グラスと水とライトだけで「酔える」オリジナルカクテル
Photo&Words:Tetsuro Takai Photo :Shutaro Nagano
高井哲朗が
スタジオスチルライフ撮影の
アイデアと 愉しみを 伝授
創造主ゼウスのように
光を操って 宇宙を創造しよう
スチルライフ それは あなたが
神になれる世界
長野柊太郎さんが久々にスタジオへ遊びに来た。
今は博報堂プロダクツのフォトグラファーだけど、
日藝写真学科の学生だった頃は、高井写真研究所のスタジオで毎週のようにスチルライフの撮影練習をしていたとか。
さて、今日は何を撮ろうか? 長野さんが選んだ被写体はグラス。
余分なプロップはナシ。透明なグラスと透明な水、そしてライティングだけで、
どれだけ「酔わせるか、酔えるか」の勝負。
ちなみにゼウス高井は、その昔、少しだけバーテンダーの仕事していたことがある。
光が揺れる長野くんのカクテル
ライカを 手に 長野くんが スタジオに来た 10年以上前の 話だ ストリートスナップ 随分と やってたようだ 顔つきも なかなか ヤバイ 日藝の先輩 小暮くんに 連れられて 興味本位で 覗きにね 学校も サボり気味で スタジオも ストロボも わからないらしい そんなヤツ だったんだけど なぜか 毎週のごとく スタジオに 遊びに来てた そして 知らないうちに ストロボを使い スチルライフ 撮ってた お手本は アービング・ペン 広告写真の 原点の 教科書だ 光 構図 研究したみたいで 写真が 主張し始めた 日藝 なんとか 卒業して 博報堂プロダクツに フォトグラファーとして 就職した ここ最近 APA賞も 連続受賞して バリバリの 新進として 大活躍だ その 忙しい合間をぬって ゼウスクラブで 遊んでもらった さあ どんな写真を 見せてくれるのか 楽しみだ 昔から 飲むの 好きだったからなぁ グラスで 遊ぶのかな
ライティングの組み立て
その昔、バーテンダーをしていたんだ
モスコーミュール スクリュードライバー 頼むよ スカした ヤツ 目配せ してきたな オレンジジュース だよ なんて 言いながら あの子 酔わせるつもりか? まぁ どっちが強いか わかんないけど 男と女の 関係には アルコールは 必修だしね お兄さん 新米だね サイドカー できるん? ちょっと ほろ酔い イケイケねーちゃん 注文してきた カウンターに入るの まだ 3回目 見よう見まねの シェーカーさばき カクテルグラスに ジャスト ピッタリ きょうも いけてる グッドだぜ 恋の 駆け引き 盗み聞き 上司の 悪口は スルー 顔色見ながら 酔い加減を 想像 バーテンダー 楽しい仕事だね カクテルで 好きなのは ブルーハワイ 夢の国の色 ブルー 甘い香り パイナップル ときどき 飲むのは スプモーニ カンパリの 綺麗な色 グレープフルーツ 刺激の トニックウオーター 大変な時代は ブラッディ・メアリー ウオッカ トマトジュース レモンジュース 血みどろの メアリー女王 飲みほすんだ そして チチ で潤う きょうも 楽しく カラフルに 夜の世界が 訪れる この世界が いつまでも 平和であることを 願う ゼウスの 夜は カクテルカラー 夢の世界に 出発さ バキューン
ライティングの組み立て
長野柊太郎
1990 東京生まれ。2015 日本大学藝術学部写真学科卒業。博報堂プロダクツ所属。広告フォトグラファーとして活躍する。
APAアワード 特選/優秀賞・新聞広告賞 大賞・NYフェスティバル GOLD・ADFEST BRONZE 他、受賞多数。
photocreative.jp/photographer/shutaro_nagano/
高井哲朗
たかい・てつろう/1978年 フリーとして活動開始。1986年(株)高井写真研究所設立。広告写真を中心に活動するかたわら、ゼウスクラブを開催し、写真の可能性を伝導する。
www.kenkyujo.co.jp/
twitter.com/TetsuroTakai
コマーシャル・フォト2022年12月号記事より
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ゼウスのスチルライフマジック プロフェッショナルスタジオライティングのアイデアと実践 Vol.1
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