東京都写真美術館は、「アレック・ソス 部屋についての部屋」展を開催する。
アレック・ソス氏は、国際的な写真家集団、マグナム・フォトの正会員であり、生まれ育ったアメリカ中西部などを題材とした作品で、世界的に高い評価を受けてきた。
本展では、初期を代表するシリーズ〈Sleeping by the Mississippi〉から、今秋刊行予定の最新作〈Advice for Young Artists〉まで、約60点の作品を6つのセクションで紹介する。30年に及ぶソスの歩みを振り返るだけでなく、「部屋」をテーマにソスのこれまでの作品を編み直す。
初期からソスはアメリカ国内を車で旅し、風景や出会った人々を大判カメラで撮影してきた。出品作品シリーズのひとつ〈I Know How Furiously Your Heart is Beating〉ではそうしたロードトリップのスタイルではなく、舞踏家・振付家のアンナ・ハルプリン(1920-2021)や、小説家のハニヤ・ヤナギハラ(1974-)など世界各地にさまざまな人々を訪ね、その人が日々を過ごす部屋の中で、ポートレートや個人的な持ち物を撮影している。
「ポートレートや風景、静物などを定期的に撮影しているが、最も親しみを感じるのは室内の写真だ」と述べるソス氏の作品に登場するさまざまな部屋や、その空間にたたずむ人々に意識を向けることで、果たして何が見えてくるのか、展覧会と写真集共に多くの支持を得る作家の表現の魅力を探る。
作家プロフィール
アレック・ソス Alec Soth
1969年アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス生まれ。現在も同地を拠点に活動。これまでに、『Sleeping by the Mississippi』(Steidl、2004年)、『Niagara』(Steidl、2006年)、『Broken Manual』 (Steidl、2010年)、『Songbook』(MACK、2015年)、『I Know How Furiously Your Heart is Beating』(MACK、2019年)、『A Pound of Pictures』(MACK、2022年)など、数多くの作品集を出版。
「Alec Soth: The Space Between Us」(ジュ・ド・ポーム、パリ、2008年)、「From Here to There: Alec Soth’s America」(ウォーカー・アート・センター、ミネソタ、2010年)、「Gathered Leaves: Photographs by Alec Soth」(メディア・スペース、ロンドン、2015年)など個展も多数。2022年には日本の美術館で初の個展「アレック・ソス Gathered Leaves」(神奈川県立近代美術館 葉山、神奈川)が開催された。2004年に国際的な写真家集団「マグナム・フォト」に参加し、2008年より正会員。2008年から出版や教育活動を行うレーベル「Little Brown Mushroom」を主宰している。
展覧会概要
アレック・ソス 部屋についての部屋
会 期:2024年10月10日(木)~2025年1月19日(日)
会 場:東京都写真美術館 2階展示室
電 話:03-3280-0099
WEB:www.topmuseum.jp
コマーシャル・フォト 2025年1月号
【特集】フォトグラファーたちの これまでとこれから
2024年もそろそろ終盤。フォトグラファーたちが2024年に発表した作品や仕事、取り組みを作品とインタビューとともに掲載。それぞれの写真観や作品制作、仕事についてなどたっぷりと語ってもらった。
ソン・シヨン、𠮷田多麻希、濱田英明、金本凜太朗、服部恭平
FEATURE 01 薄井一議「Showa99 / 昭和99年」
FEATURE 02 金澤正人「KANA Kana Kitty」
【好評連載】
■GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.06
GLAY 30th Anniversary ARENA TOUR 2024-2025 “Back To The Pops” OFFICIAL GOOD
■Create My Book -自分らしいポートフォリオブックを作る
Vol.5 「みくふぉと」 金村美玖
■ニッポンフォトグラファー探訪 Vol.08
長野の森で過ごしながら、日常の視点で撮り続ける 砺波周平
■写真を楽しむスペシャリストたち 中野敬久