夕書房は、奈良県世界遺産室との共同企画により、登山家・冒険家としても知られる写真家・石川直樹氏による写真集『飛鳥|藤原』を、2025年3月3日(月)に発売する。本書は橿原市、桜井市、明日香村の協力を得ながら、制作を進めたもの。刊行を記念し、2月24日(月・祝)に恵文社一乗寺店(京都市左京区)、3月7日(金)に代官山蔦屋書店(東京都渋谷区)でスライドトークショーも開催される。
石川直樹写真集『飛鳥|藤原』

世界遺産登録を目指す「飛鳥・藤原」は、6世紀末〜8世紀初めの約100年間の飛鳥から藤原という2つの宮都のもとで日本の国家体制が形づくられたことを証明する文化遺産。
石川氏は、8000メートル峰14座登頂を目指してヒマラヤ山脈に通う傍ら、2年間にわたりこの地を訪れ、ときには山の奥深くへと分け入りながら、古代の人びとの息遣いに耳をすまし、現代まで続く営みの深部に迫るべく、撮影を繰り返してきた。
歴史のダイナミズムと市井の人びとの営み、その両方を伝える本書は、宮都にまつわる数多くの史跡を辿る一方で、石川氏の視点は、まちのあちこちに残る不思議な石たち、豊富な水源、地元の祭祀に注がれます。天皇を中心とした中央集権国家への転換という大きな歴史の流れと、多様な民族と混じり合いながら生きた市井の人びとの物語。ページをめくる読者は、現地を歩き両者を行き来しているかのような感覚を味うことができる。
また、古来より続いてきたものの、人口減少等ですでに行われなくなった祭祀や、失われつつある風景、いわれがわからなくなっている史跡が多数記録されている。土地の記憶を感じながら、今を記録する、石川氏の写真家としての矜持が光っている。
石川直樹(いしかわ・なおき)
1977年、東京生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。2008年『NEW DIMENSION』『POLAR』で日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞、2011年『CORONA』で土門拳賞、2020年『EVEREST』『まれびと』で日本写真協会賞作家賞を受賞。2023年東川賞特別作家賞。著書に『最後の冒険家』(開高健ノンフィクション賞)ほか多数。
飛鳥|藤原
著者:石川直樹 解説:青柳正規、山田隆文 監修:奈良県 デザイン:田部井美奈
発行:夕書房
定価:5,000円+税 ISBN978-4-909179-12-8 C0072
判型:B5判変型、コデックススイス装、168ページ、カラー、日英バイリンガル、地図・年表付録つき
刊行記念スライドトークショー
写真集の刊行を記念したスライドトークショーを京都と東京で開催。
いずれも会場とオンラインリアル配信のハイブリッド式、参加無料(東京は写真集購入の方限定)、先着順。
◾️飛鳥・藤原にふれる
石川直樹×Nao’ymt(音楽プロデューサー)×山田隆文(奈良県世界遺産室)
「万葉集」に着想した曲作りを行うなど、古代の人々の感情に心を寄せてきた音楽家・Nao’ymt氏、撮影に同行した山田隆文とともに、飛鳥・藤原の知られざる深い魅力に迫る。写真集の先行販売・サイン会も開催予定。
日時:2025年2月24日(月・祝)14:00-15:30
定員:会場30名、オンライン100名
会場:恵文社一乗寺店COTTAGE(京都市左京区一乗寺払殿町10)/オンライン配信
◾️飛鳥・藤原を歩く
石川直樹×山田隆文(奈良県世界遺産室)
飛鳥・藤原の地の歴史と魅力に精通する考古学研究者で、本写真集の撮影に同行した山田隆文氏とともに、撮影秘話を含め語り合う。写真集のサイン会も開催予定。
日時:2025年3月7日(金)19:00-20:30
定員:会場65名、オンライン400名
会場:代官山蔦屋書店3号館2階イベントスペース(東京都渋谷区猿楽町16-15)/オンライン配信
イベント詳細・申込についてはこちらから
夕書房 「飛鳥|藤原」特設ページ
https://www.sekishobo.com/asukafujiwara-event

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