アマナに所属するフォトグラファー大野咲子氏が、初の写真集「家族のあとさき」の出版を記念して、写真展とトークイベントを開催する。
写真集「家族のあとさき」は大野氏が三年間にわたる不妊治療の日々を記録したもので、家族の多様性や変化をテーマにしている。
写真集出版記念「ここだけの話はこれでおしまい展」は、不妊治療というテーマを自然に語り、共有するための試み。治療中のセルフポートレート、家の中の光景、外で働く自分、そして視覚体験に基づくスナップなど、多様な視点でセレクトされた43点の作品群は、特別に作られたフレームに額装され、作者の視覚体験を追体験できるよう構成されている。
6月2日に開催されるトークイベント「体験から写真集を作り出すこと」では本作品の編集者で赤々舎・PURPLE代表の姫野希美氏と、装丁を手掛けたグラフィックデザイナー鈴木千佳子氏の二人を対談に迎え、不妊治療という作者個人の体験から作品を作り出すこと、その過程で見えてくる関係性についてをテーマに語る。
9日は「写真集と自己治癒」をテーマに心理臨床家の皆藤章氏をゲストに迎える。作品の制作過程から大野氏と対話を重ねる中で、作品制作を「自己治癒」と捉える皆藤氏の視点について語る予定だ。
・出演者プロフィール
大野 咲子(おおの・さきこ)
1980年茨城県生まれ。2004年東京造形大学デザイン学科、
2006年東京ビジュアルアーツ写真学科卒業後、アマナ入社。本作が初の写真集となる。
https://www.amana-visual.jp/photographers/sakiko-ono
姫野 希美(ひめの・きみ)
2006 年に赤々舎を設立。写真集、美術書を中心に250冊余りの書籍を刊行。第33回木村伊兵衛写真賞の志賀理江子『CANARY』、岡田敦『I am』、第34回同賞の 浅田政志『浅田家』、第35回同賞の高木こずえ『MID』『GROUND』、第38回同賞の百々新『対岸』、第40回同賞の石川竜一『絶景のポリフォニー』『okinawan portraits 2010-2012』、第43 回同賞の藤岡亜弥『川はゆく』などがある。2018年より大阪芸術大学教授。
鈴木 千佳子(すずき・ちかこ)
1983年生まれ。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒。文平銀座を経て2015年に独立。装丁をはじめ、デザインの仕事に携わる。近年の装丁に、『信仰』村田 沙耶香(文藝春秋)、『とんこつQ&A』今村夏子(講談社)、『あかるい花束』岡本真帆(ナナロク社)、『おくれ毛で風を切れ』古賀及子(素粒社)、『茶柱の立つところ』小林聡美(文藝春秋)など。
皆藤 章(かいとう・あきら)
心理臨床家。福井県生まれ。京都大学工学部に入学するが、三回生のときに教育学部に転じ、河合隼雄教授のもとで臨床心理学を学ぶ。京都大学大学院を終えた後、大阪市立大学助教授、甲南大学助教授を経て、1999年より京都大学大学院教育学研究科助教授、2008年より教授。2018年3月、京都大学大学院教育学研究科教授を早期退職。2018年4月~12月まで、ハーバード大学Medical School客員教授としてアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンにて研究活動に従事。2019年4月より奈良県立医科大学 医師・患者関係学講座 特任教授。京都大学名誉教授。日本臨床心理士資格認定協会常任理事 日本糖尿病医療学学会理事、日本糖尿病教育・看護学会評議員。文学博士、臨床心理士。専門は心理臨床学、糖尿病医療学、医療人類学、臨床実践指導学。
展覧会概要
ここだけの話はこれでおしまい展
会期:2024年5月29日(水)~6月10日(月)
時間:12:00-21:00
場所:twililight (東京都世田谷区太子堂4-28-10)
URL: https://twililight.com/
トークイベント
日時:2024年6月2日(日)10時30~12時「体験から写真集を作り出すこと」
6月9日(日)10時30~12時「写真集と自己治癒」
場所:twililight (東京都世田谷区太子堂4-28-10)
ゲスト:姫野希美氏(赤々舎・PURPLE代表)、鈴木千佳子氏(グラフィックデザイナー)
皆藤章(心理臨床家)
予約詳細 https://ignitiongallery.tumblr.com
https://purple-purple.com/book/kazokunoatosaki_oonosakiko/
コマーシャル・フォト 2024年10月号
■特集「令和の時代に、フィルムで写真を撮るということ。」
写真家・石田真澄がフィルムを使い、ハウススタジオやフェリー、海辺で自然体の齋藤飛鳥を11Pにわたって撮り下ろした。また、これまで石田が積み重ねてきた仕事の数々から一部を抜粋して紹介する。
また、中森 真、大野隼男、木村和平、竹中祥平、三部正博という5人のフォトグラファーがフィルムを使って撮影した仕事例、作品を紹介。フィルム撮影に関する考え、使用機材やよく利用する現像所などを伺った。
■連載「撮影を楽しむスペシャリストたち」
写真業界には数多くの撮影ジャンルがあり、それぞれの分野で活躍するスペシャリストたちがいる。この連載では、フォトグラファー中野敬久氏が毎回気になるスペシャリストにインタビューを行ない、その分野ならでは魅力や、撮影への向き合い方を聞くことで、“撮影を楽しむ”ためのヒントを探っていく。今回のゲストは新津保建秀氏。
■連載「GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.03」
GLAY 30年間のクリエイティブを網羅した書籍「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」が好評につき連載化!今回紹介するのは9月18日発売の「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME Blu-ray & DVD」のアートワーク。アートディレクターの吉野晋弥氏、フォトグラファーの岡田祐介・田辺佳子氏に取材した。