Blackmagic Design | Pocket Cinema Camera 6K
石井壮太郎(ディレクター)
2023年2月21日
LAで映画を学び最前線で活躍し続ける石井壮太郎。ポップなMVからコマーシャルワークまで、心地よい作品を軽いフットワークで生み出し続ける。
子供からのファンレターがきっかけで始まったという今回のCMプロジェクト。監督、撮影、編集までを手がけた石井氏は、企業が届けたい熱いメッセージを15秒でどう表現したのか。
TV CM【県南グループ】県南清掃/県南環境保全センター 企業イメージTVCM
石井壮太郎(ディレクター)
高いクオリティを軽いフットワークで
——県南清掃の企業CMのお話は、どのように始まったのでしょうか。
石井 どのような映像にしようかと考えていた時、県南清掃(青森県十和田市)のInstagramに「すごく嬉しいお手紙をいただきました」という投稿を見つけました。息子がいつもごみ収集車が来るのを楽しみにしていて、窓から手をふると収集車の方が手を振り返してくれるのが嬉しかったと。このすごくささやかなエピソードがいいなと思って。会社が目指している「地元に貢献する」ビジョンとも繋がるので、こういうシーンから始めたらどうかという提案をしました。
——Blackmagic Pocket Cinema Camera 6Kはどのようなシーンで役立ちましたか。
石井 人物の表情や狙いたいここぞという一瞬をとらえるために、フットワークの軽さはすごく大事なことです。序盤のカットはベランダから撮っていますが、元々別のアングルから撮ろうとしていたんです。でもこれは絶対少年の隣に行った方がいい表情が撮れそうだし、光も良さそうだなと思って、助手を1人だけ連れて急いで移動しました。このような咄嗟の判断を行動に移せるのは、カメラがコンパクトだからできることです。ドキュメンタリースタイルで撮ることが多いので、なるべく身軽にしたい気持ちはありますね。普段はモニターを別に用意することが多く、今回は外付けモニターを使いました。だから最近新しく発表されたCinema Camera 6Kを早く使ってみたいです。あのフルフレームの6Kセンサーもすごく気になっています。
——DaVinci Resolve18を使って編集されたとのことですが。
石井 3年ほど前にAdobe Premiereから移行してから、基本的に編集にはDaVinci Resolveを使っています。使い勝手に関しては何の申し分もありません。カラーグレーディングの時に外部にデータを渡したり、音声のためにMAに入ることもあるのですが、チームベースでできるので、ワークフロー的にも問題なく快適です。
——DaVinci Resolve17と比べて良かったポイントは?
石井 「オーディオトランスクライブ」という音声から文字起こしができる機能はとても重宝しています。あれは多分Adobe Premiereよりも先んじていました。インタビューのドキュメンタリーも多いので、かなり助かっています。
※この記事はコマーシャル・フォト2023年11月号から転載しています。
コマーシャル・フォト 2024年10月号
■特集「令和の時代に、フィルムで写真を撮るということ。」
写真家・石田真澄がフィルムを使い、ハウススタジオやフェリー、海辺で自然体の齋藤飛鳥を11Pにわたって撮り下ろした。また、これまで石田が積み重ねてきた仕事の数々から一部を抜粋して紹介する。
また、中森 真、大野隼男、木村和平、竹中祥平、三部正博という5人のフォトグラファーがフィルムを使って撮影した仕事例、作品を紹介。フィルム撮影に関する考え、使用機材やよく利用する現像所などを伺った。
■連載「撮影を楽しむスペシャリストたち」
写真業界には数多くの撮影ジャンルがあり、それぞれの分野で活躍するスペシャリストたちがいる。この連載では、フォトグラファー中野敬久氏が毎回気になるスペシャリストにインタビューを行ない、その分野ならでは魅力や、撮影への向き合い方を聞くことで、“撮影を楽しむ”ためのヒントを探っていく。今回のゲストは新津保建秀氏。
■連載「GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.03」
GLAY 30年間のクリエイティブを網羅した書籍「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」が好評につき連載化!今回紹介するのは9月18日発売の「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME Blu-ray & DVD」のアートワーク。アートディレクターの吉野晋弥氏、フォトグラファーの岡田祐介・田辺佳子氏に取材した。