ライカSL2／SL2-S　プロフェッショナルの現場

ライカSL2で撮るビューティフォト｜撮影：金澤正人

2023年03月27日

プロフェッショナルの撮影現場において、フルサイズミラーレスカメラの使用率は高まり、各社から様々な個性を持つカメラが発売され続けている。カメラ業界において主戦場とも言えるこのカテゴリーにライカが投入しているのが、「ライカSLシステム」だ。その中でも優れた解像感と高画質を実現している「ライカSL2」を使用して、金澤正人氏にビューティ撮影を行なってもらった。選択肢の多いフルサイズミラーレスカメラの中で、このカメラならではの魅力はどこにあるのか、撮影の中で感じたポイントを語ってもらった。

アポ・ズミクロンSL f2/75mm ASPH.
1/125s　f11　ISO100
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アポズミクロン SL f2/90mm ASPH.
1/125s　f16　ISO100

INTERVIEW　金澤正人

フォトグラファーの感性を
刺激するカメラ

─金澤さんは、ライカS3をお仕事でも使用しているそうですが、どのような点にライカの魅力を感じていますか。

金澤　ライカならではの描写には魅力を感じますが、仕事という面では、ライカブランドが持つラグジュアリーさも、プロならではの現場づくりに一役買っています。モデルを起用したビューティ撮影では、特にそう感じますね。

設計に関してもダントツのクオリティを誇っているので、安心感があります。

─今回の作品は、どのように構想していったのですか。

金澤　ライカSL2の魅力を感じるために、手持ちでモデルとセッションするビューティ撮影にしました。ヘアメイクに対しては、肌の質感やメイクのカラーをしっかりと表現したいとオーダーしています。奇抜なヘアメイクを写し撮るのではなく、あくまで写真表現が主であることを共通認識としています。

それを意識しつつ構想していく中で、デカダンスというテーマにたどり着きました。あとは、そのテーマに沿って、ライティングを作っていきました。

─ライカSL2を手にとってみた印象を教えてください。

金澤　持ってみると、少し重みを感じるのですが、構えてみると、その重みがポジティブなものに感じられます。程良い重みがホールド感に繋がりました。これは、趣味のカメラではなく、仕事のカメラだなと、率直に感じましたね。もちろん、ボディの設計も影響していると思います。
　いま、各社のレンズが大型化しつつある中で、ライカのレンズは性能をキープしつつ、比較的小型なものが多いので、ボディとの組み合わせという面でも、構えやすいです。

EVFの見え方も非常にクリアなので、違和感なく使用できました。

それと、シャッターを押した時の感触がとても良いです。きちんとシャッターを切っている実感が湧きます。他社のカメラにはない魅力ですし、これだけでもライカSL2を使いたいと思わせてくれるほどです。

─今回のような、手持ちでのビューティ撮影では、大きいメリットですね。撮影データについては、どう感じましたか。

金澤　レンズの性能も影響しているとは思いますが、しっかりとしたシャープさを持ちつつ、硬すぎない描写ですね。髪の一本一本に解像感があり、ボケは柔らかい。この表現には驚かされました。初めて中判デジタルカメラを使った時に感じた感覚に似ています。

色味については、再現性の高いナチュラルな作り方です。有効画素数も4,730万画素あるので、レタッチ耐性は高いと言えるでしょう。広告撮影の現場でも活躍が見込めます。

─オートフォーカスや手ブレ補正機能はいかがでしたか。

金澤　モデルがポーズチェンジしても、素早くフォーカスを合わせてくれましたし、手持ちでもブレなく快適に撮影することができました。

─プロの撮影現場でも充分に活躍が見込めそうですね。

金澤　スペック面において、カメラの進化は凄まじい状況ですが、プロの撮影現場では、それら全てを駆使することは少なく、あくまで機能は補助的なものです。

それよりも、先述した構えた時のホールド感や、ボディの質感、シャッターの押し心地など、使っていてモチベーションの上がる要素の方が、クオリティに大きく影響すると考えています。ライカのフィロソフィーが、そういった感覚を呼び覚ましてくれました。カタログには載っていない、使ってみて初めて感じられる魅力があるカメラです。ぜひ一度、手に取ってみてほしいですね。

金澤正人
資生堂クリエイティブ/フォトグラファー
1988年資生堂入社
2022年資生堂クリエイティブ
長きにわたり資生堂の広告写真に携わる。
masatokanazawa.myportfolio.com