RF24-105mm F2.8 L IS USM Z × 酒井洋一
キヤノン EOS Rシステムの中核として開発された「RFレンズシリーズ」。
大口径マウント、ショートバックフォーカス、12点の電子接点などが特徴で、そのポテンシャルを活かす、ラインナップが続々と発売されている。
そんな「RFレンズシリーズ」の中から、今回は「RF24-105mm F2.8 L IS USM Z」を使用して、ウエディングムービー撮影を行なった酒井洋一氏に、その魅力を語ってもらった。
使用したカメラはCanon EOS R5 C。同じF2.8通しのズームレンズ「RF24-70mm F2.8 L IS USM」よりも30mmほど焦点距離が長いことで、新婦との絶妙な距離感を保ちながら撮影ができる。まつ毛や指先、唇の寄りなども印象的に切り取った。
INTERVIEW 酒井洋一
いつもなら悩むような環境でも
RECボタンを押す後押しをしてくれるレンズ
─まずは実際に撮影されてみていかがでしたか?
酒井 24-105mmで「F2.8」というスペックは、個人的に10年以上待ち望んでいたレンズ。とはいえ、2023年末のタイミングでリリースされるとは正直予想していなかったので嬉しいですね。使う前は少し大きい、重いかも…と思っていたのですが、実際手にしてみると三脚座がついているので、三脚にセットする時はもちろん、手持ちでもハンドリングしやすく、思ったより重量を感じませんでした。
─RF24-105mm F4 L IS USMから変わった部分で言うと、やはりF2.8という設定です。
酒井 正直に言うと、「あまり画が変わらなかったらどうしよう。」とも思っていました(笑)。ですが、実際には大きく印象が変わったことを実感しています。
F4のレンズだとあまりボケないちょっと広めの焦点距離でも、背景が結構ボケてくれるので、F4のレンズの時には撮らなかった画角でも積極的に撮影できるようになりました。メイクルームなどでは、背景にあまり映したくないものが置いてあったりすることもあります。普段だと、単焦点に付け替えて撮影していたところが、このレンズを付けていることでRECボタンを押す後押しをしてくれるんです。「ウエディングの撮影はこれ1本でできる」と言えるようになるかもしれませんね。
─RF24-105mm F2.8 L IS USM Zの画質面はいかがでしょうか。
酒井 今回、誌面用にLogで撮影したものを4Kで切り出しているのですが、高精細なのはもちろんのこと人肌の再現性がとても良かったです。僕自身が一番力を入れたいのは、自然光があたっている場面でどういう表現ができるか、という部分。作例では、新婦の顔半分に光があたるような、少し暗い場所であえてメイクをしてもらい、F2.8の明るさを活かして撮影を試みました。結果として、出てきた画の肌の質感もすごくよかったです。また、絞り羽根が11枚になったことにより綺麗な円形のボケが得られることも大きなメリットです。普段のウエディングの現場では撮って出しや事前に用意したLUTを当てることが多いので、元の画質がより高画質だとありがたいですね。
─ウエディング撮影以外で、撮影してみたいというものはありますか?
酒井 私も含めて、聞こえてくるのはライブでの映像撮影ですね。今後、パワーズームアダプターも発売予定とのことなので、RF24-105mm F2.8 L IS USM Zと組み合わせると、すごく力を発揮するんじゃないかと思っています。
酒井洋一(さかい・よういち)
(株)HIGHLAND代表
神田外語大学英米語学科を卒業後ハリウッドに渡りLos Angeles City College 映画学科を卒業。2006年SEP入社、2009年「HIGHLAND」を設立。ウエディング撮影を中心に活動を開始。近年では8/16mmフィルムでの映像制作にも力を入れる。
Pick Up Lens
RF24-105mm F2.8 L IS USM Z
対応マウント:RFマウント
焦点距離:24mm-105mm
明るさ:f2.8
レンズ構成:18群23枚
最大撮影倍率:0.08倍(24mm時) 、0.29倍(105mm時)
最短撮影距離:0.45m(24mm~105mm時)
寸法:約φ88.5mm×199mm
質量:約1330g(三脚座を除く)
詳細:https://cweb.canon.jp/eos/rf/lineup/rf24-105-f28lz/