Blackmagic Special Interview

Blackmagic DaVinci Resolve 17 Special Interview|北山夢人(カラリスト)

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国内外の映画賞を総なめにしている「ドライブ・マイ・カー」(監督:濱口竜介)。同作にカラリストとして参加した北山夢人氏(Imagica EMS)に、この映画の色表現について聞いた。

映画「ドライブ・マイ・カー」
Interview
北山夢人/カラリスト

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動画リンクはこちら
©2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会 全国超ロングラン上映中!

クリエイティブに向き合えるソフト

─色づくりの工程を教えてください。

北山 映画の場合は作品によってフローが異なります。濱口組の場合はテストの段階からLUT (Look Up Table=どのように色調整するのかを予め数値化したもの)で色の方向性を決めました。それを元に現場でモニタリングしていただき、照明などを選んでもらいます。撮影前に色のイメージを固めているので、ラッシュの段階から大幅に修正することはありませんでした。

─LUTのトーンはどう決めたのですか。

北山 キャメラマンの四宮秀俊さんと僕が作ったものを濱口竜介監督に確認してもらいました。四宮さんが求めていたのはヨーロッパ映画風の少し青みがかったトーンでした。ただそちらに寄りすぎてしまうとストーリーのキーになる赤い車が映えない。僕らの最終目標は、観る人が物語や演技に注目してもらうことなので、赤い車や人物の肌を綺麗に見せることに注力しました。

今回はフィルムシミュレーションLUTをベースに、DaVinci Resolveのレイヤーノードを使ってブルー、シアンを強調したイメージに調整しています。

─カラーグレーディングが特に難しかったシーンは?

北山 バーで西島秀俊さんと岡田将生さんが会話するシーンとリハーサル室のシーンですね。

バーはブルーとタングステン2種類のライトがあったので、その塩梅が難しかったです。リハーサル室シーンはロケ場所としては地味ですが、緊張感を出したい重要な箇所なので色にもこだわりました。背景の色や明るさが撮る角度や光によって微妙に変わってしまうため、カットごとの色を揃えるのに苦労しました。

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─風景描写がとても美しいと感じました。

北山 東京・広島・北海道の3都市で撮影しているので、その場所ごとの温度感や空気感を意識しました。

僕の中では、東京と北海道は冷たく、広島は若干温かみを感じるように意識して色を作っています。ロケ地による変化を見ている人に感じてもらえたらいいですね。風景以外でも、撮影の四宮さんと相談してシーンごとに最適な見え方は何かを探りました。

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─北山さんは普段からBlackmagic DaVinci Resolveを使っているそうですね。

北山 DaVinciのソフトはカラリストになりたての頃から15年以上も使っています。特にレイヤーノードのオパシティ(Opacity=透明度を落とす)機能をよく使っていて便利ですね。

DaVinci Resolve17にバージョンアップしてから、トラッキングの精度が上がって、さらに使いやすくなっていると感じています。

僕は常にコミュニケーションを意識して作品作りに望んでいます。濱口監督と四宮さんが撮った絵はどれも美しいのですが、この作品ではカラリストとして映像から立ち上る匂いや温度を捉えることで、さらに良い映像に仕上げたかったのです。機材にストレスがあるとコミュニケーションを取る余裕もなくなってしまい集中できないんですよ。僕にとっては、使い慣れた操作性の良いDaVinci Resolveを使うことで、より深くクリエイティブと向き合うことができます。


※この記事はコマーシャル・フォト2022年5月号から転載しています。

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