天体撮影専用カメラ“OM SYSTEM E-M1 Mark III ASTRO”および“ボディーマウントフィルター”2種が発売

OMデジタルソリューションズは、天体撮影に最適な光学特性を備えた「マイクロフォーサーズシステム規格」準拠のミラーレス一眼カメラ「OM SYSTEM E-M1 Mark III ASTRO」と、2種類の「ボディーマウントフィルター」を2024年7月25日から発売する。

ミラーレス一眼カメラ「E-M1 Mark III」をベースに、天体写真愛好家に人気の高い赤い星雲も色鮮やかに撮影できるようチューニングした天体撮影専用カメラ。また、天体撮影に便利な、街明かりや街灯などの人工光源による光害カット効果を持つ 「BMF-LPC01」、ソフトフィルター効果を持つ「BMF-SE01」をカメラボディー内部(マウント部とイメージセンサーの間)に取り付けることで、さらに幅広い撮影表現が楽しめる。なお、「OM SYSTEM E-M1 Mark III ASTRO ボディーマウントフィルターセット」は受注生産での販売となる。

主な特長

1. Hα線を捉え、肉眼では観察できない赤く美しい散光星雲を鮮やかに高画質で撮影

天体撮影で重要となるHα線の透過率が約100%となるよう、センサー前方に配置されているIRカットフィルターの光学特性を最適にチューニング。そのため一般的なデジタルカメラでは撮影の難しい、Hα線により発光する星雲の美しい形と色を鮮やかに捉えることができる。

2. 星景写真から天体撮影まで、幅広い撮影シーンをカバー

広角から望遠まで、被写体に合わせて選べる多彩な「M.ZUIKO DIGITAL」レンズを組み合わせることで、星空の入った壮大な景色から、特定の星座や遠くの星雲まで、様々な天体を美しく撮影できます。また、市販のマイクロフォーサーズ対応のアダプターを介することで、天体望遠鏡に取り付けての撮影も可能。

3. ハイレゾショット機能のスタッキング処理で、より高画質かつ高精細な撮影が可能

ハイレゾショットは、複数枚撮影で得られた超高密度の画素情報により高画素撮影を実現するOM SYSTEMならではのコンピュテーショナル フォトグラフィ機能。通常は手持ち撮影時に使用する「手持ちハイレゾショット」を、あえてカメラを三脚や赤道儀に固定した状態で使用することで、天体写真でよく使われる「スタッキング処理」をボディー内でワンショットで行うことができる。これにより高精細化に加え、ノイズ低減効果が得られる。

「E-M1 Mark III」に搭載されている「手持ちハイレゾショット」は、撮影中に発生するわずかな位置ずれを利用し、16回撮影した画像をもとに約5,000万画素の高解像写真を生成します。画像合成の際に一枚一枚の画像の位置合わせを行なうため、三脚に固定した状態で「手持ちハイレゾショット」撮影を実行することで、日周運動による星の動きが補正された合成画像が生成される。また、赤道儀使用時においては、追尾誤差で生じる星のずれが補正された合成画像が生成される。

その他の特長

・星空撮影に便利なカメラの設定をカスタムモードC1、C2(モードダイヤル)に搭載
・「E-M1 Mark III」と同様に星空撮影に最適な多彩な機能を搭載
 星にフォーカスを合わせる星空AF
 星の軌跡撮影に最適なライブコンポジット機能
 暗い環境下でも水平出しを容易にするデジタル水準器
 長時間撮影に便利な、USB/PD規格対応デバイスからのUSB給電

関連製品

天体写真撮影に便利な2種類のフィルターを用意。カメラボディー内部(マウント部とイメージセンサーの間)に取り付けるため、レンズを交換しても効果を得ることができる。また、レンズ前面にフィルターを取り付けるのが難しいフィッシュアイレンズや広角レンズでも使用可能。

ボディーマウント光害カットフィルター 「BMF-LPC01」(ボディーマウントフィルターセットに同梱・別売)

光害カットフィルターは街明かりや街灯などの人工光源による光をカット。これにより夜空に色かぶりが生じるのを防いで、星雲や星座の本来の美しさをより鮮やかに写すことができる。また、地平線付近は最も光害の影響を受けやすいため、東の空から昇る星座や、西の空に沈む星座を撮影するときにも効果を発揮する。

対象機種:「E-M1 Mark III」、「OM-1」、「OM-1 Mark II」

ボディーマウントソフトフィルター 「BMF-SE01」(ボディーマウントフィルターセットに同梱・別売)

高い解像力を誇る「M.ZUIKO DIGITAL」レンズは、理想光源である星をきれいな点画像として結像する。 その半面、多くの星が点画像として記録されるため、代表的な星が印象的に見えない場合があるが、ソフトフィルター「BMF-SE01」を使うことで、点光源をにじませて強調する効果が得られ、輝きの強い星ほどにじんで大きく写すことができ、星の色も強調されるため、星や星座を際立たせることができる。

対象機種:「E-M1 Mark III」、「OM-1」、「OM-1 Mark II」

対応マウント:マイクロフォーサーズマウント / 撮像素子:4/3型Live MOS センサー / 有効画素数:約2,037万画素 / 感度:ISO64〜25,600 / 寸法:約134.1×90.9×68.9mm / 質量:580g(CIPA準拠、付属充電池およびメモリーカード含む、アイカップなし)

コマーシャル・フォト 2024年10月号

■特集「令和の時代に、フィルムで写真を撮るということ。」
写真家・石田真澄がフィルムを使い、ハウススタジオやフェリー、海辺で自然体の齋藤飛鳥を11Pにわたって撮り下ろした。また、これまで石田が積み重ねてきた仕事の数々から一部を抜粋して紹介する。

また、中森 真、大野隼男、木村和平、竹中祥平、三部正博という5人のフォトグラファーがフィルムを使って撮影した仕事例、作品を紹介。フィルム撮影に関する考え、使用機材やよく利用する現像所などを伺った。

■連載「撮影を楽しむスペシャリストたち」
写真業界には数多くの撮影ジャンルがあり、それぞれの分野で活躍するスペシャリストたちがいる。この連載では、フォトグラファー中野敬久氏が毎回気になるスペシャリストにインタビューを行ない、その分野ならでは魅力や、撮影への向き合い方を聞くことで、“撮影を楽しむ”ためのヒントを探っていく。今回のゲストは新津保建秀氏。

■連載「GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.03」
GLAY 30年間のクリエイティブを網羅した書籍「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」が好評につき連載化!今回紹介するのは9月18日発売の「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME Blu-ray & DVD」のアートワーク。アートディレクターの吉野晋弥氏、フォトグラファーの岡田祐介・田辺佳子氏に取材した。