G Head+Softbox 60×60 カメラ:Canon EOS 5D Mark II/レンズ:EF50mm F2.5 Compact Macro/1/100秒 f8 ISO100カメラ:Canon EOS 5D Mark II/レンズ:EF50mm F2.5 Compact Macro/1/100秒 f8 ISO100



img_tech_zeus09_07.jpg 各ライト役割。
写真左)グリット付きのライト❸のみ。
写真中央)ボックスライト❹でシャープなハイライトを表紙右端に入れる。
写真右)ライト❺で全体の明るさを補って完成。


「京都を写真するのって、難しいよね」

京都の写真集 見てて 思ったんだけど
京都を 写真するのって なんだか難しいね
学生のときには 学校が関西で よく 京都も行ったけど
あまり考えもせず ただ 撮っていただけ
だけど 改めて 撮ろうとしたら なんとも 撮れないんだな

どう言っていいのか?

あのさ プロのモデルがいてね 撮るとするじゃない
撮れるんだけど 撮らされてるって 感じ

京都の街って あらゆるところが 美的感覚で 整っているんだよね
はい 撮ってくださいって
まるで モデルが ポーズ してるみたいで
写るんだけど 撮せないって やつなんだな
シャッター 押せば ちゃんと 写っちまうんだ
それが つまんないんだな
まともすぎて ありきたりで 面白くないんだ

だぬきの写真 って それとは ちょっと違うなって
よく見てみると

何回も何回も 君が好きだよって 通ってるような そんな 気がする
恋人みたいに
機嫌 いい時 悪い時 ときどき 拗ねたりしてる時だって
愛してるよ なんて 言ってたりして ご機嫌とったり

風が吹いたり 雨が降ったり 嵐の時も 雪の日だって
我慢強く 僕は 君が 好きなんだ って
だから いちばん 素敵なところ つかまえたりできるんだな きっと
構図 決めて 光を待つ それ以上に 大切なこと
感情を わきあがらせること  こころ 動かすものの 発見

こころ
それは よく“みる”こと 太陽と お友達になること
雨も 風もね
ただ ひたすらに 絶え間なく 想うこと
愛すること なんだろうね

美しい は 無敵 記録 は 愛おしい記憶
太陽に 愛されてる 喜び

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Ph.4

※画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示

写真集と同時期に出版された稲田さんのカレンダーが被写体。幅40cmほどのカレンダーの上に鞠、アクリル球、和硝子のグラス、皿を置いて俯瞰撮影。
2022カレンダー:「極彩色の京都 美しき癒しの絶景」(山と溪谷社)


Ph.4のセット

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ライト:❶broncolor Pulso G Head+Standard Reflector P70+Honeycomb grid/❷broncolor Boxlite 40
カメラ:Canon EOS 5D Mark II/レンズ:EF50mm F2.5 Compact Macro/1/100秒 f8 ISO100カメラ:Canon EOS 5D Mark II/レンズ:EF50mm F2.5 Compact Macro/1/100秒 f8 ISO100



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俯瞰から全体を見たところ。グラス、皿は画角には入っていないが、ライトの光を透過することで、ビビットな色を作っている。

img_tech_zeus09_11.jpg

グリッドを付けたライト❷でガラスの皿に光を透過させる。

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下に向けたボックス(ライト❶)は直接カレンダーにあてず、床面を照らす感じ。ライト発光面から横に広がる光だけを被写体にあてる。

ライトの組み立て

img_tech_zeus09_13.jpg

ボックス(ライト❶)。ベースとなる明るさ作る。

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斜め上よりグリッドで絞った光(ライト❷)を入れる。これで完成でもいいが、もう少し演出を加えてみる。

img_tech_zeus09_15.jpg

アクリルの球を置く。ライト❷の光が屈折して強いハイライトを作る。

img_tech_zeus09_16.jpg

ライト❷の手前に赤いガラス皿を置く。アクリル球に赤が映り込み、ハイライトに赤のグラデーションが入る。完成カット。

img_tech_zeus09_17.jpg

撮影の様子。



img_tech_zeus01_01.jpg

高井哲朗 たかい・てつろう


1978年 フリーとして活動開始。1986年高井写真研究所設立。広告写真を中心に活動するかたわら、ゼウスクラブを開催し、写真の可能性を伝導する。


www.kenkyujo.co.jp/
twitter.com/TetsuroTakai(ツイッター)




※この記事はコマーシャル・フォト2022年1月号から転載しています。


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