展覧会「SILVER SATAN X」が京都にて、4月18日から5月17日まで開催!

本プロジェクト「SILVER SATAN」は、一台のアートトラックを通して、「是とは何か」という根源的な問いを視覚化する。ここで提示されるイメージは単なる記録にとどまらず、鑑賞者に思考を促す装置として立ち上がる。

SILVER SATANのボディは、色彩を排したメッキメタルによって構成され、周囲の風景や光を反射・屈折させ、環境と同化しながらも、同時に異物としての存在感を放つ。その姿はすでにトヨタダイナの原型をほとんど留めておらず、「車」という枠組みを越えた存在へと変容している。

暗闇の中では、青と白の光が連続的に点滅し、流動するような視覚体験を生み出す。その様相は、何かを未来へと運ぼうとする装置にも見え、SILVER SATANは現代における「方舟(Ark)」として象徴的に捉えられる。

本展示では、複数の写真家が参加し、表現形式の統一はあえて行われていない。それぞれが異なる場所・距離・時間軸から撮影を行った結果、作品群には単一の視点や結論は存在せず、多様な解釈が併存する構造が生まれている。

ここで浮かび上がるのは、固定された意味や唯一の真理ではなく、「問い」が持続する状態そのものだ。半世紀にわたり内包されてきた問いは、写真という媒体を通してさらに拡張され、観る者へと委ねられていく。

写真とは本来、光を定着させるメディアである。しかし本プロジェクトでは、その定着の中にあえて揺らぎが残されている。各作品は明確な答えを示すのではなく、新たな問いを開く契機となる。

SILVER SATANをめぐるこの試みは、視点の多層性と真理の不確定性を可視化し、「是」とは何か、そして未来に何が求められるのかを問い直すものといえる。

※SILVER SATAN(シルバーサタン)とは
真昼は色を持たず全ての情景を移し込むメッキメタルボディ、時にはその場に溶け込み時には異物になる。夜の闇に全く昼とは違う様相で青、白色に光揺めき昇天する。45年間に渡りひたすら時勢を先見し進化変幻を遂げ内外共にノーマルなところはほぼない。
Art Truckのなかでも孤高な存在。

車種:TOYOTA DAYNA 1980年
サイズ:長さ600cm幅201cm高さ330cm

それでは六人の写真家、本展示のサウンドインスタレーション、そしてアートプロデューサー。それぞれの視点に目を向けていきたい。

小見山 峻(こみやま・しゅん)

写真家。1988年 神奈川県横浜市生まれ。2014年より写真家として活動。「撮影行為」そのものを自身の写真の根幹とし、現実世界における身体的な出来事の結晶として、写真の存在を位置付ける。主としてフィルムカメラを用いて撮影を行うことで、この「行為」としての物理的側面を強調しながら、その現実と向き合うことで独自の視点を残す。
主な個展に「hemoglobin」、「冴えない夜の処方箋」、KYOTO GRAPHIE KG+「なにものでもないものたちの名づけかた」など。また、渋谷PARCO 10F屋上スペースを全面的に使用した大規模インスタレーション展示「風が応える」開催のなど、常に「写真」でありながら、そのアウトプットは多岐にわたる。

<受賞歴・収蔵・コレクション>
JW Anderson 「YOUR PICTURE / OUR FUTURE」finalist (2018)

公式Instagram:https://www.instagram.com/shun_komiyama/

佐内正史(さない・まさふみ)

写真家。1997年、写真集『生きている』(青幻舎)でデビュー。2003年、写真集『MAP』(佐内事務所)で第28回木村伊兵衛写真賞を受賞。2008年に独自レーベル「対照」を立ち上げる。2026年3月、最新作『雷写』(対照)を刊行、同時に岡本太郎記念館で写真展「雷写」を開催する。近著は『Strong memory』(対照)『写真がいってかえってきた』(対照)『静岡詩』(対照)。主な展覧会に「Strong memory」book obscura(東京、2025年)、「展対照<第二部>Vacant(東京、2025年)、「写真がいってかえってきた」book obscura(東京、2024年)、「静岡詩」タカ・イシイギャラリー(東京、2023年)「静岡詩」静岡市美術館(静岡、2023年)、「対照 佐内正史の写真」川崎市岡本太郎美術館(神奈川、2009年)など。

