代官山で開催中の HIRO KIMURA 写真展 「HERO 3 」レポート!

東京・代官山ヒルサイドフォーラムにてHIRO KIMURA による写真展「HERO 3」が7月27日(日)まで開催中だ。
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本展は、HIRO KIMURAが数年にわたり撮影してきた現代を代表する日本人男性のモノクロポートレイトから、88名を厳選し再構成したシリーズ第3弾。「HERO 1」「HERO 2」「HEROES」に続くベスト版とも言える再編集によるスペシャルエディション展示だ。

この記事では、その写真展の様子を一部ご紹介する。

写真展会場は、代官山駅から徒歩3分ほどの場所にある代官山ヒルサイドフォーラム。

会期3日目、午前10時の開場に合わせて訪れると(実際には10時をちょっぴり過ぎていた)、会場内ではすでに来場者たちがじっくりと作品に向き合っていた。

展示空間に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは壁一面に整然と並ぶモノクロポートレイト群。

88名の“超一流の男たち”──俳優、ミュージシャン、政治家、アスリート、文化人などといった各界の顔とも言える存在が、サイズと構図の緩急をもって迫ってくる。

すべてがモノクロで統一されているにもかかわらず、構図、まなざし、表情などの違いによって1枚1枚が鮮烈な個性を放つ。また、1点ずつ(1名ずつ)と向き合う心地よいリズムを作っている。

階段を上った先にはさらに作品が続く。

中にはクローズアップでとらえられた顔の表情に深く切り込んだ作品群もある。等身大を超える迫力で迫ってくるその肖像たちは、ポーズも衣装も最小限に抑えられていながら、「誰か」ではなく「人間」としての強さ、迫力、色気を浮かび上がらせる。

均一なサイズと整った並びが空間に落ち着きを与える一方、作品そのものの持つ個性やムードが静かに滲み出している。

表情は笑顔、憂い、覚悟、柔らかさと多彩。

画面構成の密度やモノクロだからこそ引き立つ“人間味”が際立ち、鑑賞者は1点ずつ、丁寧に向き合う時間を持つことができる。

展示の最後に現れる吹き抜けの空間では、大型プリントのみで構成された圧巻のセクションが待ち受けていた。高い天井と広い壁面に余白をたっぷりと取ることで、各作品の存在感が一層強調されている。

見下ろす視点と見上げる視点の両方が交差する構造になっており、まるで劇場のステージに立つ人物を客席から見上げるような感覚さえ覚える。

モノクロの静けさとスケールの大きさ、そしてポートレイトの凄みが交差する、展示全体のクライマックスとも言える空間だった。

受付スペースには過去開催された「HERO」展のポスターが並ぶ。

また、会場の一角には、2021年6月に開催された「HERO 1」を特集した『コマーシャル・フォト』2021年6月号も。

会場では、展示作品を収録した図録も販売されている。
表紙はグロスとマットの2種類から選ぶことができ、価格は4,000円(写真はマットバージョン)。

展示会場で見る写真とはまた違った魅力を感じられる見応えのある1冊。売上は日本赤十字社を通じて、「令和6年能登半島地震災害義援金」として寄付される仕組みだ。

HIRO KIMURAのモノクロポートレイトの醍醐味を体感できる濃密な展示は、7月27日(日)まで。ぜひ現地で、その空気感を味わってほしい。

開催概要
「HERO3」

東京会期:2025年7月22日(火)〜27日(日) ※6日間
開館時間: 10:00〜20:00 ※7/22(火)のみ 10:00〜17:00
入場料:無料
本展特典:図録(パンフレット)販売
※図録は期間中、会場でのみ販売
※収益は日本赤十字社へ能登半島地震災害義援金へ寄付
会場:代官山ヒルサイドフォーラム 代官山駅から徒歩3分

第3回目出演者88名 ※五十音順
秋元康 浅野忠信 阿部寛 綾野剛 鮎川誠 石原慎太郎 市村正親 イチロー イッセー尾形 井上尚弥 今市隆二 岩城滉一 岩田剛典 宇崎竜童 内田裕也 大泉洋 大杉漣 奥田瑛二 ØMI 片岡愛之助 片山勇 加山雄三 唐沢寿明 岸谷五朗 吉川晃司 窪塚洋介 隈研吾 桑田佳祐 斎藤工 斉藤ノヴ 堺正章 堺雅人 さだまさし 佐藤浩市 佐藤健 佐野史郎 椎名桔平 柴田恭兵 陣内孝則 鈴木敏夫 菅田将暉 関根勤 高橋克典 高橋幸宏 竹内涼真 舘ひろし 玉木宏 チバユウスケ Char 堤真一 妻夫木聡 ディーン・フジオカ テリー伊藤 堂安律 トータス松本 中井貴一 中尾彬 永瀬正敏 長渕剛 仲村トオル 西島秀俊 西野亮廣 野村萬斎 萩本欽一 長谷川博己 羽生結弦 福士蒼汰 福藤豊 藤原竜也 別所哲也 細川護煕 松井一郎 松方弘樹 松坂桃李 松本幸四郎 三浦友和 三浦春馬 MIYAVI 役所広司 矢沢永吉 山田孝之 山田洋次 吉沢亮 吉田鋼太郎 吉村洋文 ルー大柴 渡辺謙 渡部篤郎

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