個人の記憶をテーマにした、公募写真と現代美術とのコラボレーション展「親密な風景を拾う」が明石市立文化博物館にて開催!

小学館集英社プロダクションが指定管理者として運営している明石市立文化博物館にて、2024年度写真公募展×招聘作家「親密な風景を拾う」が開催される。

明石市立文化博物館では、毎年、テーマを変えて、明石の風景や季節の風物詩を題材とした写真公募展を行い、今一度地域の魅力や日常について考える機会を提供している。
今年度は、個人が残したいと思うモノやコト、場所、他者と共有したい記憶や体験を記録した写真を募集するとともに、モノに宿る記憶をテーマに制作する二人の現代美術作家を紹介する。

伊達伸明〈桃林堂ウクレレ〉2020年/愛知県江南市

既成概念にとらわれず、新たなものの見方を提示する現代美術作家のアプローチは、鑑賞者の想像力を刺激し、異なる価値観や分野との出会いにつながる契機と明石市立文化博物館は考える。
取り壊される建物の廃材の一部を用いてウクレレを作り、元の持ち主に手渡していく「建築物ウクレレ化保存計画」の活動を2000年から継続する伊達伸明氏。通常はゴミとして捨てられる「いらない服」を出会った人々から譲り受け、持ち主とその服との思いや記憶を服に綴る山村祥子氏。人とモノとの関係や取るに足りない個人の記憶や思い出は、目まぐるしく移り変わる現代の消費社会の中で、いつの日か失われていくもの。そうした流れに抗うかのように、あえて時間をかけてそれらをパブリックにひらく二人の実践は、他者へと共感を広げ、芸術表現の力となって、見るものに新たな景色を見せてくれるだろう。

山村祥子〈いらない服に別れを – adieux aux vêtements inutiles -〉2020年 インスタレーション ©麥生田兵吾

■作家プロフィール
伊達伸明 DATE Nobuaki

1964年生まれ。京都市立芸術大学美術学部大学院工芸科修了。取り壊される建物をウクレレにして保存する「建築物ウクレレ化保存計画」のほか、立版古による建築記憶の伝承、各地で地域資源再発掘型の展覧会の企画監修活動に関わる。
[活動・展覧会(共同出品含む)]
亜炭香古学(2012〜2015/せんだいメディアテーク)、アートと考古学(2016/京都文化博物館)、とりのゆめ(2017/神戸アートビレッジセンター)、しらべの細道シリーズ(2017~2020/東北リサーチとアートセンター)、ミカエルさん(2019~2020/崇仁小学校)、お線香の歩き方(2021/甲賀市信楽町)、「自治とバケツと、サイカチの実」(2022~2024せんだいメディアテーク)など。

山村祥子 YAMAMURA Shoko
1984年生まれ。兵庫県在住。アメリカで現代美術を学ぶ。主に都市の消費者生活に焦点を当て、周囲の環境(もの・こと・ひと)に関して自他のコミュニケーションの在り方や他に向かう態度を問いかけ、提案することを大きなテーマとしている。
[展覧会]
2024年:「Cultural Kaleidoscope」MOM Art Space,ドイツ、2023年:「CAP LAB ROKKO:マウン展」六甲ミーツ・アート芸術散歩2023, 神⼾、2022年: 個展「いらない服に別れを (2020-2022) 」KOBE STUDIO Y3ギャラリー, 神⼾、⼩川美陽&⼭村祥⼦ ⼆⼈展「ROOM01」NU茶屋町 8F window gallery, ⼤阪、「はならぁと2021」天理, 奈良

【出展写真の一部】

「明石海峡大橋展望」長谷川平蔵
「充実したステイホーム期間」motherofthree
「年末のアトリエ、凄腕の相棒たち」K.N

展覧会概要
「親密な風景を拾う」

会期:2024年12月13日(金)~2024年12月22日(日)
時間:9:30-17:30(入館は17:00まで)
会期中休館日:12月16日(月)
会場:明石市立文化博物館
観覧料:入場無料 
招聘作家:伊達伸明、山村祥子
出展写真:一般から募集した他者と共有したい個人の記憶や体験を記録した写真 80組129点