
「野町和嘉—人間の大地」が、世田谷美術館にて2025年7月5日(土)〜8月31日(日)まで開催される。
1972年にサハラ砂漠と出会って以降、写真家・野町和嘉氏(1946〜)は、世界各地の、多様で過酷ともいえる風土と、その土地で深い信仰を支えに生きる人々を撮り続けてきた。その写真は世界各国のグラフ誌に掲載され、多くの人に衝撃を与え、話題を呼んだ。
しかし、50年余の長きにわたって同じ土地を繰り返し訪れ、野町が記録してきた光景は、政情悪化と、携帯電話の急速な普及に象徴される世界の平準化によって急速に失われている。今や貴重な「人と大地のドキュメント」といえるだろう。
この「野町和嘉—人間の大地」では代表作を中心に、自らを荒地願望症と称する写真家の足跡を辿る。
野町氏は、1972年、25歳の時にサハラ砂漠を訪れ、大きな転機を迎えた。辺境に関する情報が乏しい時代、出会った旅人と地図を分け合うような行程のなかで、野町は蒼穹の下に開けた地平線と、古来より連綿と続く人々の営みに魅せられていく。
サハラの写真が認められ各国のグラフ誌に掲載されるようになり、野町はさらにエチオピア、チベット、サウジアラビアと、深い信仰が人々の暮らしを形作っている、しかし外部の者が容易には近づくことのできない土地を目指した。
旅を続ける野町の写真には、過酷な風土のなかで暮らす人々の息遣いと生き抜く意志が宿っている。そして、その膨大な作品群は、デジタル・テクノロジーにより「アイロン掛けされた一枚のシーツで覆ったように急速度で画一化されつつある」現在では最早見ることのできない、貴重な人と大地のドキュメントといえるだろう。
「サハラ」、「ナイル」、「エチオピア」、「グレート・リフト・ヴァレー」、「メッカとメディナ」、「チベット」、「アンデス」の7つのテーマで代表作品をご紹介し、野町和嘉の50年にわたる活動の足跡を辿る。



写真家プロフィール
野町和嘉
1946年高知県に生まれる。写真家を志して上京し、杵島隆に師事。71年にフリーの写真家となる。72年サハラ砂漠の旅をきっかけに、アフリカを広く取材し始める。78年写真集『サハラ』を平凡社とイタリアのモンダドーリ社との国際共同出版として5か国で刊行。80年から13か月にわたってナイル流域を取材し、82年には『LIFE』誌の記事により米国報道写真家協会年度賞・銀賞を受賞する。1995年には異教徒の立ち入りが禁じられているイスラームの聖地メッカとメディナを取材する。世紀の変わり目には世界で5社にしか発給されない撮影許可書を入手し、ミレニアム行事のクライマックスを迎えるヴァチカンを撮影。2009年紫綬褒章を受章。
開催概要
展覧会名 野町和嘉―人間の大地
会期:2025年7月5日(土)〜2025年8月31日(日)
会場 世田谷美術館
住所 157-0075 東京都世田谷区砧公園1-2
時間:午前10時~午後6時(入場は午後5時30分まで)
休館日:月曜日
*ただし、7月21日[月・祝]、8月11日[月・祝]は開館。7月22日[火]、8月12日[火]は休館。
観覧料:一般1,400(1,200)円、65歳以上1,200(1,000)円、大高生800(600)円、中小生500(300)円、未就学児は無料
関連イベント
講演会「人間の大地を踏みしめた50年を振り返って」
講師:野町和嘉(写真家)
訪れた世界各地の当時の姿とともに、撮影の際の出来事について語っていただきます。
日時:2025年8月2日(土) 午後3時~午後4時30分
会場:講堂 定員:先着140名 参加費:無料
*当日午後2時より講堂前にて整理券を配布。*手話通訳付き
100円ワークショップ
小さなお子様から大人の方まで、1回100円で楽しめる工作。
日時:7月の毎土曜日、8月の毎金・土曜日 午後1時~午後3時
場所:地下創作室 *予約不要、随時受付

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