Blackmagic Design Special Interview

Blackmagic Design | URSA Mini Pro 4.6K G2|
松宮まなぶシネマトグラファー
三浦 徹カラリスト






表現したい絵を的確にカメラワークに落とし込むシネマトグラファー松宮まなぶと、デジタルプロダクションのノウハウを作品に昇華させる三浦 徹。韓国で話題を呼んだドラマ「BLUE BIRTHDAY」の日本リメイク版は2人のタッグによってどのように生み出されたのだろうか。

「BLUE BIRTHDAY ブルーバースデー」
Interview 松宮まなぶシネマトグラファー
三浦 徹カラリスト

©PLAYLIST / エイベックス・ピクチャーズ / カンテレ
原作 「BLUE BIRTHDAY」 制作= エイベックス・ピクチャーズ+カンテレ
制作プロダクション=スタジオブルー 脚本=山岡潤平・伊澤理絵 
監督=御法川修・高橋雄弥・藤江儀全 Ex-Pr=西山剛史・中畠義之 
G-Pr=内部健太郎・佐藤一弘 企画-Pr=吉池ゆづる 
Pr=金 彩媛・宮田幸太郎・瀬島翔 P=松宮まなぶ TC=三浦徹 
公式サイト

RAWが可能にする品質と表現の極致

監督からはどのような要望が?

松宮 20代の女性が高校時代にタイムリープする物語として、過去はアンバー、現在はブルーのトーンにしたいという話がありました。ブルーもネガティヴではなく、自立した女性が引き立つような色に。そこで私たちは、原作とは違ったトーンをフィルターワークとDaVinci Resolveで生み出すことにしました。

三浦 ワントーンのセピアで過去を表現することは多いですが「半分過去で、半分現在」みたいな表現が面白いんじゃないかと思いました。

松宮 徐々に世界が変わってゆくタイムリープを表現するためにフィルターワークでアナログ的に撮影しています。三浦さんにDaVinci Resolveのリモートバージョンという機能を使って、過去のカットのグレーディングを再現してもらったシーンもあります。

三浦 1話分を1日で仕上げるというスケジュールでしたが、そんな時もリモートバージョンのおかげで200もあったカットを処理できましたね。

日本版は韓国オリジナルと比べて屋内のシーンが多いですね。

松宮 撮影の条件が天候に左右されにくい場所を極力選びました。Rawで撮影すればDaVinci Resolveであとから調整できますので、曇天でもライティングで補えば晴れているのと遜色がありません。DaVinci ResolveとBlackmagicのカメラがあれば、タイトなスケジュールと予算の中でも可能になります。

普段からBlackmagicのカメラやDaVinci Resolveは使っていますか?

三浦 はい。CMなどでも使っています。URSA Mini Pro G2がGen 5 Color Scienceに対応してからは、グレーディングがしやすくなりました。

松宮 諧調が滑らかになりましたよね。僕が最初にURSA Miniを使ったのはドキュメンタリーの撮影でした。インタビューをしっかり撮りかったので、シネスコのレンズを使えるカメラを探したらほぼURSA Miniだけで。マウントの交換も4.6Kでの撮影も可能になりました。

三浦 DaVinci Resolveのトラッキングは優秀で、動く被写体もほぼオート処理できるので助かりました。ノイズ処理も抜群で、感度をあげてザラザラになったところもクリーンになるんです。

お2人が作ってみたい作品は?

三浦 35mmのフィルムで撮った質感の作品を仕上げたいですね。

松宮 僕もそうですね。フィルムの粒子感をDaVinci Resolveで足してあげたりは今もよくやっています。

※この記事はコマーシャル・フォト2023年8月号から転載しています。