第33回林忠彦賞は鶴巻育子氏の写真集・写真展「ALT」に決定。受賞記念写真展を開催!

第33回林忠彦賞が81点の応募作品の中から、鶴巻育子氏の「ALT」に決定した。

「ALT」は、「見る」とはどういうことかをテーマにした作品。
本作は3部構成で、セクション1では、視覚障害者のポートレートを撮影している。
セクション2では、視覚障害者から見え方を聞き取って、正解ではないことを前提に写真化した。
セクション3では、視覚障害者と一緒に街でスナップ撮影を行い、視覚以外で世界を感じ取っている人々の感覚を写真で視覚化し、見えている鶴巻さんの写真と対比させている。目で見ることが全てではないということ、「見る」ということを改めて考えさせられる作品となっている。

ALTとは…alternateの略。代わりのもの、代替え、交互の、他の可能性、他の手段。X(旧Twitter)では「+ALT」ボタンは代替えテキストの略称で、画像の説明を示す用語として使われている。

プロフィール
鶴巻育子

1972年7月7日東京生まれ。
1997年の1年間渡英し語学を学ぶ。帰国後、周囲の勧めで写真を学び始めた。
カメラ雑誌の執筆や写真講師など幅広く活動する一方、2019年に東京・目黒に写真ギャラリー「Jam Photo Gallery」を開設し、著名写真家の企画展や若い写真家への場の提供、アマチュアの育成にも力を注いでいる。
国内外のストリートスナップで作品を発表しながら、視覚障害者の人々を取材し「みること」をテーマとした作品にも取り組んでいる。WEB:http://www.ikukotsurumaki.com/
Instagram:ikukotsurumaki

選考委員会総評(大石芳野)

鶴巻育子さんの『ALT』は、時間をかけて丹念に撮影した写真集です。
撮ることも見ることも、晴眼で成り立っていると思うのが一般的です。その点を鶴巻さんは見えないことの意味や感覚などを自分に置き換えて、被写体の人たちと付き合い、理解を深めようと進めました。
対談やエッセイなどの言葉によって奥深い内容がより具体的に立ち上がっています。
見える自分が、見えない彼らとどう違うのか、同じなのか、彼らはどういう世界観の中にいるのか。
想像をもって具体的に進めてきたことで、この写真の意義深さも伝わってきます。
私にも病気で目が見えなくなった友人がいるのですが、過去には見えていたのが今は見えない。
その友人とここに写っている大勢の目の見えない人たちの写真とがつながって多くを教えられました。
この写真の特徴は目が見えない人の、あるいは少しでも見えている人たちの感性を掘り下げようとしている点です。
セクション2「※写真はイメージです」によって、写真を見る側の私たちも想像力も膨らませられ、テーマの普遍性を感じます。
芸術的な思索を自身と被写体のコラボレーションによって写真作品化したものとして林忠彦賞に相応しい写真集だと思います。

第33回林忠彦賞 授賞式・受賞記念写真展
■授賞
会 場:遠石会館(山口県周南市遠石2-3-1)
日 時:4月26日(土)14:00~16:00
第一部 授賞式
第二部 講演会 中藤毅彦氏(第24回林忠彦賞受賞)
どなたでもご参加いただけます <要事前申込>参加無料
参加ご希望の方はお電話でお申し込みください(0834-22-8880)

■受賞記念写真展
会 場:周南市美術博物館
会 期:4月26日(土)~5月11日(日)※4月28日(月)、5月7日(水)休館
観覧無料
会期中は林忠彦記念室を含む常設展も無料でご覧いただけます。

関連イベント
■トークショー <要事前申込>参加無料
<話し手>鶴巻育子 氏
<聞き手>有田順一(周南市美術博物館館長 林忠彦賞選考委員)
会 場:周南市美術博物館 講座室
日 時:4月27日(日)10:30~
定 員:40名(先着順)
お電話でお申し込みください(0834-22-8880)

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