画家・佐藤誠高にとって初の画集となる『Reality -Dancing on the Edge-』が2024年1月26日(金)に刊行される。
佐藤氏は写真と見間違えるほど精密な鉛筆画に、大胆な絵具使いで抽象的なペインティングを施す作風で、近年多くのアートコレクターから注目を集めている。
人物の目を覆い、花びらを塗り潰す。佐藤氏がモチーフとするのは、実在の人物や花など。
彼はパネルに向き合うと、まず、写真と見間違えるほどの精密さでモチーフを鉛筆の線のみで模写していく。パネルいっぱいのサイズに描き上げた鉛筆画が完成すると、自分で描いた「物を語りすぎる目」や「美しさを誇張しすぎる花弁」を色鮮やかな多色使いのアクリル絵具で大胆に塗りつぶす。一般的に人々がもっとも美しいと目を奪われる部位をあえて絵具で覆い隠すことで、モチーフ自体がもつ本来の美しさを表現している。
ストイックすぎるまでに制作活動に勤しむ佐藤氏はそのこだわりゆえ、多くのコレクターが新作を待つ寡作の画家。
作品を発表する機会も少なく、今回の作品集は、佐藤氏の作品をまとめて堪能できる貴重な1冊になっている。72点の絵画、立体作品の写真のほか、気鋭の美術批評家・山本浩貴(中公新書『現代美術史』ほか)による論考原稿を収録し、彼の描く「美」とは何かを読み解く。
プロフィール
佐藤誠高(さとう なりたか)
1980年、愛知県生まれ。2008年、東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。2007年、第8回SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)にてグランプリを受賞。2017年、Independent Tokyo 2017にてグランプリ受賞。主な個展に「DUAL」(2019/みんなのギャラリー、東京)、「RAW」(2021/Hiro Hiro Art Space、台北)、「Show Case」(2022/SCÈNE、東京)、「REVEAL」(2022/GR Gallery、ニューヨーク)など。
『Reality -Dancing on the Edge-』
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ
発売|美術出版社
価格|7,500 円+税
発売日|2024年1月26日(金)
仕様|156ページ、 B4 変形
ISBN|978-4-568-10576-6 C0071
コマーシャル・フォト 2024年10月号
■特集「令和の時代に、フィルムで写真を撮るということ。」
写真家・石田真澄がフィルムを使い、ハウススタジオやフェリー、海辺で自然体の齋藤飛鳥を11Pにわたって撮り下ろした。また、これまで石田が積み重ねてきた仕事の数々から一部を抜粋して紹介する。
また、中森 真、大野隼男、木村和平、竹中祥平、三部正博という5人のフォトグラファーがフィルムを使って撮影した仕事例、作品を紹介。フィルム撮影に関する考え、使用機材やよく利用する現像所などを伺った。
■連載「撮影を楽しむスペシャリストたち」
写真業界には数多くの撮影ジャンルがあり、それぞれの分野で活躍するスペシャリストたちがいる。この連載では、フォトグラファー中野敬久氏が毎回気になるスペシャリストにインタビューを行ない、その分野ならでは魅力や、撮影への向き合い方を聞くことで、“撮影を楽しむ”ためのヒントを探っていく。今回のゲストは新津保建秀氏。
■連載「GLAY CREATIVE COLLECTION 2024- VOL.03」
GLAY 30年間のクリエイティブを網羅した書籍「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」が好評につき連載化!今回紹介するのは9月18日発売の「GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME Blu-ray & DVD」のアートワーク。アートディレクターの吉野晋弥氏、フォトグラファーの岡田祐介・田辺佳子氏に取材した。