
美術大学在学時に写真家として活動をスタートした原田教正氏。
森に潜む不穏な気配とその正体を写しとろうとする試みとして、原田氏が継続的に取り組むシリーズである『An Anticipation』の二作目となる原田氏の展覧会『An Anticipation #2』が3月14日より開催される。
2021年に発表した『An Anticipation #1』では、秋田県と青森県をまたぐ十和田湖や八甲田の深い森に赴き、かつての火山活動の痕跡を携える湖や峰々が発する気配を捕らえようとする原田の試行が記録されている。
今回の展覧会『An Anticipation #2』では原田氏のドイツでの滞在制作時に訪れたベルリン郊外にある小さな原生林を写真に収めたものを見ることができる。
2023年に行なわれた撮影では、産業革命以降、ヨーロッパ大陸から多くの原生林が姿を消していくなか、保護地区として緩やかな人手の介入によってかろうじて維持されているこの森にある、失われゆく森の姿と保持を試みた末の不完全な景色。
森に自生するブナの木々と繰り返し対峙するなかで、次第に場に漂う気配やその正体を写しとるという当初の目的から離れていったと原田氏は言う。
それは、撮影においてあらゆる意図的な行為から離れることで、記録媒体としての写真の機能を突き詰めながら、その背後にある時間の顕現を試みようとする原田の長年の取り組みへと循環していく。




原田氏が捕らえた複雑で曖昧な原生と人工の境界線から覗く、不穏な気配と温もり。
人間という生物が抱える矛盾について、展覧会会場を訪れるものに問いかけているかのようだ。
会場では展示作品のほか、ご希望の作品3点のプリントを同封した特装版の写真集『An Anticipation #2』も販売予定。



プロフィール
原田教正 Kazumasa Harada
1992年東京生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。
コマーシャルフォトグラファーとして活動する傍ら、写真家として展覧会や写真集の制作を継続して展開。
2020年に1st 写真集『Water Memory』を発表後、『An Anticipation』(2021)、『Obscure Fruits』(2021)、『My origin photographs』(2024)を刊行。
2023、2024年のベルリンでの滞在制作を経て、2025年9月より同地に制作拠点を移す予定。
【展覧会概要】
Kazumasa Harada Photo Exhibition
An Anticipation #2
開催期間:2025年3月14日~3月23日
時間:12:00~18:00(最終入場17:30)/事前予約制
開催会場:THEO KAMAKURA
入場料:1000円/大学生以下無料
https://theokamakura.setmore.com/
・アーティストトーク
本展示についてアーティストが解説を行う。
3月20日 15:00–16:00 10組予約制
3月22日 16:00–17:00 10組予約制
また、目黒に店舗を構える書店BOOK AND SONSが運営する出版レーベル、「Neat Paper」から、写真家・原田教正氏の写真集『My origin photographs』が発売されている。
本作は、2023年に滞在制作のために訪れたベルリンと帰国後の東京で撮影をしたものをモノクロームとカラーを織り交ぜ一冊に編んだもの。
「なぜ写真は写真であれるのか」という根源的な問いとともに、真摯な眼差しで撮り続けた世界の断片は、写真的概念を解きほぐすとともに、原田氏の写真家としての歩みの転換をも予感させる。



【写真集情報】
原田教正『My origin photographs』
発売日:2024年9月10日 (火)
仕様:ハードカバー 88ページ/カラー、モノクロ
サイズ:H260mm×W215mm×D15mm
価格:6,600円(税込)
20部限定 プリント付き特装版 99,000円(税込) *特装版はご希望のプリントを一枚収めた箱入り仕様。
発行:Neat Paper
写真:原田教正
編集・デザイン:町口景 (Match and Company Co.,Ltd.)
プリンティングマネージャー:石川泰彦
プリンティングディレクター:糸川正悟
印刷:誠晃印刷

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