Blackmagic Design | DaVinci Resolve 18
Special Interview
岩井俊二 (映画監督)
田中裕治 (VFXクリエイター)

Interview
田中裕治 VFXクリエイター
岩井俊二 映画監督
可能性を広げる Fusion

FILM
『キリエのうた』
上映中(一部劇場のみ)
唯一無二の世界観で魅了しつづける映画監督・岩井俊二。今年解散したBiSHからアイナ・ジ・エンドを主演に迎えて描いた最新作『キリエのうた』は、音楽性豊かで色鮮やかな、救済の物語だった。本作にVFXクリエイターとして参加し、画面作りを支えた田中裕治氏も交えて、岩井監督の作品づくりについて聞いた。
——映画の企画のはじまりについて。
岩井 映画『ラストレター』に登場する「未咲」という小説のエピソードを音楽映画にしようと思ったことがきっかけでした。先に小説を書いてからシナリオに落としていくのが通常のプロセスで、思い浮かんだいくつかの物語やシーンを組み合わせています。
——今回使用したカメラは何でしたか。
岩井 いろいろな種類のカメラを使用しています。シネマカメラから、ポケットカメラまで。
——カラーグレーディングの段階での色づくりでこだわった点はありますか?
岩井 あまり色をさわると顔が壊れてしまうので、そこはナチュラルに仕上げて、「ビビッドな色だな」と錯覚をしてもらうような仕掛けをしています。
——作品ではDaVinci Resolveをどのように使用されましたか?
岩井 主にはカラーグレーディングですが、いわゆるバレ消しにも随分使わせていただきました。カメラマンの映り込みだとか。大阪のシーンであべのハルカスが映っていたんですが、この物語の時代にはあるはずのないものだったので、田中さんにFusionで消してもらいましたよね。
新宿南口の路上ライブは人通りが少ない時間に撮影したので、別撮りした人物を合成しました。撮影当時はコロナ禍でしたが、いつか過ぎ去ることを願って劇中ではマスクのない世界線で描いてました。なので遠方の通行人のマスクなんかも消す必要がありました。
田中 キリエの妊娠シーンでもDaVinci ResolveのFusionページを使っています。いかに自然に違和感なく、CGが目立ちすぎないようにするかに時間をかけました。
——ソフトウェアが映像の修正にもすごく大活躍したということですね。
岩井 そうですね、昔ならできなかったことができるようになるのは、創作の可能性が広がります。DaVinch Resolve は一昨年に MVで使ったのが最初で。まだ慣れてはいないので勉強中です。
——作品づくりにおいてこだわる点を教えてください。
岩井 物語はとにかくパズルを解いていくみたいな感じです。それがどういう結果になっていくかは、自分でもわかりませんし、そのまま今回みたいに次の作品に繋がることもある。それは実際にやってみないとわからないんです。


原作・脚本・監督=岩井俊二『キリエのうた』(文春文庫刊) 音楽=小林武史
撮影=神戸千木
企画+Pr=紀伊宗之
製作プロダクション=ロックウェルアイズ
配給:東映
※この記事はコマーシャル・フォト2024年2月号から転載しています。


PART1では、上村窓、ヨシダキヅク、小見山峻、佐野円香の4名が、それぞれの作品を通して“新時代の自然光ライティング”を解説。PART2では中野敬久が俳優 宮﨑優を撮り下ろし、自然光撮影の実践テクニックを紹介します。自然光のメリット・デメリットを理解し、ポートレイト撮影の幅を広げたいフォトグラファーに向けた保存版特集。
【FEATURE】
柿本ケンサク × 志尊淳 志尊淳アニバーサリー写真集『final』
12月に発売された志尊淳アニバーサリー写真集「final」。撮影を担当した映画監督・映像作家として活躍する柿本ケンサクと、俳優・志尊淳による対談企画。写真集『final』の撮影背景、テーマ設定、ビジュアルづくりの裏側を語り合う。2人だからこそ語れる、創作への向き合い方や撮影現場の空気感が詰まったインタビュー。
【Special Topic】
乃紫 「プラチナ・キス」のMV撮影に密着
乃紫Collaboration project with Canon EOS C50
【好評連載】
写真を楽しむスペシャリストたち 中野敬久 Vol.10 徳野佑樹が語る“嘘じゃない広告”の作り方
長山一樹流 違いを生み出すコマーシャル・ポートレイト 第10回 表紙のポートレイト
SHOW CASE #34 厚山善信
Create My Book -自分らしいポートフォリオブック- Vol.16 「LIVE撮影に挑む」 金村美玖
Blackmagic URSA Cine 12K LF/Blackmagic URSA Cine 17K 65 Special Interview 板垣大人(シネマトグラファー)
GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.18 63rd single Dead Or Alive
ゼウスのスチルライフマジック 高井哲朗 vol.57 無色透明なグラスと氷をカラフルに染める
フォトグラファー生存戦略 vol.33 System of Culture×黒田明臣 「前後の時間や画面の外を想像できるのが写真の魅力」
ほか