サングラスのカタログ写真とエディトリアル用イメージカット
Photo&Words:Tetsuro Takai Photo: Kohei Nagayama

高井哲朗が
スタジオスチルライフ撮影の
アイデアと 愉しみを 伝授
創造主ゼウスのように
光を操って 宇宙を創造しよう
スチルライフ それは あなたが
神になれる世界
今年3月、プロフォトグラファーとして独立したばかりの永山航平さん。
今日は彼がスタジオスタッフとして勤務していたスタジオD21で、サングラスを一緒に撮ることになった。
勝手知ったるスタジオで、カタログ・広告の王道商品撮影のセットを組む永山さんに対し、
アウェイのゼウス高井は機動力&スピード重視。
コンパクトな雑誌出張撮影セットで対応。

今日はスタジオD21で撮影
撮影時間前に 機材を置きに 寄ってみたら
スタジオには もう永山くんがいて
何もない空間で 考え事してた
まだ セットは組んでいない
それなら ちょっとランチしてくるね と言いながら
さて どうするのかな なんて 考えながら戻ってきたら
なんと センチュリーの柱を立てた
左右対称の綺麗なセット
このスタジオで 働いていた時から
いろいろ 研究したいたみたいで
真ん中に メガネが浮いていた
よく見たら テグスで吊ってある
空中に浮かすと
ライテイングしやすいからね
スタジオD21は
他のスタジオに比べて
商品撮影の現場も 時々あって
そうした撮影に立ち会い
コマ・フォトのライティング本とかも
研究しつつ
自分でも 色々撮っていたようだ
ライトの動かし方も スムーズ
ライティングのお手本みたいな
ちゃんとした 組み立て方
きちんとした
カタログ撮影するには
理想的な ライティング
さて その写真の仕上がりは
どうかな?
ライティングの組み立て

カメラ:Canon EOS R5
レンズ:TS-E90mm F2.8L Macro 1/125秒 f11 ISO100

カラーフィルターを貼ったストロボ❶を背景の乳白アクリル板の後ろから入れる。
(Ph.01)


サングラス前面にハイライトを入れる。
ただしこのままだと光が回り、画面下のシャドーが締まらないため
Ph.01の背景下部分をレイヤー合成して仕上げた。
セッティング

ディフューズした光を黒板、黒ケント紙でカットして美しいハイライトを作っていく。
商品撮影の王道ライティング。


サングラスの真後ろから照射。
画面中心から周囲にかけて円形のグラデーションを作る。

直前のディフューザーを斜めにすることで、サングラスのレンズ面に斜めのハイライトを入れる。
その手前には黒ボードを置いて、余分な光をカットしている。

サングラスの縁のハイライトをシャープにして全体のエッジを締める。
この細部の光の調整が商品写真の最終的クオリティをアップする。

右:黒ケントあり
ZEUS’S STILL LIFE MAGIC

永山くんが きちんとした 撮影セット 作っていたので
ゼウスは 考えた
昔よくやった 雑誌撮影
簡単 早い 撮影セット 組んでみようとね
雑誌撮影って 速ければ 早いほど
編集の人 喜ぶんだよね
「え? もう 終わったんすか」
「素晴らしい」 ってね
「速いのも才能」 なんて 言われてた
雑誌って 100カット 200カット
1時間 ぐらいで
撮らなきゃいけないことも あるからね
ポイント押さえて スピーディーにするのさ
雑誌によっては プロップスタイリストを お願いすることもあった
楽しいんだよね
撮影ブツまわりの いろんなもの 用意してくれるんだ
今回は サングラスだから
貝殻とか 砂とか
海をキーワードにした イメージだね
コンセプトは ちょっとした ストーリー
〜おはよう
コーヒー ありがとう
ん なんか 口に引っかかる
もしかして 砂?
ローストした コーヒー豆に
紛れ込んだのかな?
拾ってきた 貝殻から
こぼれ落ちた砂〜
カーテンから 光が やわらかな 青色の中に
〜君のサングラス 相変わらずの 気取り屋さん
パリみやげかな
すごく 綺麗な色 ピンク 入ってるね〜
〜あなたのだって フレームに 白い皮まいて
どこで 手に入れたのやら
でも 似合っているわ〜
サングラスは 会話する
たわいもない 会話
今日も いい天気 Enjoy summer
柔らかな光も もうすぐに
強烈な日差しに変わる
全体にLEDで 青入れて
サングラスのピンク 感じさせて
もっと彩度 上げたいけど
印刷のCMYKだと
ちょっと 再現 難しいかな
ライティングの組み立て

❸broncolor Pulso+P70 standard reflector
カメラ:Canon EOS R6
レンズ:EF24-105mm F4L IS USM 1/50秒 f9 ISO100

撮影台下から入れて、サングラスを載せた乳白アクリル板を薄い青にする。


斜めにした乳白アクリル板を透過する光と、
アクリル板の上から回り込む光をミックスしている。

3灯を合わせてライティング完成。
セッティング〜撮影

サイコロ(白い木箱)の上に薄手のアクリル板を置けば、コンパクトな透過光セットの出来上がり。
ライトは3灯使用。

サイコロで囲んだ撮影台の横から青い光を入れて回し、上部を覆うアクリル板全体に色をつけている。

プロジェクション・アタッチメントにはレンズが内蔵されているので、シャープに絞ったスポット光が可能。

重ねた2枚のアクリル板の間に照射。
サングラス、貝殻の影を手前(画面下)に落とし、画面全体に立体感を出す。
バリエーション

そのシルエットを画面に入れてみた。
Ph.05のメインをオフ、代わりに被写体ほぼ真上からのライトを加えた3灯撮影。
永山航平
ながやま・こうへい/1996年生まれ
2022年よりスタジオD21にて2年半勤務。2025年3月より独立しフリーで活動中。
Instagram:@koheinagphoto
高井哲朗
たかい・てつろう/1978年 フリーとして活動開始。1986年(株)高井写真研究所設立。広告写真を中心に活動するかたわら、ゼウスクラブを開催し、写真の可能性を伝導する。
www.kenkyujo.co.jp/
x.com/tetsurotakai
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■PART 02 4名のフォトグラファーが語るアーティスト写真
伊藤元気、キム・ヨンジュン、平松真帆、横浪 響が撮影したアーティスト写真撮影を紹介!フォトグラファー達は、一枚の写真にどんな意図を込めるのか。どのような距離感で向き合い、どの瞬間を選び取るのか。ライティング図や使用機材、現場で役立つアイテムも紹介しながら、それぞれの撮影アプローチを具体的に紐解く。
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