博報堂プロダクツ社内ロビーにて、色覚多様性をテーマにした写真作品「 光と感覚 」が開催中だ。
カラフルに彩られたフィルムをグラフィカルに切り取ったスティルライフ作品なのだが、光によって生まれる「色」の美しさにハッとさせられ時間を忘れて眺めていられる心地良い作品だ。
テーマは「光と感覚」。色の多様性を追い求めた写真作品だ。
制作したのは、MDビジネス事業本部 プロダクトデザインチーム プロダクトデザイナー クリエイティブディレクター 内田成威氏とフォトクリエイティブ事業本部 drop フォトグラファー平田正和氏のコンビ。
内田氏は以前から「色」に関して疑問をもっていたそうだ。
というのも、内田氏は日本に約320万人いるとされている「色覚特性」の目を持っており、下記のように語っている。
私自身が 色覚特性※ の目を持つデザイナー・クリエイターという背景があり、色に関して昔から疑問を持っていました。例えば、私には緑の葉は茶色に見えますし、紫は深い青に見えたりします。一般色覚の方とは違った色世界で生きています。人の感覚や色覚によって色の見え方は違うよね?そもそも色って何だろう?ということを考え続けています。
(博報堂プロダクツ公式 note から抜粋)
そんな想いをクリエイティブ力を通して形にしたのが本作。
偏光板と偏光フィルターを通して無色透明なフィルムを撮影することで、さまざまな色が現れる様を撮影した。
撮影枚数はなんと600枚以上! 展示では、その中から厳選した10枚を発表した。
内田氏は「普段あたりまえに見ている「色」について面白いと感じてもらえたり、色の見え方について何かのきっかけになったりするとうれしいです」と話す。
今回の展覧会は8月30日まで報道関係者限定で開催されている。一般に向けての公開はまだ先になりそうだが博報堂プロダクツ公式 noteと併せて、公式Youtubeチャンネルでは、作品の制作プロセスや撮影シーンなどを配信していく(8月22日公開予定)。
内田 & 平田コンビが手掛ける作品の次なる展開が楽しみだ。
丸い形の偏光板越しにライトテーブルの上に設置したフィルムを見ると、無色透明なはずのフィルムに色が生まれる。偏光板の角度によって、次々と色が変化するのがわかる。
※色覚特性(色覚多様性)とは、色の識別に特性を持つ人がいて、それぞれの見え方による多様性のことをいいます。色覚特性にはいくつかのタイプがあり個人差があります。一般色覚と呼ばれる方は、日本男性の約95%、女性の99%を占めており錐体細胞(赤・緑・青を見分けるためのセンサーのような細胞)が3種揃っています。色覚特性の方は、3種類の錐体細胞のうち1つから2つ、またはすべての錐体が弱い、または無いという特性があります。こういった色覚特性の方が日本全体で320万人いるとされています。
博報堂プロダクツ公式 note から抜粋
作家プロフィール
博報堂プロダクツ MDビジネス事業本部 プロダクトデザインチーム
プロダクトデザイナー/クリエイティブディレクター
内田成威(うちだ・しげたけ)
クライアント商品の企画・開発やフォルムのデザイン、キャンペーングッズなど幅広いプロダクト領域におけるデザインを多数手掛けるプロダクトデザイナー。色覚特性の目を持ち、自身の見え方や感性を通じ、色覚多様性やインクルーシブデザインをテーマにした作品制作も手掛けている。
https://productdesign-atelier.jp/
博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ事業本部
drop フォトグラファー
平田正和(ひらた・まさかず)
商品の魅力を捉え、最大限に引き出すフォトグラファー。シズル感あふれる写真や映像による視覚表現を駆使し、独自の感性と技術で見る者を魅了する広告作品を多数手掛けている。商品のストーリーを語り、視覚的なインパクトも与えるクリエイティブなアプローチで、常に新たな価値を創造する。
https://photocreative.jp/photographer/masakazu_hirata/profile/
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ソン・シヨン、𠮷田多麻希、濱田英明、金本凜太朗、服部恭平
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