EOS R5 Mark Ⅱ × 望月 孝
静止画・動画において、高い撮影性能を実現しながら優れた機動性を兼ね備えたフルサイズミラーレスカメラ、EOS R5 Mark IIが発表となった。
フラッグシップ機「EOS R1」(2024年11月発売予定)にも搭載される、大量データの高速解析処理を実現する新開発のエンジンシステム「Accelerated Capture」とディープラーニング技術をベースにデュアルピクセル Intelligent AFへと進化。
自社開発の裏面照射積層CMOSセンサーを搭載し、有効画素数最大約4500万画素の高画質と静止画常用最高ISO感度51200の高感度を両立する。
今回は、望月 孝氏がEOS R5 Mark IIの持つ、描写力を突き詰めるため、剥製をモチーフに撮影を行なった。
撮影協力=東北芸術工科大学 芸術学部 美術科 日本画コース/グラフィックデザイン学科:高野立伎、福知悠大、藤田野花、古頭晏、有馬治英、末永彩、山崎瞳真、安田早希、岸楓、蓑田充、山道璃乃、渡邉菜友
INTERVIEW 望月 孝
大型サイズの
広告印刷物を意識したカットでも
しっかりとした解像感で応えてくれる
─望月さんは、もともとEOS R5を使用されていますが、今回、EOS R5 Mark IIを触られていかがですか?
望月 外観で大きく違いを感じたのは、ボディ下の通気口です。これで熱を逃す機構をつくりつつ、その上で防塵・防滴というのに驚きました。今回の撮影はスチールでの使用がメインだったのですが、動画撮影時にネックになる熱問題に対応してきたんだと感じます。あとはバッテリーが新しくなっていますね。このバッテリーを使用することで、EOS R5 MarkIIの動画性能を最大限発揮できるとのことで、技術者の発想は本当に面白い(笑)。
─今回の被写体は剝製でした。
望月 フォーカスは中央のキツネの目に合わせて、F11の自然光で撮影しました。最初は背景をグレーにしていたんですが、途中から黒に変更。シャドウ部をきっちり描写できるかを試したかったため、モチーフの置き方もそういう部分がでるセッティングにしています。
近年は大きいサイズの広告印刷物が減ってきてしまってますが、撮影の際にはやはり大きい印刷物として見るということを意識し、大切にしています。今回のメインカットにも、キツネやバンビたちがならぶ横のメインライン以外に、前後に小さな鳥や動物を随所に配置して、その解像感をしっかり出せるかを求めています。前後にいる鳥たち、1羽1羽の羽根もしっかり毛が立っているし、左上の鳥は羽が補強されているんですが、その固定具もしっかり出ていますね。3カット目の逆光気味に置いた鳥のシャドウ部、2カット目のイタチのソロカットも、顎ひげまできれいに解像しています。
─EOS R5 Mark IIを使っている中で感じた変化はありますか?
望月 R5から、使用感自体は大きく変わらず、そのままに使用できたと思います。各機能、随所に進化を感じているんですが、視線入力機能などは、キヤノンという会社の攻めの姿勢を感じます。どういうふうに使っていけるか、正直まだこれからですが、R5からR5 MarkIIでの変化、チャレンジの姿勢を見せてくれたのはすごく良いなと思いましたね。
望月 孝(モチヅキ・タカシ)
写真家。広告を中心にポートレイト、ス チルライフ、ドキュメンタリー、ファッション、インテリアデザイン、建築、フードなど、様々なジャンルで活躍している。
www.bife.jp/
Pick Up Body
EOS R5 Mark II
有効画素数:約4,500万画素
レンズマウント:キヤノンRFマウント
モニター:TFT式カラー液晶モニター 3.2 型 約210万ドット
サイズ:約138.5×101.2×93.5mm
重さ(バッテリー、カード含む / 本体のみ):約746g / 約656g
詳細:personal.canon.jp/product/camera/eos/ r5mk2
コマーシャル・フォト 2024年10月号
■特集「令和の時代に、フィルムで写真を撮るということ。」
写真家・石田真澄がフィルムを使い、ハウススタジオやフェリー、海辺で自然体の齋藤飛鳥を11Pにわたって撮り下ろした。また、これまで石田が積み重ねてきた仕事の数々から一部を抜粋して紹介する。
また、中森 真、大野隼男、木村和平、竹中祥平、三部正博という5人のフォトグラファーがフィルムを使って撮影した仕事例、作品を紹介。フィルム撮影に関する考え、使用機材やよく利用する現像所などを伺った。
■連載「撮影を楽しむスペシャリストたち」
写真業界には数多くの撮影ジャンルがあり、それぞれの分野で活躍するスペシャリストたちがいる。この連載では、フォトグラファー中野敬久氏が毎回気になるスペシャリストにインタビューを行ない、その分野ならでは魅力や、撮影への向き合い方を聞くことで、“撮影を楽しむ”ためのヒントを探っていく。今回のゲストは新津保建秀氏。
■連載「GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.03」
GLAY 30年間のクリエイティブを網羅した書籍「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」が好評につき連載化!今回紹介するのは9月18日発売の「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME Blu-ray & DVD」のアートワーク。アートディレクターの吉野晋弥氏、フォトグラファーの岡田祐介・田辺佳子氏に取材した。