RF35mm F1.4 L VCM × 佐々木 俊
キヤノン EOS Rシステムの中核として開発された「RFレンズシリーズ」。
大口径マウント、ショートバックフォーカス、12点の電子接点などが特徴で、
そのポテンシャルを活かす、ラインナップが続々と発売されている。
そんな「RFレンズシリーズ」の中から、今回は7月上旬に発売された
大口径・広角単焦点Lレンズ「RF35mm F1.4 L VCM」を使用して
ファッションポートレイト撮影を行なった佐々木 俊氏にその魅力を語ってもらった。



ST:YOSHI MIYAMASU(SIGNO) Hair:TETSU(SIGNO) Make-up: AKIKO SAKAMOTO(SIGNO)
Model:MONA KAWASAKI(TOMORROW TOKYO)
Flower:Maiko Nishizawa Dog:Massimo 衣装協力:HEōS・ZIN KATO・NOBORU SHIONOYA
INTERVIEW 佐々木 俊
F1.4でもクリアでシャープな
画質をキープしてくれるレンズ
─現実と非現実を行き来するような世界観でのファッションポートレイトを撮り下ろしていただきました。
佐々木 今回狙ったのは、RF35mm F1.4 L VCMのボケを使ってリアルとアンリアル、2つの世界を1枚の中で表現することです。1カット目は、被写体にピントをバッチリ合わせて撮影したカットと、フォーカス固定のままスタジオ奥に再度、被写体を立たせて撮影した2枚を組み合わせています。2カット目と3カット目は、ボケの中でのアンリアルな世界が拡張し朽ちた後、新たに再生していく…そんなイメージで世界を作りました。
バストアップと全身カットを組み合わせて、広角レンズらしい奥行き感や立体感、ボケによって手前と奥で見え方の違いやレンズの解像感も表現できたと思います。
奥行きのスペースが限られているスタジオ撮影だったので、風景写真や屋外スナップほどにはボケ感は出せていませんが、僕が頭の中で描いていたイメージを充分に実現してくれました。
─使用した印象を教えてください。
佐々木 撮影中に感じたのは解像力の高さです。僕が想像していたよりずっときれいでシャープでしたね。今回撮影した3つのカットはそれぞれF8、F5.6、F1.4とF値を変えていますが、F1.4の開放でも解像力が落ちていないんですよ。テザリング撮影中シャッターを押す度、モニタには驚くほどクリアに髪の毛一本一本まで映し出してくれたのがとても印象的でした。3カット目のF1.4でのポートレイトカットは被写体をクリアに浮き立たせてくれました。
普段はビューティなどスキントーン描写の際にキヤノンを使っています。キヤノンを選ぶのは、画質やテザリング撮影でのPC転送の速さや安定性など、いろんな理由もありますが、スキントーンの描写が自然で美しいんですよね。このRF35mm F1.4 L VCMでも、期待以上の画質で応えてくれました。
─2カット目と3カット目は手持ちで撮影されていました。
佐々木 EFレンズに比べるとかなり軽いですね。もっと大きくずっしりとしたレンズを想像していましたが、手持ち撮影でも負担がありません。F1.4でこれほど軽くコンパクトで、開放時も解像感を維持できている。フォーカシングも速く静かなので、様々なシーンで対応できる使い勝手が良さそうなレンズですよね。今回はスチールのみのトライでしたが、動画撮影でもこの画質やボケ感を活かせるのは心強い存在だと思います。


佐々木 俊(ささき・しゅん)
岩手県生まれ。Southern Illinois University, Cinema and Photography卒業。10年にわたるNYでの活動後、拠点を東京に移し、Beauty・Fashionを中心に雑誌・広告等で活躍中。近年は映像分野にも注力し、監督としても活動。国内外で活躍の場を広げている。
Pick Up Lens

RF35mm F1.4 L VCM
対応マウント:RFマウント
焦点距離:35mm
明るさ:f1.4
レンズ構成:11群14枚
最大撮影倍率:0.18倍
寸法:約76.5×99.3mm
質量:約555g
詳細:https://personal.canon.jp/product/camera/rf/rf35-f14lv

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NYと東京を拠点としファッション誌からラグジュアリーブランドの広告、アーティストのジャケットワークまでを手掛けるTAKAY氏。ドラァグクイーン、ドリアン・ロロブリジーダ氏とのフォトセッションを皮切りに作品紹介とインタビュー、写真展紹介で綴る22ページ。
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