ISHIKAWAYA × tousemai「WHO WE ARE」展覧会レポート

企業ユニフォームを数多く手がけてきたディレクター・石川裕太氏と、ビューティ・ポートレイトを軸に広告や雑誌で活動するフォトグラファー・当瀬真衣氏。

二人のコラボレーションプロジェクト「ISHIKAWAYA × tousemai」のプロトタイプ・エキシビジョン「WHO WE ARE “UNIFORM AS FASHION”」が、2026年3月5日から8日まで中目黒・AK-4 GALLERYで開催された。

本展のテーマは「UNIFORM AS FASHION」。


企業ユニフォームが持つ機能性や構造を出発点に、それをファッションの視点から「WORKING」と「BEAUTY」という二つのラインで構成し、再解釈する試みだ。

石川がデザインしたユニフォームと、それを着用したモデルを撮影した当瀬のポートレイト作品を中心に、衣服と写真・映像が同一空間の中で展開された。

会場入口には、本展のタイトルを掲げたビジュアルが設置され、階段を上がると展示空間が広がる。

作品はターポリン生地にプリントし、ハンガーに掛けて展示。衣服のように垂れ下がるプリントでユニフォームやファッションのイメージを視覚化した。

ギャラリー空間には、大判プリントのポートレイト作品が立体的に配置されていた。


実務性と審美性。その両極を行き来しながら、ユニフォームの新たな像を提示する構成だ。

今回の撮影について当瀬氏は次のように語る。

「石川さんとはお仕事や展示でもご一緒してきました。今回の展覧会では、働く人のユニフォームを機能面とかっこよさの両立という視点で捉え、布の素材の質感の違いなどをしっかり写しとることを意識しました」

モデルはオーディションによって選出し、打ち合わせを経てヘア・メイクも決定。黒を基調とした衣装はシンプルな環境の中で撮影され、ユニフォームの構造や素材感が際立つビジュアルとなっている。会場では映像も放映されていた。撮影&編集ともに当瀬氏が担当。

展示空間の構成も特徴のひとつだ。
写真は額装ではなく、大判プリントを床へ垂らすようにしてラック状の構造体に掛ける形での展示が印象的だった。これは当瀬氏自身のアイデアだ。

「もともと作品を撮るのが好きなんですが、写真を写真として展示するより、ファッションやグラフィックデザイナーなど他業種の方と一緒に作品を作るのが好きなんです。写真を空間の中でどう見せるかを考えるのが楽しいんです」

会場中央に展示したアクリル作品

高所作業用ユニフォームを想起させる「空」、防水加工を示す「水滴」、空調アパレルを象徴する「風」など、それぞれの機能をイメージした写真をアクリル作品として展示している。

プリントを押さえている石も印象的な要素だ。
これらは当瀬氏自身が収集している私物の石だという。

「石を集めるのが好きなんです。柄や石のテクスチャーに惹かれるんですよね。ビューティフォトを撮っているので、質感やテクスチャーに目が行くのかもしれません(笑)」。

また、会場では今回撮影された作品を収録したカタログも展示。衣服、写真、オブジェクトが同一空間の中で展開されることで、ユニフォームという存在を多角的に捉えることができた。
完成されたブランド発表を超えて、ユニフォームとファッション、そして写真表現の関係を探る実験的なプロジェクトとして提示されていた。

当瀬真衣(とうせ・まい)

2008年 多摩美術大学 美術学部卒業 GO SEES 入社
2010年 富田眞光氏に師事 
2013年 独立
2016年 TRIVAL 所属

Webサイト:https://tousemai.com/
Webサイト:https://trival.jp/maitouse
Instagram:@tousetouse

開催概要(展覧会は既に終了)

ISHIKAWAYA × tousemai
「WHO WE ARE」プロトタイプ・エキシビジョン
“UNIFORM AS FASHION”

会期:2026年3月5日(木)〜3月8日(日)  既に終了
時間:10:00–18:00(※最終日8日のみ15:00まで)
会場:AK-4 GALLERY(目黒区青葉台1-15-3 AK-4ビルディング 3F)


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