フジフイルム スクエア 写真歴史博物館にてロベール・ドアノー写真展 第一部「パリ郊外 ~城壁の外側~」開催!

蝶々エリの子ども、サンドニ 1945年 ©Atelier Robert Doisneau/Contact

フジフイルム スクエア 写真歴史博物館にて、フランスの国民的写真家とも称されるロベール・ドアノー企画写真展を第一部「パリ郊外  ~城壁の外側~」、第二部「“永遠の3秒”の原点(仮題)」の二期にわたって開催。

“イメージの釣り人”とも評される類まれな洞察力と遊び心に満ちた感覚で、日常に潜むドラマをとらえ独自の世界を築き上げた写真家ロベール・ドアノー。「パリ郊外」は、写真家ロベール・ドアノーを語る上で切り離すことのできない場所。1912年、パリ南郊外にあるジャンティイに生まれ、生涯を通じて郊外に暮らし続けた。かつてはパリを取り囲む城壁で隔てられていた郊外は、中心から疎外された貧困層や移民の暮らす場所だった。

十代から働くことを余儀なくされていたドアノーは、石版工のディプロマを取得後、19歳で写真家アンドレ・ヴィニョーの助手になり、1932年、念願だったローライフレックスを購入。「カメラを身体の中心で構えるので、撮影するには背中を曲げなければならず、これが被写体に敬意を払っているような形になる」と語っている通り、上から覗き込む姿勢で撮影するこのカメラは、内気なドアノーには最適なものだった。このカメラとともに、人々とは十分な距離を取りながら郊外の風景を精力的に撮り始める。「考えようによっては恥ずかしがりも悪いものではない。内気な性格のおかげで人と距離を置くことができた。その結果、被写体の周りに空間が現れ、これこそ私が撮りたいものだったのだから」と語っていたドアノーは、決して恵まれているとは言えない人々の生活とその背景となった郊外の風景による傑出した作品を残した。それは、自分が生まれ育った土地と人々に対する愛憎半ばする複雑なドアノーの心情が反映されたものだったのかもしれない。

撮りためられたパリ郊外の写真は、詩人のブレーズ・サンドラールの後押しにより、1949年、ドアノー初の写真集となる『パリ郊外』として出版される。「市場価値ゼロ」の烙印を押された300点の写真が収録された本書は、写真家ロベール・ドアノーの才能を知らしめる重要な礎となった。

本展ではロベール・ドアノーの「パリ郊外」の作品を展示することで、本年没後30年を迎えるドアノーの原点に迫る。

開催概要

開催期間:第一部 2024年8月29日(木)〜10月30日(水)
     第二部 2024年10月31日(木)〜12月26日(木)
     10:00–19:00
     10月30日(水)は16:00まで、
     12月26日(木)は14:00まで、入館は終了10分前まで)
     会期中無休
会場:フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
   〒 107-0052 東京都港区赤坂9丁目7番3号(東京ミッドタウン・ウエスト)
   TEL:03-6271-3350 URL: https://fujifilmsquare.jp/
入館料:無料
作品点数:全紙・半切サイズ等モノクロ、約30点(予定)
     ・フィルムによる作品。
     ・展示作品は銀塩印画紙を使用したオリジナルプリントを使用。

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PART2
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基礎1 フォトグラファーが知っておくべきレタッチの基本思想
基礎2 レタッチを始める前に必ず押さえておきたいポイント
人物レタッチ実践/プロダクトレタッチ実践

ほか