<受賞歴>
第12回キヤノン写真新世紀優秀賞
第28回木村伊兵衛写真賞
<収蔵>
東京都写真美術館
川崎市民ミュージアム

公式Instagram:https://www.instagram.com/sanaimasafumi/

新津保建秀(しんつぼ・けんしゅう)

写真家。東京生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。写真を起点に、ドローイングやテクストを相互に往還しながら、イメージ/身体/風景の照応と、写真に固有の時間性を探っている。
主な作品集に『Spring Ephemeral』(FOIL)、池上高志との共作『Rugged TimeScape』(FOIL)、『\風景』(KADOKAWA)など。近年参加した主な展覧会に「New Pictures 뉴-픽쳐ス」(The Reference、ソウル)、「国際的非暴力展#SUM_MER_2025」(京都市立芸術大学 @KCUA、京都)。個展に「消え入りそうなほど 細かくて微妙な」(Mizuma Art Gallery)など。

公式Instagram:https://www.instagram.com/kenshu_shintsubo/

田附 勝(たつき・まさる)

写真家。電飾を施したトラックとそのドライバーたちを9年に渡り撮影した写真集『DECOTORA』を2007年に発表。東北の地を足繁く訪ね、自然への畏敬とともにある営みを撮り続けた作品集『東北』(2011年)で、第37回木村伊兵衛写真賞を受賞した。2020年には発掘当時の新聞紙に包まれ博物館などに収められた縄文土器片を撮影し、折り重なる時間と空間を写し出した『KAKERA』を発表、2025年、母の死の後、自身が幼い頃から母が作り続けていたパッチワークを撮影する事で、母と自身の過去を探り出そうとする『ママ』を発表。

<受賞歴>
第37回木村伊兵衛写真賞

<収蔵・コレクション>
ロサンゼルス・カウンティ美術館(Los Angeles County Museum of Art、LACMA)、ロサンゼルス、米国
愛知県立美術館、名古屋
青森県立美術館、青森
株式会社 アマナ・アマナ コレクション、東京
ファーンスウォース美術館(Farnsworth Art Museum)、メイン、米国
ボルチモア美術館(Baltimore Museum of Art)、ボルチモア、米国
カディスト・アート・ファウンデーション (KADIST)サンフランシスコ、米国

公式Instagram:https://www.instagram.com/tatsukimasaru/

ホンマタカシ(ほんま・たかし)

写真家。近年の作品集に「Portrait of J」(DASHWOOD BOOKS、SESSION PRESS)。2023年から2024年にかけて東京都写真美術館にて個展「即興」を開催。2025年の瀬戸内国際芸術祭ではUNHCRとの合同プロジェクトとして難民の撮影プロジェクト「SONGS―ものが語る難民の声」の展示を高松港にて開催。

<受賞歴>
1999年、第24回木村伊兵衛賞受賞。

公式Instagram:https://www.instagram.com/seeing_itself/

宮原夢画(みやはら・むが)

写真家。東京都出身。エディトリアル、コマーシャルで活動する一方、古典技法からデジタルまであらゆる表現を日々探究し、その興味は茶道、華道などの日本の伝統、民族文化にまで及ぶ。多角的な視点から独自のフィルターをとおした匂いのある作品を作り続けている。
2008年ミラノ・GALLERIA CARLA SOZZANIにて[TOKONOMA]、
2010年にはミュンヘン・MICHEKO GALERIEにて[Invisible Layers]を発表。
2011年 TOKYO PHOTO、
2012年 ART OSAKA、Paris Art O’clock、神戸Art Marche、Art Gent Belgieに参加。
2014年 東京・72 Gallery にて個展 『シンケンシラハドリ』 シンケンシラハドリ 写真集発刊
2016年 東京・タカイシイギャラリーにて個展 “Renaissance”
2017年 PARIS PHOTO 出展
2025〜2026年 東京・タカイシイギャラリーにて個展 “KATAMARI”

