Blackmagic Design Special Interview

Blackmagic Design | DaVinci Resolve 18
園田俊郎(ディレクター)

2023年2月22日

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ミイナ・オカベが歌う珠玉のアーバン・グルーヴに乗せて、恋人たちの物語が色鮮やかにフラッシュバックしてゆく。
このドラマチックなMVを手がけたのは、数多くの映像作品で受賞歴を持つディレクター園田俊郎。
スタジオ内に再現された「夜の横浜」に、静かに雪が降る…。彼が大切にする「瞳の奥に見える煌めき」とは。

ミイナ・オカベ「Flashback feat. Daichi Yamamoto」
園田俊郎(ディレクター)

制作=D-Walker Pr= Takashi Mukainakano Dir=Toshiro Sonoda Dir of Photography=Akiyoshi Fukudome Grip and Electric=Tatsuya Hirai AD=Shigeru Arai Production Manager=Shota Sugano Production Assistant=Miyu Kubota HM=Megumi Kuji(L & Co.) ST=Mina Okabe・Caroline Gudmandsen・Shinya Tokita

瞳の奥まで美しく繊細に色を表現

——アーバンで素敵な映像ですね。本作の撮影について教えてください。

園田 ニコンクリエイツのスタジオ「平和島ステージ」でLEDスクリーンを背景に撮影しました。クリスマスがテーマとなるドラマの主題歌なのですが、ミイナさんが来日している8月に撮影をする必要がありました。6月にこのスタジオを見せていただき、ご本人の「横浜の街で撮りたい」というリクエストを現実化するにはここしかないね、ということで決まりました。なぜならドラマのタイトルは「夜のから騒ぎ」です。夜以外のセットはあり得ませんでした背景素材は別で撮影しています。観覧車はみなとみらいの「万葉の湯」の屋上から撮影し、レンガ倉庫が見えるシーンは象の鼻パークで撮影しました。

——スタジオなのでライティングなどの調整はしやすかったのでしょうか。

園田 そうですね。一番の利点はやはり1日中、夜の撮影を行なえるということ。合成だと、どうしてもグリーンバックを用意する必要があります。そうなると、かなり綿密で複雑なライティングを考えることになります。

——ミイナさんの肌がとてもきれいでナチュラルなのも印象的でした。

園田 ミイナ・オカベさんのメイクは元々とてもナチュラルなものでした。肌の修正はしていますが、きれいにしすぎないようにバランスを取っています。DaVinci Resolveは肌の繊細な調整に優れていますね。

——DaVinci Resolveを最初に使ったのはいつ頃でしょうか?

園田 DaVinci Resolveを使い始めたのはコロナに入る前の2019年くらいです。グレーティングで編集室に入るとみんなDaVinci Resolveを使っているのを見て、自分でもできたらいいなと。無料版もありますし直感的な操作性も魅力的です。肌の調整はもちろん、バラバラのカメラで撮影した際の取り込みにも重宝します。LUTは自分でイチから作っていて、質感を作るのにあたってはカメラにアナログレンズをつけて撮影することもあります。

——若手のクリエイターへアドバイスをお願いします。

園田 一番気をつけてるのは「目」。ちゃんとその人が表現されてる時は、目玉の奥が見えるんです。何回もやり直して、演技をする人の目の奥が見れるようにすれば、もっと良くなると思います。

※この記事はコマーシャル・フォト2024年1月号から転載しています。

コマーシャル・フォト 2024年10月号

■特集「令和の時代に、フィルムで写真を撮るということ。」
写真家・石田真澄がフィルムを使い、ハウススタジオやフェリー、海辺で自然体の齋藤飛鳥を11Pにわたって撮り下ろした。また、これまで石田が積み重ねてきた仕事の数々から一部を抜粋して紹介する。

また、中森 真、大野隼男、木村和平、竹中祥平、三部正博という5人のフォトグラファーがフィルムを使って撮影した仕事例、作品を紹介。フィルム撮影に関する考え、使用機材やよく利用する現像所などを伺った。

■連載「撮影を楽しむスペシャリストたち」
写真業界には数多くの撮影ジャンルがあり、それぞれの分野で活躍するスペシャリストたちがいる。この連載では、フォトグラファー中野敬久氏が毎回気になるスペシャリストにインタビューを行ない、その分野ならでは魅力や、撮影への向き合い方を聞くことで、“撮影を楽しむ”ためのヒントを探っていく。今回のゲストは新津保建秀氏。

■連載「GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.03」
GLAY 30年間のクリエイティブを網羅した書籍「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」が好評につき連載化!今回紹介するのは9月18日発売の「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME Blu-ray & DVD」のアートワーク。アートディレクターの吉野晋弥氏、フォトグラファーの岡田祐介・田辺佳子氏に取材した。