ゼウスのスチルライフマジック

第14話「面倒な時計撮影を、秘密兵器とインスピレーションで攻略」

Photo&Words:Tetsuro Takai/Photo:Kawai Kosei & Sindo Ryunosuke

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スタジオは白い空間
何もない宇宙の始まり
創造主ゼウスのように
光を操って宇宙を 創造しよう
スチルライフ それは あなたが
神になれる世界 楽しい夢

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新藤龍之介君が、友人の河合航世君を連れて来た。大学は別々だけど、2人は高校時代「写真甲子園」全国大会に出たという写真仲間。今日は河合君のお母さんの時計で広告写真の練習。映り込みがあり撮影が面倒な銀の時計だが、2人は秘密兵器「ライトドーム」(アクリル製ドーム型ディフューザー)を持ってきた。そんな2人を横目で見つつゼウス高井は「和」のインスピレーション。シンプルな2灯ライティングで応える。


「銀時計は映り込みが難しいから
ドームで囲むのはありかな」

河合くん なかなかの いい時計 持ってきたね
ちょっと ダイヤも入って 難易度高そうだね

ふーん ドームで囲うんだ
銀一で 買ってきたんだね
ある程度は コマ・フォトで研究したね

時計のフレームは カーブになってるから
いろいろ映リ込む
ドームで囲うのは ありかな

それで 光を足していくんだね
テカリが強いところは 細かく黒紙で カットする と

時計の文字盤は 表面がガラスになってるから
テカリすぎないよう それでも ガラスに覆われてることも
上手く ライトコントロールしないとね

まぁ 初心者としては こんな感じかな
いろいろ 足りないところは レタッチ作業で 補うんだ

ところで 河合くんのはめてる時計
いいね それ 撮らしてくれない?
CITIZEN だし

ちょうど 篠笛と その袋があるから
和柄だし ピッタリ
日本の時計って 感じで いい雰囲気だ
ちょっと 撮ってみようか

Ph.1 / 2 / 3のセット

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乳白アクリルのライトドームに時計を入れ❶〜❹のライトで囲む。
ライト:❶〜❹broncolor Pulso G Head+Standard Reflector P70
カメラ:Hssselbrad H4D-31
レンズ:HC MACRO 4/120 II /1/60秒 f22 ISO100


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ライトドームを後ろから見たところ。ドームの穴からレンズだけ出して撮影。黒ケント紙のフラッグで光をカットして時計ガラス面のテカりを抑える(黒締め)。

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Ph.1

メインライト❶のみ。ドームで囲んでいるため周囲の映り込みはないが、ガラス面全体も白っぽくなってしまう。

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Ph.2

ドーム内側に黒ケントフラッグを入れ(セット図参照)、ガラス面のテカリをカット。

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Ph.3 完成

ライト❷〜❹を入れ、バランスをとって完成。凸レンズになっている日付窓は別カットを合成。

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Photo:河合航世/新藤龍之介


「たまたま、篠笛がここにあって
時計を組み合わせたらどうかなって」

時計が 撮れれば 写真で仕事 できるようになるよ
なんて スタジオにいる時 先輩が 言ってた

そうかもね って 聞いてたけど
それって技術だけのものではないって思ってたんだな

撮影の仕事を 現場で見てると よくわかってくるんだけど
人間 対 人間 信頼されてないと
撮影仕事なんて できないよな

誰でも 写真は撮れる
でも
誰でも 写真の仕事が できるわけではない

SNSで 個人個人で 発信できるようには なったのだけど
肝心なのは セルフ プロモーション
いかに 自分を見つめ 開発していくかだ

たくさん 撮影すること それで 数多くの失敗から学び
よりよい結果を作っていくしかない
例えば
たまたま 篠笛がここにあって 河合くんが 時計を持っていた

それが 日本製で CITIZEN 組合わせると どうかなって

そんな感じのことを 自分の中の 訓練として
毎日 過ごし 撮影すること

ちょっと考えて 撮影したら
それだけの経験 結果が 理想の自分を 作ってくれる

毎日 生活の中で
何かを考えて 撮影すること
それが 写真を撮る人としての 基本的な生活

あとは人間性
作家としての欲望は あるべきだけど
強欲に なりすぎないこと
常に優しい心も 育てるべきこと
社会性のある人間に なること

人は人によって 生かされているものだからね
いちばん 大切なもの 人間愛
それが 世界平和 にも つながるって 思うんだな

みんなが やさしい心を 育んでくれたらね
きっと 世界は ラブ&ピース

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Ph.4

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篠笛:篠笛康昭 instagram.com/shinobue_kousyou/


Ph.4のセット

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ライト❶はトレペを貼ったリフレクター。ライト❷は小型ストロボヘッドに専用の箱形ディフューザーをつけたボックスライトで、コンパクトな面光源を作った。撮影台の上は、乳白アクリルボードで斜めに覆い、周囲の映り込みを防ぐ。
横位置撮影→縦位置仕上げのため、縦位置にした時、時計の上部にハイライトが来るようにライトの位置を決めている。
ライト:❶broncolor Pulso G Head+Standard Reflector P70/❷broncolor Picolite+Picobox
カメラ:Canon EOS 5D MarkII/レンズ:EF100mm F2.5 Macro IS USM/1/100秒 f20 ISO100



ライティングの組み立て

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トレペを貼った標準リフレクター❶と、小型ボックスライト❷を上下に重ねてライティング。

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ライト❶のみ。時計周辺リングの1時〜3時辺りにハイライトを作る。アルミの笛とリングに下に敷いた笛袋の柄を映り込ませる。

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小型ボックスライト❷のみ。文字盤部分を明るくし、時計周辺リングの10時〜1時辺りにハイライトを作る。
ライト❶と❷でできる周辺リング部のハイライトを1本につなげるように調整。



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高井哲朗 たかい・てつろう


1978年 フリーとして活動開始。1986年高井写真研究所設立。広告写真を中心に活動するかたわら、ゼウスクラブを開催し、写真の可能性を伝導する。


www.kenkyujo.co.jp/
twitter.com/TetsuroTakai(ツイッター)




※この記事はコマーシャル・フォト2022年6月号から転載しています。


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