【CP+2026レポート】SIGMAブース編

カメラと写真映像の祭典「CP+」の会場で、ひときわ異彩を放っていたのがSIGMAのブース。白布に全面を覆われた空間で、やわらかく拡散した光に包まれたその佇まいは、アートギャラリーのような静謐さを湛えていた。

広報担当の安達氏によれば、アートに造詣の深いデザイン部の力を借り、空間設計にもこだわったとのこと。製品を“並べる”のではなく、作品や思想とともに“体験させる”場づくり。その姿勢が、ブース全体から伝わってくる。

注目は「Sigma 85mm F1.2 DG | Art」

最大のトピックは、2026年2月26日に開発発表されたばかりのSigma 85mm F1.2 DG | Art。

ポートレートレンズの王道ともいえる85mm F1.2というスペックに、Artラインならではの描写性能への期待が高まる。詳細なスペック公開はこれからだが、その存在感はすでに十分。SIGMAの次なる一手として、多くの来場者の関心を集めていた。

同じく新製品のSigma 35mm F1.4 DG II | Art、Sigma 15mm F1.4 DC | Contemporaryの3本が並んでいた。

絞り羽根の“残骸”が示す思想

ブース中央で目を引くのは、天井から吊り下げられた金属のオブジェ。実はレンズの絞り羽根をくり抜いたあとに残る金属片だという。

通常であれば製造工程の裏側に埋もれてしまう存在を、あえて象徴的に提示する。その背景には、SIGMAのコーポレートスローガン「The Art of Engineering. Engineering for Art.」──芸術の域まで技術を高め、技術を芸術に尽くす、という思想がある。

緻密な加工技術の積み重ねが、美しいボケや光の表情を生む。その“見えない工程”までも可視化することで、ものづくりそのものをアートとして提示しているのだ。

ロードマップと、その先へ

ブースでは、今後のレンズおよびカメラのロードマップも公開。具体的な製品名に来場者が足を止め、スタッフとの対話が生まれる光景が印象的だった。単なる製品発表ではなく、ブランドの未来像を共有する場として機能していた。

写真集を“手に取る”体験

さらに注目したいのが、例年写真ファンが集う、SIGMA本社の蔵書コーナーに収められている写真集コレクションの展示。誰でも自由に閲覧できるようになっており、SIGMAが写真文化そのものを支援している姿勢がうかがえる。

中でも公開されていたのが、Sigma Foundationにより制作された写真集2冊。オンラインショップ限定販売だったため、実物を手に取れる貴重な機会となった。

Sigma Foundationは、SIGMA代表・山木和人氏によって設立された一般財団法人。現代写真を芸術表現として支援・推進することを目的とし、設立初のプロジェクトとして、世界的写真家であるSølve Sundsbø氏『HANATABA』(左)とJulia Hetta氏『SONGEN』(右)の写真集を制作した。

製品だけでなく、写真文化そのものを支えるという思想。技術と芸術、その両輪を掲げるSIGMAの現在地が、静かに、しかし強く提示されたブースだった。

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