<受賞歴>
毎日新聞広告賞受賞
TDCブックデザイン賞受賞

公式Instagram:https://www.instagram.com/mugaing/

evala

音楽家、サウンドアーティスト。「See by Your Ears」主宰。
既存のフォーマットに依拠しない立体音響システムを駆使し、その場所固有の響きの中で音を編み上げる独自の“空間的作曲”によって、聴覚の潜在的な可能性をひらくインスタレーションを展開。無響室から庭園、廃墟、公共空間、美術館や劇場まで、多様な空間で作品を発表し国際的に高い評価を得ている。
2025年、空間音響の芸術的探究を続ける活動への評価と、サウンドアートを多くの人にひらいた功績により、国際賞アルス・エレクトロニカ 2025 Isao Tomita Special Prizeを受賞。2026年、令和7年度(第76回)芸術選奨 文部科学大臣新人賞を受賞。
主な個展に「evala 現われる場 消滅する像」(NTT ICC , 2024)など。その他、養老天命反転地、世界遺産・薬師寺、東京都庭園美術館、十和田市現代美術館、Sonar(スペイン)、SXSW(アメリカ)、国立アジア文化殿堂(韓国)、ENNOVA ART Museum(中国)などで、目には映らない独創的な作品を展開する。

<受賞歴>
2026年:令和7年度(第76回)芸術選奨 文部科学大臣新人賞
2025年:Ars Electronica 2025 冨田勲特別賞 《ebb tide》
2025年:AI Creative Future Awards | AICA Award 《Studies for》
2025年:The Lumen Prize | Experiential Award Finalist 《“Sprout ‘fizz’”》
2021年:Ars Electronica 2021 Digital Musics & Sound Art部門 栄誉賞 《聴象発景 in Rittor Base – HPL ver》
2021年:第24回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞 《Sea, See, She – まだ見ぬ君へ》
2019年:Ars Electronica / STARTS Prize 2019 Nomination 諏訪綾子 + evala + 筧康明《Journey on the Tongue》
2018 年:第22回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品 ソニー + evala + Kimchi and Chips 《Acoustic Vessel Odyssey》
2016 年:VR Creative Award 優秀賞《hearing things #Metronome》 など

公式Instagram:https://www.instagram.com/evalaport/

内藤久幹(ないとう・ひさよし)

アートプロデューサー。
電通クリエーティブ局にてアートディレクター、クリエイティブディレクターを経て独立。コミュニケーション・デザイン・センターを設立。
ブランドコミュニケーションから美術館企画、教育機関のブランディングまで、幅広く領域を横断。ポーラ美術館ブランディング、渋谷慶一郎Android and Music Science Laboratory、ライゾマティクス大阪公演、原口典之展(游庵)、KOGEN(√kcontemporary)、UI藝術運動体、妹島和世設計POLA銀座ほか、多数の展覧会・プロジェクトをプロデュース。
芸術とデザイン、アナログとデジタルをボーダレスに接続し、表現と社会の関係を再設計する実践を続けている。

公式Instagram:https://www.instagram.com/cdc.tokyo/

Photographers:小見山峻 佐内正史 新津保建秀 田附勝 ホンマタカシ 宮原夢画
Sound Installation:evala
curator:内藤久幹


◉開催情報


日時:4月18日(土)-5月17日(日)
開館時間:10:00-19:00(無休)
開催場所:京都場 KYOTO_ba 京都市中京区西ノ京南聖町6-5
公式Instagram:https://www.instagram.com/silversatan/
公式HP:https://silver-satan-x.com/artists/komiyama.html



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