ゼウスのスチルライフマジック

第15話「辰太郎くんのオリジナルジュエリーを光ファイバーで妖しくライトアップ」

Photo & Words:Tetsuro Takai/Jewely & Photo:Shintaro Tomita

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スタジオは白い空間
何もない宇宙の始まり
創造主ゼウスのように
光を操って宇宙を 創造しよう
スチルライフ それは あなたが
神になれる世界 楽しい夢

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独自の感性と造形センスでジュエリーを作っている富田辰太郎くん。今日は彼をスタジオに呼んで撮影会。自分の作品はいつもiPhoneで撮っているという辰太郎くんだけれど、ハンドモデルもいるから、セットを組んで彼自身にも撮ってもらおう。そしてゼウス高井は4×5カメラSinarと光ファイバーの照明キットを持ち出して、超「接写」体制。今日のゼウスはエロスの神?


「今日はスタジオで撮ってみない?」

2月に開催されたアート展「私たちは消された展2022」
“SNSで消されたら展示すればええんや”
なんてDM もらったから 神田神保町まで 出かけた

その会場で 懐かしい 70年代の 写真展示があった

脇に立っていた その子に 写真 やってるのか と聞いたら
それは 親父の写真だと かれ自身は ジュエリーを作っていた

辰太郎くん なかなか ユニーク技術者
リング ピアス 物たち

インスタに出してる アクセサリーの写真
どうやって撮ってるの? って聞いたら
iPhoneで撮ってるって
ルーペ 使って やってるって
へー まぁ まぁ よく写っているんだけど さ

そんなやりとりから
どう スタジオで撮ってみない? って 軽く誘ってみた

金色 ジュエリー 接写撮影だよね
映り込みのある ひかり物に どう ライト あてていくか
メインライトは BOXで 上から
フィルインライトは 右から かな

やっぱ 指に はめたいね みやこちゃん 登場かな
いいね キレイな指だ

さ 撮ってみよう
ピントはマニュアル しっかり合わせてね
テザーで その都度チェックできるから
確認しながら やってみよう


Ph.1 / 2 / 3のセット

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撮影台に表面がマットの白いスチレンボードを置き、そこに手をのせ、俯瞰から撮影。カメラは三脚で固定。前面が乳白アクリルの小型ボックスライトで囲む。


ライト:❶❷broncolor Picolite+Picobox
カメラ:Canon EOS 5D MarkII レンズ:EF50mm F2.5 コンパクトマクロ/1/100秒 f16 ISO100レンズ:EF50mm F2.5 コンパクトマクロ/1/100秒 f16 ISO100


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Ph.1

ライト❶。サイドから小型ボックスライト。

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Ph.2

ライト❶+❷。トップライトを加える。

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Ph.3 完成

左側に銀レフを立て、シャドーを起こして完成。

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Photo:富田辰太郎


「見せ方を変えるだけで
妄想世界のレールは作れるんだよ」

触って 感じて 絡ませる

物と物が 互いにしっくりくる 絶妙な バランス
美と 言われているもの 根源的な 命のバランス

裸婦リング 絡ませている時に
ルソーの最高傑作 「夢」 思い出しちまった

月が 花 樹に 映るにつれて 野生のヘビは って ヤツだ
ジャングルの中 楽器を吹く 黒い人
蠢く ピューマ 美しい 眩い 肢体

女体リングは シルバー カーブは 柔らか
でも 冷たい感触 優しさが ほしい
命あるもの 絡ませたい

植物 ジャングル

シルバーのリングに 艶っぽい ハイライト BOXライトで 映り込ませ
妄想の草花に 桃色 花のぬめりを 紫で アクセントカラー

ルソーが 描きたかったものは 夢の世界
曖昧で 美しい 精神世界の 楽園が
あの 伸びやかにひろがる葉
生き物の 饒舌な会話 頭の中の 豊潤な楽園

たぶん きっと ジャングルの王様 そんな 夢の中

絵画は自由 伸び伸びなのさ 感じたものを 描けばいい
写真は なかなか ね 物体から 離れられない
だからこそ いろいろ やってみるのさ
ひらめきを 具体化する
接写だと 少しだけ 妄想感 入れられるんだよ

想像 膨らませること
部分的に 隠したり 影 作ってみたり 色 かけてみたり

形 全部 見せない 想像させるところ 作る
形は 変えられないけど 見せ方を 変えるだけで
妄想世界のレール 作れるんだよ

まんまるの おっぱい 柔らかな キス ほんわりと 優しい
愛が 頭んなか 泳ぐ

妄想世界 草むらの匂いと 柔らかな髪
手に残った あの感触
また 夢の中で 会えるね きっと
あのとき みたいに


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Ph.4

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Ph.4のセット

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リングを練りゴムで撮影台に立て、その周囲をガーベラの花で囲む。ボックスライトの面光源をメインに、光ファイバーストロボのFibrolite(フィブロライト)、スポットを使用。


ライト:❶ broncolor Picolite+Picobox/❷ ❸broncolor Imapact 21+Fibrolite(製造終了)/❹broncolor Pulso Spot 4+Optical snoot
カメラ:Sinar X+Hasselblad H3D II50 レンズ:Schneider-Kreuznach 47mm f/5.6 APO Digitar/1/125秒 f16半 ISO50


ライティングの組み立て

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斜め手前からのボックスライト❶。光を回し過ぎないようにライトの角度を調整。女性像の頬にガーベラが映り込む。

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左サイドからFibrolite❷で顔を中心とした像上半身に赤紫の色を入れる。

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右サイドからFibrolite❸で手前の花(本来の色は黄色)と像右下側に色を入れる。

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トップからスポットライト❹。エッジライト気味に後方からあてることで、象の輪郭にハイライトを入れて立体感を出す。同時に背景にも光が入り、奥行きが出る。

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4×5ビューカメラ Sinar Xにスライドアダプターで Hasselblad中判カメラバックを装着。レンズはSchneiderの47mmを使用。小さなリングの接写となるため、小型ボックスライトをメインに、スポットで光を加えていく。

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モノブロックストロボ(broncolor Impact21)と専用の光ファイバーアタッチメント(Fibrolite)。ファイバーは2本接続可能。
*Impact21、Fibroliteともに製造終了。定常光撮影ならば小型LEDライトなどで代用可能だろう

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Fibroliteはストロボの瞬間発光を光ファイバーで先端に伝えるアタッチメント。ファイバーなので折り曲げ可能、水中使用もできる。ここでは左右からリングと花に光をあてた。

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高井哲朗 たかい・てつろう


1978年 フリーとして活動開始。1986年高井写真研究所設立。広告写真を中心に活動するかたわら、ゼウスクラブを開催し、写真の可能性を伝導する。


www.kenkyujo.co.jp/
twitter.com/TetsuroTakai(ツイッター)




※この記事はコマーシャル・フォト2022年7月号から転載しています。


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