RF10-20mm F4 L IS STM × 鈴木健太
キヤノン EOS Rシステムの中核として開発された「RFレンズシリーズ」。大口径マウント、ショートバックフォーカス、12点の電子接点などが特徴で、そのポテンシャルを活かす、ラインナップが続々と発売されている。そんな「RFレンズシリーズ」の中から今回は「RF10-20mm F4 L IS STM」を使用し、ライブ写真を撮影した鈴木健太氏に、その魅力を語ってもらった。
INTERVIEW 鈴木健太
ファインダーを覗いた瞬間に生まれる
「今まで見えていなかったが見えた」感覚
──今回はライブハウスとホール、広さの異なる2つの会場で、ライブを撮影していただきました。
鈴木 いつもはRF14-35mm F4 L IS USMで撮ることが多かったのですが、「もう少しだけ広さが欲しい」と思う瞬間もありました。今回、RF10-20mm F4 L IS STMを使って撮影してみて、絵柄の周辺まで光が落ちず、ライブの様子をフラットに撮影できるのがポイントだなと思いました。
──最大で10mmまで収めることができるメリットは?
鈴木 ファインダーを覗いた時に、普段だと入らない要素が入ってくる感じがあり、今まで見えていなかったものが見えた感覚があります。特に広い会場では、サイドにある照明の光をここまで拾ってくれるのかと驚きましたね(1枚目)。あと、複数人グループのライブの際には、ステージいっぱいまで広がる演出も多いのですが、そこをしっかり収めることができました。
──写真を確認していかがでしたか?
鈴木 ステージ上のメンバーとサイリウムを振る観客を写し込んだカット(3枚目)ですが、歪まずにこの画が撮れるのはうれしいですね。狙い通り、臨場感があふれるカットになったと思います。
──ライブ現場では本当に様々な光がミックスされますよね。
鈴木 ステージからの光が逆光気味に入ってきて起こるハレーションからいい写真が生まれることも多いので、会場ではどこにライトがあるか、どこから光が差すか、その会場ならではの光をどうかいくぐって撮れるかを意識しています。RF10-20mm F4 L IS STMは、レンズ前面が丸いからか、ハレーションが丸みを持って残ってくれるのも綺麗だなと思います。
──会場では一脚を使用し、高い視点からの撮影も行ないました。
鈴木 EOS R6 Mark IIとの組み合わせもあり、動き回りながら撮影する中でも、ブレを気にすることなく撮影に臨めました。また、サイリウムを振る躍動感を出すためにシャッタースピードを1/30秒と、遅めに設定しました。そういう時にも、普段より手振れを意識せずにいられたのもありがたかったです。
──今回はライブ中に12,000枚以上、撮影されたそうですね。
鈴木 レンズがかなり軽かったので、カメラを持ち上げたり、高い視点から撮ることも、サイズ自体も小さいので客席の中に入っていって、サイリウムとサイリウムの間から撮影するのも苦ではなかったです。
鈴木健太(スズキケンタ)
1980年福島県郡山市生まれ。フォトグラファーの父の影響のもと写真を始める。専門学校、スタジオ勤務を経て、2002年フリーランスとして活動開始。2016年KENTA Inc.設立。
RF10-20mm F4 L IS STM
対応マウント:RFマウント
焦点距離:10mm-20mm
明るさ:f4
レンズ構成:12群16枚
最大撮影倍率:0.12倍(20mm時)
寸法:約φ83.7mm×112mm
質量:約570g
詳細:cweb.canon.jp/eos/rf/lineup/rf10-20-f4l/